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◆22.大津三条大橋 2002年03月23日(土) 晴、雨
08:10 → 11:41 (3時間31分)  区間歩数:17,227 areamap.gif
[参考]大森町駅発3/22 22:32、横浜発23:18、浜大津着07:30
      (横浜、浜大津間夜行高速バス利用)
当日総歩数:36,254


浜大津→大津市京町→逢坂山→山科駅→日岡峠→九条山→三条大橋

最終回は大津からスタート。
02032302.jpg 07:40 浜大津

 品川・横浜から大津行きという夜行高速バスがあり、JRの夜行「ムーンライトながら」大垣行きより時間が有効に使えそうなので利用してみた。道中の車内は、カーテンで完全真っ暗状態。シートは飛行機並だが、エアサスペンションでゆったり揺れるのが多少気になる。トイレもついてはいるが、途中2度ほど休憩を取り、渋滞などの影響で40分遅れて7時30分に浜大津に到着。バスターミナルの上は京阪電車の
02032305.jpg 08:10 大津中心部

 浜大津は琵琶湖に面しており、前回終了の旧道まで戻る。
 この大通りを左に行くとJRの大津駅。この旧道は京都へ行く道であることから京町通りというとのこと。そんな説明書きがあった。例年より10日以上も早く桜が満開になってしまった東京に比べると気温は低い。
02032307.jpg 08:17 大津事件碑

 持参したサンドイッチを道ばたで食す。バスターミナルで食べようと思ったが、待合室みたいなところもなく旧道まで来てしまった。食べ終えた。さあ、最終回の歩きが始まる。車は通るがやや細目の旧道を進む。しばらく行くと、左手に明治時代にロシア皇太子が切りつけられたという大津事件の石碑。昨晩は雨だったようだ。路面がまだ濡れている。でも、空は青い。今日の天気は問題無さそうだ。
02032308.jpg 08:22 札の辻

 ほどなく路面電車の走る広い通りに出る。ここが札の辻。この交差点を左に折れる。この電車は先の浜大津からの京阪京津(ケイシン)線だ。ブルーの車体などを見つつしばらく行くと左に本陣跡の碑がある。かるい上り坂のこの広い道をさらに進む。
02032311.jpg 08:36 東海道線トンネル

 道はやがてJR東海道線の上を越える。そこにはレンガ色の古そうなトンネルがあった。軽い坂はまだ続き、路面電車はいつしか道路から離れ専用軌道を走るようになる。そして、道路からその京阪電車の踏切越しに蝉丸神社下社がある。
02032314.jpg 08:48 逢坂

 坂道は続く。ここは逢坂だ。道路左脇の幅の狭い歩道を進む。親子連れ自転車組が抜いていく。と思ったら、ウォーキングを楽しんでいるような二人組の男性の老人にも抜かれる。どうもいつもより自然にペースが落ちているような気がする。ゴールに着きたいような着きたくないような...。名神高速の下をくぐると右手には下社とはうって変わって鮮やかな蝉丸神社上社が登場。
02032318.jpg 09:08 逢坂旧道

 さらに進むと逢坂山関跡の石碑と常夜灯が右手に見える。
 逢坂を上りきってすぐに旧道は右に分かれる。広い通りの左側を歩いてきたため右に渡るのに苦労する。車が多く、横断歩道も無い。何とか車のとぎれるのを待ち、京阪の上を越えて旧道に入る。
 旧道に入ると「日本一のうなぎ」と書かれた割烹かねよが左右に現れる。すぐ先の大谷駅手前には元祖走井餅の石碑。あっという間に旧道は終わり、また車の多い道に出、歩道橋で左側に渡る。
02032321.jpg 09:17 月心寺

 車と一緒に先へ進むと左手には月心寺。境内には今でもわき出る泉があるという。お寺というより民家のようなたたずまい。
 歩道、車道、京阪線が並んで進むこの辺りはのんびりと歩くにはちょうど良い。やや気温が低いが気持の良い環境で歩を進める。
02032322.jpg 09:32 山科追分道標

 その後道は右カーブし高速の下をくぐる。そして左に入る道の角に交番。そこを左に入り、車の多い道とはさよなら。ここからしばらく行くと「みぎ京みち、ひだりふしみみち」と書かれた追分道標。左に行くと大阪方面に行けるようだ。京都を目指す私は当然今回は右側に行く。この辺りはなかなか落ち着いた街並みが続く。
02032324.jpg 09:39 国道越え

 のどかな道は一旦国道を横断歩道橋で渡りまた細目の道に入って行く。おー、歩道橋の上からは「京都市」を示す看板が目に入る。歩道橋を渡りまた旧道を進む。スーパーマーケットの手前に三井寺への入口(小関越え)の石碑がある。
02032326.jpg 09:49 ついに京都市

 歩いてきた道はついに京都市への入口に到達だ。暑い日、寒い日、雨の日、晴れの日、ただひたすら西を目指して来た各地の道は確かに京へ続いていた。でも、これで終わりでは無い。最終ゴールは三条大橋だ。さあ、この後は京都市内の歩きを楽しもう。
 そう、この道は三条大橋へ続いている。
02032327.jpg 09:57 徳林庵

