ベトカン一人旅
2008年2月23日 土曜日
7:00過ぎに起床。
適度な緊張感を保っているからか旅先での目覚めはいつも良い。
ホテルの朝食は典型的なビュッフェタイプ。
その中にフォーがあるのがベトナムらしい。
アッサリスープに米麺はかなり朝飯向きだ。
行動開始は8:30、この日は1日ホーチミンをブラブラの予定。
外へ出ると曇り空、ムッとする暑さは相変わらず。
私の旅の基本形である徒歩でホーチミン観光を開始。
ホーチミンの目抜き通りを歩いているとバイクタクシーの兄ちゃんおっちゃんが次々に声をかけてくる。
バイクに乗っている人は半分くらいがバイクタクシーなんじゃないかってくらいアチコチから声をかけられる。
「ハーイ、オニイサン、オハヨ、ドコイクノ、バイクタクシー、シナイカンコー、ドンダケー、オッパッピー」
どこで覚えたのか怪しげな片言日本語を連呼。
基本的に苦笑いしてNo Thankyouと言って無視していれば勝手に離れていく。
イスタンブールでの勝手に観光案内しようとするヤツに比べればだいぶ良心的。
ホーチミン像のある人民委員会庁舎を経てサイゴン大聖堂と中央郵便局へ。
フランス統治下時代に作られたサイゴン大聖堂はどことなくノートルダム寺院を連想させるつくり。
中に入るのは無料だったので大聖堂内へ。
単なる観光地ではなく教会としても機能しているので中にはお祈りをしている人も。
続いて大聖堂の隣に立っている中央郵便局。
郵便局ながら駅みたいな外観でここもフランス統治下時代に作られた建物。
こちらも単なる観光地ではなく郵便局としての役目も果たしているため入場無料。
どちらもホーチミンの主要観光地だが、午前中だからかあまり人もいない。
郵便局をウロウロしていると外は霧雨になっていた。
見たところ長続きする感じの雨でもなかったのでしばし休憩しつつ雨が上がるのを待つ。
案の定数分で雨が上がり、再び行動開始。
しばし歩いてベトナム戦争証跡博物館へ。
1万5千ドン(≒105円)払って中へ。
ベトナム戦争での写真や展示物などが多数。
展示の説明文には日本語でも記載があった。
教科書でも見たことがあるようなベトナム戦争の写真が多数。
犯罪者を処刑したギロチンや牢獄などが再現されたコーナーもある。
施設内には米軍が使っていた戦車や戦闘機の実物?なども展示されている。
日本人団体客や西洋人客も大勢。
例えばアメリカ人などはどんな気持ちでそれを見たのだろうか。
日本の展示物もあり、その殆どが共産党による「ベトナムから撤退せよ」みたいなビラだった。
それを見てベトナムは共産主義の国なんだなということを思い出した。
それほど広くはない敷地内だったが見所はそれなりにあった。
戦争の悲惨さを伝えるような施設のはずだが、売店には戦車や戦闘機などの戦争グッズが売られていて苦笑。
1時間ほどウロウロした後で少し早いが昼食を食べに行くことに。
前日に友人との会話でお勧めという話だったベトナム風お好み焼きのバインセオ。
ガイドブックにそれが名物だという店が載っていたので歩いて行ってみることに。
ホーチミン中心部からやや距離はあったが歩けない距離ではない。
20分ほど歩いて到着した店は外に長机とプラスティック製の椅子を並べただけの粗末なつくり。
だけどさすがに日本のガイドブックに載っているだけに店内には明らかな日本人客が。
メニューを見ると日本語の表記もあった。
名物のバインセオ3万ドン(≒210円)とサイゴンビール1万1千ドン(≒77円)を注文。
バインセオはパリパリの薄い皮に豚肉・海老・モヤシが入り、キャベツにくるんで甘酢ダレにつけて食べる。
パリパリの食感とシャキシャキの野菜に肉と海老、まさにベトナム風お好み焼きという感じで美味。
ビールを2本飲んで合計5万2千ドン(≒364円)と値段も実に良心的だった。
再び徒歩でホーチミン中心に戻った後はバスに乗ってホーチミンの外れにあるチョロンという中華街へ行くことに。
相変わらず声をかけてくるバイクタクシーを振り切ってバス乗り場でチョロン行きのバスを待つ。
1番と番号が振ってあるバスがチョロン行きとのガイドブックの情報。
それっぽいバスが来たので手を上げて止める。
バスに乗って「Go チョロン?」と尋ね「Yes」と。
ホーチミンのバスには運転手の他に乗務員みたいなのも乗っていてその人からチケットを買う。
チョロンまでの値段も空港から街までと同じ3千ドン(≒21円)。
バスから眺める道は相変わらずバイクの洪水。
常にどこかでクラクションが鳴り響いているような状況。
その車道の状況を見ただけでバイクタクシーには絶対に乗りたくなくなる。
毎日かなりの数の事故が起こっているような気がする。
30分ほどかけてチョロンに到着。
どこの国へ行ってもそうだが、30分もバスで移動するとこんな所まで来てちゃんと戻れるのだろうかと不安になってくる。
チョロンの目玉はホーチミン最大のマーケットというビンタイ市場。
ホーチミン中心部にあるのがベンタイン市場でチョロンにあるのがビンタイ市場。
似たような名前でややこしい。
ベンタイン市場が観光客も多く訪れる所というのに対し、ビンタイ市場は卸業者が多いらしく観光客は少なめ。
散策してみたがベンタイン市場であったような日本語での呼び込みなどは一切無し。
ベンタイン市場よりもさらにゴミゴミしていて店がギッシリ。
観光客である私には興味も示さず、訝しげな視線で眺めてくる人ばかり。
ビンタイ市場はプロ向け、一見さんお断りみたいな雰囲気が感じられた。
一通りウロウロはしてみたが、殆ど周りの反応がないとそれはそれで何だか寂しい。
「場違いな者がなんかスイマセンでした」みたいな感じでそそくさと市場を出る。
次に行ったのはビンタイ市場から歩いて数分の所にある天后宮なる華人寺。
ここは常に線香が焚かれている寺で、行ってみると線香臭くてつねにモクモクしている。
吹き抜けの中心部には渦巻き型の線香が無数に吊るされている。
あれが全部蚊取り線香ならここら辺一帯に蚊はいないんだろうなーなんてこと考えつつ境内で休憩。
ウロウロ歩いて汗臭くなっていた身体が線香の匂いで消毒になっただろうか。
チョロンでの目的はビンタイ市場と天后宮、あとは適当に街をぶらついて戻ることに。
意識をすれば漢字表記が目に付いたがそれ以外はあまり中華街!というイメージは無い感じだった。
帰りのバスに乗るためにバス停を探して歩いているとちょうど前のオッサンが一台のバスを呼び止めた。
それがたまたまホーチミンとチョロンを結んでいる1番のバスだった。
運良く来たバスに乗り込んでホーチミン中心部へ戻る。
チョロン滞在は2時間にも満たなかったが、無事ホーチミンに戻ってこられたなーとホッとする。
ツアーじゃない旅は一瞬一瞬が緊張感に満ちている。
→次へ
←ベトカン一人旅一覧
←最初のページ