記載者：toshi jinnai on September 05, 2104 at 21:36:51:
元の記事：「８３６６円で基本設計受注 都内初の区立病院入札で」 /記載者：toshi jinnai on August 22, 2104 at 16:06:57:
松田平田設計のホームページより
「松田平田設計」は、松田軍平による昭和6年の創業以来、70数年にわたり、業務の実績を築いてまいりました。
私たちは創業者松田軍平の精神 「 建築家であるまえに、良き人格者、すなわち紳士たれ 」 の原点を大切にしたいと考えています。 この言葉は 「 建築家の立場・役割として、自らの中立性を保ち、設計者として設計思想を建築主や現場に丁寧に分かりやすく伝え、監理することが如何に重要か 」 と言うことを示唆したものと理解しています。
建築設計の本質は、社会責任を負い、確固たる理念のもと、良きコーディネーターとして幅広い柔軟な見識と豊かな想像力を持って、各種の技術 ・ 知識 ・ 経験を集約し、統合することにあります。私たち建築家は信頼と委嘱によって業務を行うプロフェッション （ 専門的・知的職業人 ）であるとの認識を大切にし、建築に対する理念・情熱と職能倫理を常に堅持しつつ誠実・公正な設計の実践を行っていきたいと考えています。
私たちは今後とも、建築主の皆様のオーナーズコンサルタントとして、都市と建築、さらにそれを取り巻く環境を再構築し、 社会に貢献する総合設計事務所としての歩みを一歩一歩進めてゆきたいと考えています。
代表取締役社長 中園正樹（＊）
次に都議会議員より入手した「低入札調査ヒアリング（松田平田設計）」より一部抜粋
平成16年7月27日 午後4時〜午後4時30分（４０１会議室）
＜松田平田側出席者＞
プロジェクト設計室 室長 室井一雄（＊）
プロジェクト推進室 プロジェクト推進部 担当部長 PFI担当 伊津 道人（＊）
他二名
＜区側出席者＞
経理課長、営繕課長、契約課長、岡崎、櫻井
松田平田より資料提出及び資料説明
○ なぜ8,366円か
・ 東京都の技術Cの単価25,100円の1/3が8,366円。一般競争入札なのでとにかく他社との勝負で勝ちかったから、その金額になった。
・ 諸経費については人件費の▼90％、技術経費については人件費の▼15％、追加業務費に関して必要経費を計上し上記の金額となった。
・ 金額ではなく是非落札し、その仕事をしたいという気持ちである。そのバックボーンとのなる経済的体力は充分にあるので、決して安かろう悪かろうではない。この金額は熱意の表れとして理解して欲しい。
中略
○ その他
・ 医療福祉の設計はプロポーザルのケースが多く、選定される確率は2割位しかない。今回は一般競争入札であり価格競争。かつ誰もが注目する大型案件なので是非落札し実績を作りたい。
・ 新台東病院の運営事業者の公募に参加予定であった某病院（参加は断念）の依頼で設計の基本案を作成した経緯があり、その業績を活かすことで効率的な設計を行うことができる。
（＊）JIAの会員
JIA会員の皆さん、これを読んでどう思われますか。
言うことは格好いいが、やっていることが卑劣だ、といった会員の声が聞かれる。社長のコメントといい、部下の入札の経緯といい、日本の組織設計事務所を代表するMHSのだらしなさが浮き彫りにされる。社長のクライアント、社会へのコメントと部下の行動はチグハグであり、建築家としての職能倫理を大いに疑う。社会にあるまじき不当な入札行為を我が企業の為に、JIAの役員、会員、しかも企業ぐるみで行使したことに同業者として非常に憤りを感じる。松田平田設計の創立者、松田軍平の建築家たる精神も台無しである。
今回のMHSの不当廉売行為は、会員の有無に関わらず、真面目にやってきている者への裏切り行為とも捉えられる。主に中小企業からなる台東区の区民はこの落札価格を不当とし、公正取引委員会に告発し白紙撤回する動きにでている。本来、建築家という職能倫理上、台東区の区民の立場に立ち、かれらをバックアップするべきはずなのに、世に反し区民の反感を食らうことになってしまった。区民の気持ちまで無視してまで、己の欲の為、仕事を獲得したいのか。MHSの各個人の建築家としての職能倫理が大きく問われる。
しかし、JIAの会長、小倉善明氏の所属する日建設計の入札価格は18,100,000円（予定価格 36,000,000円、調査基準価格 24,000,000円）となっている。その額を妥当とみるかどうかは個人にもよろうが、安値であることは間違いない。因みに最高値は久米設計の34,000,000円。入札価格は松田平田の8,366円から久米の34,000,000円、基準価格を下回る業者 26社（36社応募）。設計の入札を我が身(建築家)のみならず、市民のためにも真剣に再考する必要がある。