 京都市山科区に入った。旧道ではあるが、車も通り、人々が生活しているこの道を進んでいく。2002年3月、東京は記録的な早さの桜の満開だが、この辺はまだ3分咲きだ。生活の息吹が感じられる東海道は気持が落ち着く。右手に徳林庵(六角堂)を見て次第ににぎわいを見せる山科の商店街に入って行く。
02032328.jpg 10:03 山科

 京阪電車とJRの山科駅が右に見える。道の左側には新しいショッピング街のにぎわい。今、まさに、私が歩いているこの通りを旧東海道としてどれだけの人が認識しているのだろうか?そのような問いに対する答えかもしれないが、ライオンズクラブ寄贈の新しい東海道石碑があった。ここに限らないが、私のようなひとときの通過者のために町はある訳ではない。時代に合った住み易さこそ尊重すべきだ。しかしながら、旧東海道というある意味ではそれほど古くない(人それぞれで感じ方は違うのは当然なのだが)江戸時代を感じさせてくれることが同居できるものなら是非お願いしたい
02032331.jpg 10:25 三条通りから旧道

 山科の繁華街を過ぎると三条通りという名の広い道に出る。その交差点の信号を渡り、道の左側を進み交差点の先の電車のガードを越えて写真のような道をすぐ左に入る。先達のHP等で確認していなければかなり信じにくいが、このような細い道だ。手前の右手は天智天皇陵。
 私の所有する講談社+α文庫「完全 東海道五十三次ガイド」では「京阪電車の線路の手前を左」となっているが、京阪は地下鉄になったため地上にはない。この細い道は意識していないと本当にみつけにくい。
 ここを抜けてしばらく行くと予想を上回る急な坂道にさしかかる。
02032334.jpg 10:47 日ノ岡峠

 うん、ガイドブックにある通り、昔と同じ幅かもしれない道を進んでいく。左には亀の水という名のわき水のある不動尊に到着だ。言っては何だがこの地区、あまり大きくない建て売り住宅の開発真っ最中。住民でないものが言うべきではないが、せっかくの雰囲気が残ったこの地区に小さな建て売り住宅をたくさん作らなくてはいけないのは何故だろうか?もちろん生きている現代の人優先は当然だ。しかしここは歴史の保存に格段の力を入れる京都だ。確かに著名な寺社は無い。無名な地域ではだめなのだろうか、あの東海道なのに。
02032335.jpg 10:58 九条山

 細い道からまた大きな通りに出た。九条山駅の横を通過し緩い坂道を上っていく。切り通しのような道がこの先右カーブしている。ひょっとするとここを抜けると視界が開けるかもしれない。いや、開けなくていいよ。そうしたら終わりが見えるのと同じことだから。
 引き返す訳でもない。右カーブに進んでしまおう。
お、お、お、あれはもしかすると(もしかしなくてもだよね)京都の市内ではないだろうか。
02032337.jpg 11:27 東山三条

 左に都ホテル、右に南禅寺という「蹴上」駅付近で何故か急に雨が降ってきた。雨宿りでもさせて、ゴールを遅らせようという配慮か?すでに友人は三条大橋に着いているという電話があった。街中のにぎわいは十分になってきた。旧道の雰囲気がどうのこうのという時期は完全に終わっている。雨はひどい降りにならずにすんだ。先へ行くしかない。車の渋滞の先にはなお一層のにぎわいが感じられる。
 この赤信号の道も、三条大橋へ続いている。
 信号2つ3つ先の向こうには何か見えるぞ...。
02032339.jpg 11:40 三条大橋手前

 手前でわざわざ地下に降りてトイレに行く。鉄則ですよね、トイレがある場所では用を済ませる。
 地上に出ると橋の手前には高山彦九郎像。
 そして、鴨川にかかる三条大橋、そう、ゴールに着いたーーー。

 さっきの雨はどこへやら。気温は低いがいい天気でゴールだ。
 橋の左を中央まで進むと、おう、友人二人の顔が見えるではないか。
02032340.jpg 11:41 三条大橋

 友人二人が気にかけてわざわざ東京と横浜からこの時間に合わせて京都まで来て、ここで出迎えてくれた。彼らと共に橋を渡ると、左手には弥次喜多像。友人は写真のような手書きのたすきまで用意していた。そして彼らは日帰りで帰っていった。 
 家族二人も花を持って駆けつけた
 それぞれに、感謝。

 生活習慣病の対策には、道具もお金もかからなくて手軽だという単純な理由で始めたウォーキング。変化をつけて長続きできるようにと自分なりの工夫の究極が東海道歩き。
 自信なんか全然無かった。西へ進めば進むほど本気になったこの東海道。お金がかからないなどとんでもない。旅費を中心に遠くへ来れば来るほど費用がかさむ。でもそれには代えられないものがある。一言では言えない。それを知りたければ、一区間でもいい、ぜひ歩いてみてほしい。

そして、再度、すべてに、ありがとう。

完。

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