「しっぽ」
ボクの目の前に、ぴくぴくっと揺れるふさふさ。
恐る恐る、手を伸ばしてみる。
あ、逃げた。
よーし、もう一度っ!
あ、また逃げた。
えーい、生意気なー!
飛びつく。逃げる。追いかける。逃げる。逃げる。逃げる。
「かわい〜ぃ♪」
「ほらほ〜ら、こっちだよ〜♪」
僕の目の前で、ねこじゃらし片手にころころっと笑いながら、聡子。
そんな聡子の姿と彼女の揺れる髪から香る匂いに、思わず笑みがこぼれてしまう、僕らだけの秋の朝。
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