ベトカン一人旅
2008年2月25日 月曜日
シェムリアップの朝、7時には起床。
そしてやはり下り気味の腹、もうこれは恒例だから仕方ない。
朝食をとりにレストランへ行くが予想通り明らかに日本人が多い。
色々な朝食メニューが並んでいるのに下り気味の腹に優しそうなものしか食べられないのが残念。
この日のテーマはこの旅のメインテーマでもあるアンコール遺跡群観光。
アンコール遺跡はシェムリアップの中心部から距離がある。
ホーチミンやこれまでの旅のように歩いて行ける範囲ではない。
個人レベルだとタクシーなどをチャーターして行くのが一般的だとか。
タクシーだとか味気ない。
バイクタクシーだと危険が多そう。
間を取ってそれなりに風情もあって危険も少なそうなトゥクトゥクをチャーターすることにした。
バイクの後ろに屋根付きの荷台を席として取り付けたトゥクトゥク。
3輪なので転ぶ心配は少ないし、落ち着いて座って行けるし、タクシーほど高くは無い。
この旅最大の目的であるアンコール遺跡観光を確実かつ安全に遂行するために割高になるのを覚悟でホテルのフロントで依頼。
1日チャーターで幾らか尋ねると15米ドル(≒1,650円)。
バカ高いわけでもないし、ガイドブックにも目安はそのくらいと書いてあったので2つ返事で了解。
するとホテルの従業員はホテルの敷地内で客待ちをしていたトゥクトゥクドライバーに声をかける。
敷地内で客待ちしてるってことはそれなりに信用して良いのかな。
行きたかったポイントは3つ。
アンコールワットとアンコールトムとタプロム。
トゥクトゥクドライバーにそれを告げていざアンコール遺跡へ。
アンコール遺跡へ向かう車道は舗装されているが、歩道にあたるような部分は未舗装で土埃が舞う。
シェムリアップ中心部から10分ほど走るとアンコール遺跡の入場口に到着。
遊園地の入場券売り場のようになっている。
アンコール遺跡の1日入場券20米ドル(≒2,200円)、3日通し券40米ドル(≒4,400円)。
1日券以外は使い回し防止のために顔写真入りになるという。
どうせなら記念になる顔写真入りが良い、3日券を買えば明日も気兼ねなく来ることが出来る。
少し迷った末に3日券を購入。
その場で小型カメラのようなもので撮影されてアッという間に入場券がプリントアウトされた。
写真の画像はだいぶ粗い、まぁこんなもんか。
それにしても1日20米ドル(≒2,200円)って結構高い。
入場口から5分ほど走るとなんとなく見覚えのある景色が見えてきた。
お、あれか?あれか?!という感じで到着、アンコールワット。
ネットやガイドブックで散々見たことがあるアンコールワットが遂にそこに。
トゥクトゥクドライバーの兄ちゃんはアンコールワットまでは入ってこない。
アンコールワット前の土産物屋や駐車場がある広場で待っているという。
ここからは1人でアンコールワットの観光。
アンコールワット敷地内に入る一本道の入口で係員に入場券を提示。
周りは堀のように水に囲まれた中をアンコールワットへ続くまっすぐな道を歩く。
最初の門を越えると眼前に広がるアンコールワットの威容。
ガイドブックなどでお馴染みのシーンを生で見るとそれだけでやはり感慨深いミーハー観光客。
アンコールワットは東を背に立っているので午前中は逆光になって写真撮影には向かないとのガイドブックの情報。
オイオイ、こっちは写真を撮りに来たんじゃなくて名までアンコールワットを見に来たんだぜ。
本体に辿り着くまでの長い1本道が良い。
敢えてゆっくり歩いてジワジワと気持ちを昂ぶらせる。
中に入り順路に沿って回廊を見て回る。
回廊の壁にはレリーフ(彫刻)が施されていて、それらがストーリーになっているという。
回廊の壁だけではなく、柱にも天井にも疲れて腰掛けた石にもレリーフレリーフ。
最初のうちはじっくり見ていた回廊のレリーフも後半は目が離せないと言うよりもキリが無い。
外回廊の他に内回廊もあり、本当にじっくり見ていたら何時間あっても足りなさそう。
それでも今回の旅のハイライトとなるアンコールワットなのでじっくり鑑賞。
3時間くらいかけて休み休みアンコールワット内をグルグル。
アンコールワットの一番高い所である第三回廊は工事中で立入禁止。
こればかりは次の機会だ。
