トルコ一人旅

2007年7月22日 日曜日
相変わらず外は暑い。
そりゃ涼しい地下に都市も作りたくなるわなってくらいの暑さ。
カイマクルでの目的は地下都市だけだったので最初にバスを降ろされたところへ戻る。
バス停留所と思われる所の前に一軒の飲食店。
現地人がピザを食べている。
店員に聞くと次のバスまで20分ほど時間があると言うのでそこで昼飯を食うことに。
2人でピザ2枚とお通しで出てきたサラダ、コーラ2本で10YTL(≒1,000円)。
初めていかにも大衆食堂といったところでの食事なだけに安い。
ところがピザは注文を受けてから焼いているらしくてなかなか出てこない。
出てきたピザは熱々パリパリで美味かったのだが、食べている間にバスが行ってしまった。
結局もう30分ほど待って次のバスに乗った。
同行の彼とはだいぶ打ち解けてバスの中での話題はサッカーに。
彼「ところで日本の情報って入ってます?サッカーアジアカップの結果とかって。」
私「あぁ、それなら今朝見ましたよ。でも、言っちゃっていいんですか?」
一応バスの中に他に日本人がいないことを確認して尋ねる。
彼「あ、チョット待ってください。(しばしの間)お願いします。」
私「朝ホテルで見た字幕ニュースだけの情報なんですけど…(しばしの間)勝ったようです。」
彼「本当ですか?!そりゃどこかでインターネットで結果見ないと」
というような会話。
お互いサッカー好きだったので話題はいつしか前回2004年アジアカップまで遡っていた。
バスは無事にネヴシェヒルに到着。
ギョレメに戻っても夜行バスまではだいぶ時間がある。
すると彼が「ウチヒサルへ行ってみませんか?」と。
当初彼が行こうと思っていた所だったのだが、バスが止まらずに結局行けなかった所。
こっちも時間は余っていたので一緒にウチヒサルへ行くことにした。
ネヴシェヒルからギョレメへ向かう途中にあるウチヒサルという村。
カッパドキア地方で最も高いところにあるという村で、巨大な一枚岩の城壁が展望台になっている。
ネヴシェヒルからギョレメ行きのバスに乗る。
車掌役のオジサンに「ウチヒサル」と告げると「OKOK」と。
バスはしばらく走ってオジサンが「ウチヒサル」と言う。
あれ?想像していたウチヒサルと違うんだが…半信半疑ながらバスを降りる。
ウチヒサルは高台にある巨大な一枚岩の城壁が遠くからでも目立つのですぐ分かる。
しかしその一枚岩が見えない。
しばらく車道沿いに歩いていると見えてきた、ウチヒサルの一枚岩。
歩いてようやくウチヒサルのふもとまで来ると例によって土産物屋が沢山並んでいる。
しかしここはまだふもと、これから更に高い所にある城壁の岩まで登らないといけない。
山道と言うのではないが険しい坂道を登る。
イスタンブールといいカッパドキアといい、トルコってのはやたらと観光地に坂が多い国だ。
おまけに太陽はもはや陽射しと言うより肌に突き刺さる陽刺しというくらい強烈。
猛暑と疲労や途中で道に迷ったりしながら30分ほどかけてどうにか頂上へ到着。
城壁は登れるようになっていたので3YTL(≒300円)払ってさらに登る。
カッパドキア地方の最も高い所にあるという最も高い城壁の頂上。
この日は地下都市から最も高い所までよく動いたものだ。
前日に見たギョレメ・パノラマよりも遥かに眺めが良い。
四方八方どこを見渡しても遮るものの無い絶景。
散々我々を苦しめた快晴の天気もここへ来ると素晴らしい。
頂上は風も吹いて気持ち良いが、下はゴツゴツした岩。
おまけに柵なんて無いのでその気になって足を踏み外したら一気に下までゴロゴロ。
基本的に外国はこういう所は全て自己責任なんだろうなーと思える。
例えばこれが日本で、誰かが転落する事故が起こったとする。
すると「柵を作ってなく安全対策が充分とはいえない施設の管理に問題がある」なんて大騒ぎになることだろう。
しばし頂上で涼んだ後に下山。
下るだけだし道は分かっているし、行きに比べて随分と早く下山。
ふもとの売店が集まっている車道脇でバスが通るのを待つ。
