トルコ一人旅

2007年7月24日 火曜日
しばし歩いて新市街の中心地であるタクシム広場に到着。
そのタクシム広場の目の前に今夜のホテルがある。
日本から予約して2万円強かかったマルマラホテルという高級ホテル。
入口では回転ドアが回り、中に入ると金属探知機をくぐらされる(音が鳴っても呼び止められなかったが)。
フロントも豪華で当たり前だがこの旅で最高グレードのホテル。
チェックインをして鍵を貰う、カードキーだったのもこの旅で初めてだ。
ルームナンバーを見るとどうやら19階。
エレベーターに乗って驚いた、19階は客室では最上階だ。
部屋に入ると大きな窓から見える新市街の景色が素晴らしい。
部屋は勿論だが洗面所もバスルームも広い。
初めてちゃんと湯船に浸かれそうなバスルームだ。
日本から予約した際に色々なサイトを見て同じホテルでも一番安い所で予約した。
それなのにこんなに良い部屋を割り当てられるとは思っても見なかった。
ギョレメでのホテルも良かったし、飛び込みのホテルも悪くない、今回の旅でホテルは大当たりだった。
しばしホテルの豪華さを満喫して休憩。
時間は15時過ぎ、まだ行動を止めるには早い時間。
とりあえず新市街のメインストリート、イスティクラール通りを歩くことにする。
多くの人が行き交い、小さな路面電車が走るイスティクラール通り。
アジア的雑然さが漂う活気ではなく、欧州的上品さが漂う活気。
マクドナルドが例の赤地に黄色のロゴではなく、街に溶け込む色になっている。
恐らくはそういう規制がされているのだろう。
イスティクラール通りを南下すると世界最短という地下鉄・テュネルの駅があった。
19世紀に地下鉄の試作品として作られ、ヨーロッパで2番目に古いとか。
0.99YTL(≒99円)払って乗車。
車体自体もかなり古く、作った古臭さではなく本物の古さを感じさせる。
世界最短の地下鉄だから殆ど観光客向けなのかと思ったらそうでもなさそうで、現地人も多く乗っている。
単線だったが出発すると中で一箇所だけ複線になっていてそこで対向車とすれ違う。
短い区間でまさか対向車とすれ違うとは思っていなかったので驚き。
同じようなタイミングで発車しなければ巧いタイミングですれ違えないだろう。
実は結構しっかり時間管理されている地下鉄なのではなかろうか。
本当にアッという間に終点に到着し、降りた所はガラタ橋の近く。
さてどうしようかと考え、改めてグランバザールへ行こうと思い立った。
グランバザールはトルコに着いた初日の午前中にしか行かなかった。
夕方の時間帯のグランバザールへ行ってみることにした。
路面電車に乗って再び旧市街を経てグランバザールへ。
もっと賑わっているものかと思ったが案外そうでもなかった。
初日の午前中よりは混雑していたが、人がひしめくような熱気とまではいかず。
ただグランバザールの中で迷うのは初日と同じで自分がどこにいるのか分からなくなる。
素直に戻るのが嫌なので適当に歩いて外へ出る。
グランバザールの建物周辺も様々な商店が並んでいる。
どちらかというとグランバザールの中よりも外の方が人が多くて活気があった。
路面電車で新市街へ戻り、晩飯は新市街のイスティクラール通りへ。
そういえば初日に空港で会った女性が新市街の日本料理屋で働くと言っていた。
シンガポールの空港で会って、イスタンブールの空港で会った人。
これまでの旅で同じ日本人とたまたま2度会うことはあった。
しかし2回まではあっても、3回会うことは無かった。
最近読んだ小説のフレーズに「2度目までは偶然かもしれないけれど3度目ともなると…」というのがあった。
その3度目を僅かでも期待しつつイスティクラール通りを歩いたが、イスティクラール通りだけで大勢の人。
おまけに新市街はイスティクラール通りだけではなく相当広い。
当然3度目があるはずもなく。
そもそも日本人自体が殆どいなかった。
晩飯は「TURKISH PUB」という看板とセットメニューの値段が表に出ていた店に入る。
店内は日本のスポーツバーみたいな感じで、大画面TVでスポーツ中継をしている。
どの辺りが「TURKISH PUB」なのかは分からなかったが、サッカーをやっていたのでそれを眺めつつシシケバブとビール。
店内では現地の若者グループがワイワイやっている。
日本だとウルセーなと思うところだが、外国なので連中が何を喋っているのか分からない。
なんというかBGMの1つのようでウルサイ感じがしない。
ビール2杯とセットメニュー(シシケバブ+サラダ+パン)で31YTL(≒3,100円)。
わざわざ店員が「It's not including chip.」と言ってきた。
そんなこと自分で言うもんじゃないだろ…
40YTL(≒4,000円)払って釣りのうちコイン分の4YTL(≒400円)を置いてくる。
やっぱこのチップシステムってのは好きになれん。
外へ出て目に付いた店の店頭でトルコアイスを売っている。
そういえば食べてなかったことを思い出して買ってみる。
ミックスにするか?と問われたのでYESと答える。
5YTL(≒500円)払ってお釣りが来るものだとばかり思っていたらちょうどだと言う。
アイス1つ5YTL(≒500円)って高くないか?
ボッタクラレ感は否めなかったがまぁイイや。
レモン・チョコ・バニラ味が3段重ねになったトルコアイス。
思ったより伸びないけど、食べるとだいぶ粘つく。
まぁ1回食べれば充分だな。
アイス食べながらイスティクラール通りを歩いていると後ろから軽くぶつかられた。
「Oh sorry」と現地人(?)の若い男性。
すると「今何時?」と聞いてくるので腕時計を見せてやる。
そのまま英語で「どこから来たんだ?」と話しかけられる。
勝手に身の上話を始め、地方から出張でイスタンブールに来ていて近くのホテルに泊まっていると言う。
やれやれ、コイツもか。
次は「近く日本に行く予定がある」もしくは「親戚が日本で有名な鑑定士」だろ…
すると「その辺でビールでも飲んで行かないか?」と。
コレ、睡眠薬強盗の典型的なパターン。
そのビールに睡眠薬を入れられ、眠った隙に身ぐるみ剥がされる。
「明日の朝が早いんで」的なことを言うと案外素直に引き下がった。
ぶつかって時間聞いて飲みに誘うなんて古いナンパの手口かと。
それにしても本当にイスタンブールで話しかけてくるヤツはろくなのがいない。
初日で免疫が出来ていて良かったと思う。
一人旅ならではの危険を思い出させてくれた。
ある程度まで順調に旅が推移した後に誘われていたら気が緩んでついていったかもしれない。
ホテルへ戻って最後の夜の宴会。
缶ビールを飲みながらデジカメでこれまでの旅を振り返る。
物価が思ったよりも高かったのを除けばほぼ完璧に旅を遂行できた。
良いホテルで綺麗な夜景も付いてくる。
寝るのも勿体無いが、しっかり眠らないのも勿体無い変な葛藤。

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