ベトカン一人旅
2008年2月24日 日曜日
飛行機の搭乗時間が近づき、出国審査やらを済ませて搭乗。
カンボジアのシェムリアップへ向かう機内は半分程度の入り。
私のいる横の列には誰も座らず、ゆったりと席を使えた。
飛行機は18:35出発予定のはずが18:25にはもう動き出した。
これまで何度も飛行機に乗っているが遅れることこそあれ時間より早く動き出したのは初めてではなかろうか。
離陸してシートベルト着用サインが消えたと思ったらすぐに機内軽食が運ばれてきた。
サンドイッチとチョコレートウェハース。
食べ終わったら慌しく回収に来て一息つく暇も無く飛行機は高度を下げ始める。
飛行機の窓から眺めるシェムリアップはこれまで夜に到着したどの都市よりも暗かった。
殆ど灯りが見えない暗さ。
19:20、結局1時間もしないうちにシェムリアップ国際空港に到着。
飛行機もタラップから直接地面に降りて徒歩で空港施設まで向かう。
トルコのカッパドキアへ行った時のカイセリ空港を思い出した。
飛行機では前の席に座っていたので(ビジネスクラスなどは存在しない小さな飛行機)すぐに出ることができた。
カンボジアでは入国にビザが必要。
日本で事前に取得することも出来たのだが、現地で取得するのが1番安上がりだという情報だった。
空港にビザ取得カウンターがあり、そこで取得する。
場合によっては並んで待たされることもあるとのらしいので急いでビザカウンターへ向かう。
ビザ申請用紙は事前に日本でネットからダウンロードして記入しておいた。
ビザ申請代金20米ドル(≒2200円)を払ってパスポートと顔写真(昔撮ったスピード写真)を提出。
2,3分待ってすぐにビザが支給された。
パスポートの査証ページを丸々1ページ使った立派なビザだった。
同じ飛行機で到着した人の中では最も早くビザを取得してさっさと入国手続き。
入国手続きカウンターには小型カメラがあり、恐らくは顔写真を撮られたような気がする。
有料なビザといい、入国時に写真撮られたりと今までの国とは違う雰囲気。
無事に入国手続きを終えて誰もいない税関を越えるともう半分外。
時間は19:30(ベトナムとの時差は無い)で周りは暗い。
シェムリアップ空港から街までは路線バスなどが出ているという情報は無し。
初めての街でしかも夜なので安全に空港のカウンターでタクシーを頼むことにした。
エアポートタクシーのカウンターがあるのでそこで依頼。
タクシーを頼むと言うと、バイクタクシーの方が安いけどどうする?と。
確かにタクシー5米ドル(≒550円)、バイクタクシー1米ドル(≒110円)。
ホーチミンでは乗れなかったバイクタクシー、これをきっかけに乗ってみるのも良いかもしれない。
OK、バイクタクシーで行こう。
呼ばれて登場した運転手は私より若そうな兄ちゃん。
ホテルの名前を言うと「OK、さぁ乗れ」と。
運転手も私もヘルメット無し。
運転手の腰を抱くのは気が引けたのでシートを掴んで足にもしっかり力を入れて体勢を整える。
シェムリアップがホーチミン並みの交通量だったらどうしようという一抹の不安のなか出発。
不安をよそにホーチミンよりは明らかに交通量も街灯も少ない通りをバイクは疾走。
生ぬるい夜風が心地良い。
予想はしていたが運転手の兄ちゃんが運転しながら話しかけてくる。
もうホテルは予約したのか、遺跡巡りの足は確保したのか等々。
明らかにセールスに繋げようとするトークを繰り広げる。
バイクを運転しながら英語で話しかけてくるので実に聞き取りづらい。
聞き取りづらいから聞き直すと振り向いて話しかけてくるのでその度にバイクが揺れて恐い。
イイから黙って前向いて運転してくれよ!と叫びたくなるのを堪える。
幸い交通量が多くは無かったので危険なことは無かったが冷や冷やした。
バイクで走ること20分ほど、無事にホテルまで到着。
身体中に力を入れてバイクに乗っていたので身体がガチガチに固まっていた。
バイクタクシーの兄ちゃんに1ドル払ってさっさとお別れ。
「待て待て、明日からの予定を考えよう」と親しげに話しかけて来る兄ちゃんを苦笑いでやりすごす。
