早すぎる東大教授安藤忠雄の退官


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記載者:toshi jinnai on April 29, 2103 at 13:43:21:

先日、安藤忠雄氏が東大を退官した記事(朝日新聞)を読んだ。もう退官なの、と驚嘆する人(学生)も多かったと思う。日本の社会は超高齢層時代に突入しょうとしている今日、いまだ年齢(制限)という形式にこだわっている。退職の年齢のみならず、雇用の際も年齢別に求人募集している。まさに時代錯誤である。もうすこし、アメリカの雇用システムを見習うべきであろう。

確かに、アメリカの公務員にも50代半ばで退職しなけばならない職(例えば医師)もあるが、MiesはIITで70代の半ばまで学生の指導を行っていたことは誰もが知るところです。そして、Miesと共に働いたAlfred Caldwell(http://www.iit.edu/publications/catalyst/summer98/caldwell.html)、Miesの教え子の一人Myron Goldsmith(http://www.artic.edu/aic/collections/dept_architecture/goldsmith.html)、彼らは亡くなった年齢こそ違い、共に死するまで学生の指導にあたっていた。Alfred Caldwellは90歳を超えても大学は解雇せず、教官をはじめ学生達は彼を大変尊敬し、大学での彼の存在を誇りに思っていた。77歳で亡くなった Myron Goldsmithは療養中、学生を自宅に招いて設計・論文(thesis)の指導をしていた。食もほそく痩せていたが、指導は相変わらずいつものように熱気に溢れていた。その頃、私もMyronの学生の一人で、彼の自宅を往復2時間もかけて通っていた。大学、大学院と日本で学んだ私にとっては、そのような出来事は異様にさえ思ったが、教師としの責任を、architectかつengineerであるMyron Goldsmithを通じて垣間見た思いでもあった。日本の年齢構成(年功序列)による雇用形態による社会ではとても想像できない貴重な体験をした。

因習的な社会において、大学だけでなく、団体も形式・既成概念にこだわらず、大胆な改革なくして現在の日本の建築業界は世界市場に介入出来ない現実にあることを知るべきであろう。経営不振のNECは日本型企業形態の行き詰まりを感じ、米国型企業形態の導入を検討していることを明らかにしている。そして、今回の安藤忠雄氏の早期とも思える年齢制限による退官は、独立行政法人へと余儀無く移行される大学機関そして日本の社会の損失につながっていることは明快である。


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