アンコールワット脇の露店でアンコールビール1米ドル(≒110円)を購入して休憩と燃料補給。
12時過ぎにトゥクトゥクへ戻る。
戻った時に果たしてトゥクトゥクドライバーの兄ちゃんを視認出来るか不安だった。
カンボジア人は皆同じに見えてしまう。
トゥクトゥクドライバーの方はどうやら覚えていたらしく「コッチコッチ」と手招きする。
もしかしたら単なる客引きのトゥクトゥクドライバーかもしれない。
あぁ確かこんなヤツだったような気がする、みたいな曖昧な記憶でついていく。
公式のトゥクトゥクドライバーには着用が義務付けられている(?)番号入りベストの番号を見てようやく安心できた。
5分ほど走って到着したのはアンコールトム。
アンコールワットはそれ自体が1つの遺跡だったのに対してアンコールトムは複合的に色々な遺跡が点在する敷地。
アンコールトムで最も有名なのが「宇宙の中心」たる壮大なキャッチフレーズをもつバイヨン。
建物と言うよりも石造りの四面仏がアチコチに立てられている集合した石の山のような感じ。
面積はそう大きくないが、中は石造りの迷路のようになっておりどこから入ったのか分からなくなる。
アッチにもコッチにも四面仏が穏やかな微笑を浮かべている。
アレも顔、コレも顔、よく見りゃソレも顔という感じでよく分からずともなんだか神秘的。
バイヨン近くの露店で昼飯とビール。
レストランなどと呼べる代物ではなく、運動会で建てられるテントみたいな屋根だけある殆ど外。
足元を野良犬(?)がウロウロしているような環境。
鶏肉と野菜炒めみたいなのにライス。
観光地にある観光客のための食事処、味は可も無く不可も無く。
燃料補給後にアンコールトム内を一通りブラブラ。
象のレリーフがズラリと並んだ象のテラスを経由して階段ピラミッドのようなピミアナカスへ。
階段ピラミッドは凄く急な階段ながら上には人の姿が見える。
目の前で西洋人カップルが登るのを諦めているのを見て「よし、行ってやろうじゃないか」と。
ロッククライミングのように両手も使って登り始める。
半分くらい行ったところで後悔し始める、怖ぇ…
アンコールワットやトムで結構歩いているので足も疲れている。
遺跡だから足元がいつ崩れるかも分からない。
おまけに登ったら降りなきゃいけないってことだし(当たり前)。
かといって止まるわけにも行かず足が震える前に登りきった。
後でガイドブックを見たら最大傾斜は70度近くあったらしい。
登ったは良いが特に絶景があるわけでもなくただ少し高い所に来たな程度。
ただ登ることが1つの経験になっただけのような。
さて問題は下りだ…と思っていたら違う側面にはちゃんと手すりつきの整備された階段があった。
なんだよ、最初っからこっち登ってれば良かったのかよ。
それでも急勾配に変わりは無く、手すりを掴んでゆっくり降りる。
次が三島由紀夫の戯曲で有名なライ王のテラス。
もっとも私は今回アンコールトムへ来るにあたって初めて知ったのだが…。
迷路みたいな細い通路の中に入ると高い壁一面にびっしりと神々の像が。
棚に並んで飾られているかのような錯覚を起こす。
コイツらをいちいち壁に彫っていったのだとするとそりゃ大したものだ。
アンコールトムは全体的にタイのアユタヤ遺跡のような雰囲気。
広大な敷地の中に半分廃墟と化した遺跡が点在。
ワットでもそうだったがトムもその気になれば1日いても見尽くせないくらいの規模。
アンコールトムの主要スポット巡りを終えてトゥクトゥクへ。
ようやく兄ちゃんの顔もトゥクトゥクの特徴も覚えたので間違えずに済んだ。
5分強走ってタプロム寺院へ。
ここは長い年月をかけて巨大な木が石造りの建物を侵食していることで有名な寺院。
崩壊した寺院とそれに絡みつく巨木、なんだかファイナルファンタジーにでも出てきそうな風景。
木が侵食していることによって建物は徐々に痛んでいるらしいが、木を取り除くと建物自体が崩れる恐れがあるという。
人間が作ったものでも長い眼で見れば自然には勝てないというのを見せ付けられているよう。
アンコールワット・トム・タプロムと遺跡見物三昧。
この周りには他にも色々と遺跡が点在しているが、今回はこれくらいにしてでシェムリアップの街へ戻る。
→次へ
←ベトカン一人旅一覧
←最初のページ