ここで下手に仲良くなっちゃうと翌日もバイクタクシーで遺跡を回らないといけなくなる。
今回泊まるホテルは街の中心部にある中級〜上級くらいの大型ホテル。
日本からそれなりに良いホテルを予約して行った。
ホテルに入ろうとするとドアマンがドアを開けてくれる。
豪華なロビー内に入ると脇から何やら日本語で挨拶の声と拍手。
どうもツアーの団体日本人が1日の反省会なのか1人1人挨拶をしては皆が拍手をしている。
いきなり団体日本人の洗礼だ。
チェックインを済ませてフロントの人が部屋まで案内してくれる。
「このホテルに1人で泊まる日本人は珍しい」と言われてしまった。
街中にある大型ホテルなのでツアー客の利用が多いのだろう。
少し場違いな所へ泊まってしまった気がした。
シェムリアップ中心部にある中級〜高級程度のホテルだとここが第1の選択肢に挙がったもので。
ホテルの部屋は値段相応にしっかりしていて文句なし。
時間は20時すぎ、ホテルでゆっくりするには早すぎる。
不要な荷物を部屋に置いて早速外へ。
ロビーではさらに「今着きました」という日本人団体ツアーがチェックインを待っていた。
ホーチミンでも日本人はアチコチ見たけど少人数グループが多かった。
シェムリアップではホテルに着いた僅か数分でそれを上回るような団体日本人を見ることになった。
アンコールワットという分かり易い観光地があるからだろう。
ともかく外へ出て事前に調べておいた飲食店が集まるバー・ストリートへ向けて歩き出す。
初めての街で夜に出歩くのは結構不安。
バイクや車は明らかにホーチミンより少ない。
比例して街灯も少なく、メインストリートを少し外れるとだいぶ暗い。
夜でも声をかけてくるバイクタクシーはホーチミンと変わらず、ただ絶対数は少ない。
15分ほど歩いてバーストリートへ着くとそこだけ急に明るくなり、西洋人が増えたのですぐに分かった。
適当にブラブラして「Beer 1Buy 1Get」と書かれた店へ入る。
とりあえずビール、カンボジアで是非飲みたかったのはアンコールビール。
カンボジアの定番ビールだが何よりも名前が良い。
1杯飲んだらアンコール!アンコール!もう1杯、もう1杯、みたいな。
味は普通のビール。
気分の問題もあるだろうが個人的にはベトナムのビールより美味しい気がした。
食べ物はカンボジアの名物料理と言うアモック(雷魚のココナッツミルク煮)。
アモックはココナッツミルクのまろやかな甘みと唐辛子のピリ辛、そしてここでも登場する香草。
それらが微妙に合わさったスープに雷魚が煮込まれてなんとも不思議な味。
日本の居酒屋感覚で1品だけじゃ物足りないかと思って2品頼んでみた。
平たい麺を空心菜と卵と豚肉で炒めた何ちゃらヌードル。
香草のクセもなく、普通に日本の居酒屋なんかでも「豚肉と野菜の炒め物(平麺入り)」みたいな感じで出てきそう。
2品頼んではみたものの、合わせると結構な量になった。
アンコールビール2本と2品を食べ終えた時はかなり満腹になっていた。
料金は全部で8米ドル(≒880円)。
アモック2.5米ドル+炒め物1.5米ドル+瓶ビール2本4米ドル
カンボジアでは米ドルが普通に流通していて、値段表記も殆ど米ドルだとか。
満腹と酔いを落ち着けるために少し夜のシェムリアップを歩き回る。
近くにナイトマーケットがあるというので行ってみる。
地元民が集まる市場ではなく、明らかに観光客向けに作られた人工的なマーケット。
整然と並んだ土産物屋の数々にアジア的雑然さは無く上品な感じがした。
ホテルへ戻る途中に24時間営業のコンビニがあったので寄ってビールを購入。
ここでも値札は米ドル表記で0.55米ドル(≒60円)。
1米ドル札を出したらお釣りが1,500カンボジアリエルで戻ってきた。
初めてカンボジアの自国通貨を見た。
ちなみに1米ドル≒4,000カンボジアリエル。
ホーチミンから始まった1日が国を跨いでシェムリアップで終わる。
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