雑誌「婦人之友」に掲載された記事(1987年11月号,p.140-142,婦人之友社)
※以下の記事は婦人之友社のご好意により転載させていただきました。


受けつがれてきた伝統−

アーリー・カナディアン・ラグフッキング

山本芙美子(在北アメリカ ブラックスバーグ)

 ラグフッキングは、一枚の地布に細長く切った刺布をかぎ針(フック)でひっかけ、ループを作ってゆく手法です。もとはすきま風を防ぐために作られたといわれ、北欧からアメリカに開拓者を通して伝わりました。その後はベッドや家具のカバーのために、また高価な輸入カーペットを暖炉の火から守るために敷物として作られていました。開拓者は古着や端布をさいて、じゃがいもなどの空袋を土台に個性的な図柄を思い思いにさしていたということです。

 偶然私の友だちで、ブラックスバーグ(北アメリカ)に住んでいるバーネット夫人の家に、彼女のおばあ様、お姑様の作られた素晴らしい初期の作品がありました(写真)。これらは50年以上も前から使われているそうです。

 私はカナダに住んでいたときに、このさし方を覚えました。最近ではパターンも沢山見かけますが、自分でデザインしたものは思い出のある楽しいものが出来るでしょう。刺布は古毛布、セーター、古着をはさみで細く切ったり、好みの色に染めなおして作ります。 解説150頁参照

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(写真の説明)
最初の写真:
(向かって右)古いものの典型的な図案(95cmx1m59cm),(向かって左)葉だけのデザインは珍しい
2頁目の写真:実際にラグが使われている様子を示しています。
(奥のもの)59cmx1m3cm,(手前のもの)79cmx1m25cm
3頁目の写真:上段がバーネットさんのお宅にあったラグ(84cmx1m47cm)で、下段が私の作品です。

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