トルコ一人旅
2007年7月24日 火曜日
翌日は昼の飛行機なので行動が出来るのはこの日が実質最終日。
相変わらずの良い天気。
結局雨の降りそうな気配は1日も無かった。
トルコは雨なんか降らないんじゃないかと思えてしまうほど毎日が快晴。
この日の予定はイスタンブールのアジアサイドと新市街へ行くこと。
途中で何度も通っていたが、そういえば行っていなかった鉄道のスィルケジ駅へ。
ヨーロッパ側から来るオリエント急行の終着駅。
列車がいる時間ではなかったので広々とした駅構内はだいぶ閑散としていた。
昨日も行ったエミノニュ桟橋まで行き、そこからアジア側のカドゥキョイへ行く船に乗る。
こちらはボスフォラスクルーズ船のような観光船ではなく、庶民の足として使われている船で値段も1.3YTL(≒130円)と安い。
アジア側へ向かう船中からは旧市街の3大観光地・トプカピ宮殿・アヤソフィア・ブルーモスクが綺麗に並んで見えた。
海から見ると旧市街の岸には城壁が並んでいるのが分かる。
アジア側へは20分ほどの航海で到着。
ボスフォラスクルーズで待ち時間も含めて半日近く取られるよりも、船旅ならこれで充分だったような気がした。
アジア側で見たかったのはアジアの鉄道の終着駅であるハイダルパシャ駅くらい。
イスタンブールはアジアとヨーロッパの狭間なので、どちらの玄関口も見ておきたかった。
船からも見えたハイダルパシャ駅、こちらもスィルケジ駅と同様に大きな建物と広い構内、そして閑散としている。
これでとりあえずヨーロッパ・アジア両方の鉄道の終着駅を見た。
しかし結局ただそれだけ。
駅に来て列車に乗らずただ駅とホームを眺めるだけというのも味気ないものだ。
イスタンブールのアジア側には有名な観光地はあまり無い。
とりあえずアジア側に来た目的はヨーロッパとアジアの狭間であるイスタンブールを経験したかったからだけ。
アジア側に来ただけで目的は達したことになる。
とりあえずメインストリートと思われる所をブラブラ歩く。
特に予定も無いので、なんとなく時間つぶしに歩いていた。
昼前になり、船でヨーロッパ側のエミノニュへ戻る。
エミノニュ桟橋で有名なサバサンドイッチ3YTL(≒300円)を食べる。
焼いたサバにキャベツ・玉葱・トマト・青唐辛子をサンドしてある。
焼き魚のサンドイッチはどんなものかと思ったが全く違和感は無く美味しかった。
ただ難点は背骨などの骨もそのままサンドしてあること。
気をつけて食べないと骨が刺さる。
飯を食い終えて次にして最後の目的地はイスタンブール新市街。
ガラタ橋を渡り、徒歩で新市街へ。
旧市街と対をなす新市街は高い建物が多い。
とりあえずは観光地のガラタ塔に登って街を見渡すことに。
ガラタ塔は高い所に立っているのでそこまで行くのに坂を上る。
旧市街でもそうだったが、本当にイスタンブールは坂が多い街だ。
かなりの急坂を登り、ガラタ塔に到着。
ガラタ橋からガラタ塔を見ると結構高く見えるのだが、実際に目にすると思ったよりも小さい。
本当にこれがガラタ塔なのか?と疑ってしまったほど。
入場料は10YTL(≒1,000円)。
トルコの観光地の入場料は殆どが10YTL(≒1,000円)、これって高くないか。
エレベーターで上まで行き、最後は螺旋階段を登って塔の上へ。
塔の外周に沿って360度全体を見渡せる展望台。
下から見ると思ったよりも小さく見えたガラタ塔だが、登ってみるとだいぶ高く感じる。
そもそも高いところに立っているから見た目よりも高く感じるのだろう。
展望台となっている所はかなり狭く、人がすれ違うのがやっとなくらい。
人が少なくて良かったが、ツアーの大人数が来たら大渋滞を起こしそうな狭さ。
高いところから見ると旧市街にはモスクの尖塔がたくさん立っているのが分かる。
今回の旅ではイスタンブールの街を陸から海から高い所からと色々な角度から眺めた。
イメージとして旧市街は歴史的建造物が多数、新市街は最新の都心、アジア側は普通の街という印象だ。
ガラタ塔を降りて今夜のホテルを目指す。
塔の上から泊まるホテルが見えたのでそちらの方向へ見当をつけて歩き出す。
少し行くと前を歩いていたオッサンが何かを落とした。
オッサンが振り向いたので「落としたよ」と指差してあげた。
オッサンは「Oh thank you」と言い、君は良い人だ、どこから来たんだ?と。
何やら靴磨きの仕事をしているオッサンで、靴磨き用セットのようなものを持っていてその道具が落ちたらしい。
お礼に靴を磨いてやる、と言うが私はスニーカーだから不要だと言う。
しかし「No problem」だと半ば強引に足を台に乗せられてブラシでゴシゴシやりだした。
あぁ、やられたな…これは金払わなきゃいけないんだろうな。
靴を磨きながらオッサンは身の上話を始める。
「私はアンカラにいるのだが、小さい息子が病気でイスタンブールの病院に入院していて金がいるんだ」
あまりにも話が出来すぎていて嘘くささ満載。
それでも靴を磨かれてしまっているので幾らかは払わなきゃいけないだろう。
明らかに適当にゴシゴシとやっただけで終了。
礼儀として1YTL(≒100円)コインを渡す。
すると「No! paper money!」などと言い出す。
勝手にしかも適当にやっておきながら紙幣を寄越せとは横柄な。
「Nonono! Only One Lira!!」、こちらも負けじと強く言うと相手も「Ok ok」と引き下がった。
気分の悪さを引きずって歩き出すと別の男が
「アンタ、騙されたな。アイツには息子なんていないよ。」
「そうか、それは良かった。病気の息子はいなかったんだ。」
…なんてどこかで見たCM的展開を期待していたが、勿論そんなことは無く。
それにしても気分悪い。
今から考えると最初に落し物をしたのも狙いだったのではないかと思えてくる。
まぁ1YTL(≒100円)で済んだわけだし安い授業料だったと思えば良いか。
全くイスタンブールでは油断も隙もありゃしない。