40分くらい待ってようやく目的のバスが来た。
実際に乗ってしまうとギョレメまでは坂を少し上り下りして5分ほどで到着。
ギョレメからネヴシェヒルへ20分かけて行っても、ウチヒサルからギョレメへ5分で着いてもバスの値段は同じ1.5YTL(≒150円)。
17時過ぎにギョレメに到着、夜行バスは20時だ。
必然的にどこかで1杯やってきますか、という話になる。
安宿を回る彼は今後のことを考えるとあまり無駄遣いはできないということで近くの商店で缶ビールとスナックを購入。
広場みたいな公園みたいな所のベンチとテーブルで簡易宴会。
これまでに訪れた国の話やサッカーの話題。
トルコの総選挙が今日だという話題から日本の参院選から政治の話題まで幅広く。
彼によると日本が各国にODAをばら撒いてくれているおかげでだいぶ旅がし易いと。
だいたいどの発展途上国へ行っても日本人なら殆どすぐにビザを発給してくれるという。
夕方に公園で周囲を眺めながら飲んでいたがギョレメは長閑な感じで良い。
彼も言っていたが「もう少し物価が安ければバックパッカーのたまり場になりそうな村だ」と。
確かにもう少し物価が安ければ言うことなしだった。
19時30分を過ぎそろそろオトガル(バスターミナル)に向かうことにする。
ほぼ半日共に行動した彼ともココでお別れ。
お互い握手をし「良い旅を。縁があったらイスタンブールで会いましょう。」と。
一緒に行動したおかげでネヴシェヒルから結構遠く離れたカイマクルでも不安にならずに済んだし、当初は行く予定になかったウチヒサルへも行くことができた。
初日に会った女性以来、良い出会いになった。
あれだけ色々と会話したのに結局お互いの名前は聞かず言わず仕舞い。
まさに一期一会。
オトガル(バスターミナル)へ向かうとバックパッカーが集まっている。
大きなバスが到着する度に係員が行き先を大声で告げる。
2,3のバスをやりすごした後にイスタンブール行きのバスが到着。
日本にある大型長距離バスと変わらぬ綺麗な外観・内装。
ほぼ満席でバスは発車。
私の席は一番後ろだった。
チケットを買った人が前から順番に席を割り当てられると考えると私が買ったのは最後のほうだったということになる。
つまり私は結構ギリギリでチケットを買えたのかもしれない。
朝から歩きっぱなしの疲れもあってすぐに寝る。
幸いにして一番後ろの席なので遠慮することなくリクライニングを倒すことが出来る。
ふと目が覚めるとバスがサービスエリアに入ったところだった。
時計を見ると23:40、もう深夜と呼べる時間帯。
続々と降りていく乗客。
折角だからトイレにでも行っておくかと思って気が付いた。
朝、ホテルを出てから1回もトイレに行ってない…。
朝から歩き通しで休憩のたびに水はガバガバ飲み、1リットルは飲んでいるはず。
ビールも500mlを2本飲んでいるし、昼飯時にはコーラ350mlも飲んでいる。
合計すると2リットル以上は水分を摂取しているのに全くトイレに行っていなかったし行きたくもならなかった。
これは摂取した水分が殆ど吸収され、尿ではなく汗で外へ出たということか。
改めて行動を振り返ってみてもトイレへ行った記憶は無い。
我ながら驚いた。
今回にしてもそれほど尿意があるわけではなく、トイレがあるなら行っておくか程度の尿意。
入口で0.5YTL(≒50円)払って小用。
小用後にバスの様子を見て他の客が全然戻っていないことを確認してからサービスエリアを少し散策。
土産物屋や売店、食事エリアやその場で焼いているなんだらケバブ。
深夜0時近いのに大型バスが沢山止まって結構な人で賑わっていた。
ドライブインの光景は日本のそれと殆ど変わらなかった。
出発すると後はただただ眠っていた。
バスの座席の寝心地など気にならないほど疲れていたのだろう、すぐに就寝。
途中でどこかのサービスエリアに止まった気配もあったがそこでもずっと眠っていた。

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