タイ旅日記

9月4日 水曜日
この日の予定はバンコク郊外、アユタヤ観光。
アユタヤはかつて王朝が存在したタイの古都、日本で言う京都みたいなものか。
だが京都と違うのはビルマ軍によって破壊し尽くされて廃墟となり、遺跡の街として観光名所となっている点。
朝食を食い、タクシーに乗ってアユタヤまでの列車が出ているファランポーン駅へ。
アユタヤまでの切符は15B(≒45円)、安い。
11時15分に列車はファランポーンを出発。
30B(≒90円)の缶ビールを買い、車窓の景色を楽しみながらアユタヤへ向かう。
車内は見るからに観光客だらけ、13時頃にアユタヤに着き、その殆どが降りた。
見るとアユタヤで降りた観光客の半分くらいは日本人っぽかった。
駅前は実に田舎の駅。
貸し自転車屋があり、ガイドブックにはアユタヤは起伏がなくチャリで周るのに最適と書いてあったので借りることにした。
1日30B(≒90円)でチャリを借りる。
アユタヤ遺跡は川に囲まれている。
橋もかかっていたのだが、チョット遠かったので渡し舟で向こう岸へ渡ることに、2B(≒6円)。
渡し舟を降りてチャリに乗り、アユタヤの街を疾走。
天気は良く、やはり暑かったが、チャリで風を切るのは心地良い。
少し走っていると観光客が多くいる所を発見。
観光客がいるのなら観光地なのだろう、そこがどこかも判らず入場料30B(≒90円)を払って中へ。
近くにいた日本人に聞くと、ワット・プラ・マハタートという有名観光スポットらしい。
中といっても広大な敷地に壊れた建築物跡が点在しているくらい。
仏像みたいなのもあるけれど、その殆どが壊れていた。
ローマにあるフォロ・ロマーノ遺跡を思い出した。
遺跡は崩壊を防ぐためだろう、レンガを支える鉄筋や、コンクリートをレンガの間に流し込んだりしてあった。
遺跡の入口でヤシの実(ヤシをその場でぶった切ってストローを刺す)20B(≒60円)を飲みながら小休止。
ヤシの実の中は透明な液体が嘘みたいにいっぱい入っていて甘味のある水という感じだ。
ワット・プラ・マハタートを離れてチャリで適当に走る。
すると観光客の群れを発見、観光客いる所に観光地あり。
相変わらずそこがどこだか判らない。
チャリを止めて休んでいると、日本人男子同年代と思われる2人組が声をかけてきた。
男「自転車って幾らで借りられました?」
我「1日30Bでしたよ。」
男「やっぱりなー、くっそー、安いよ。」
少し話をすると彼らはバンコクのファランポーン駅でアユタヤ行きの切符を買おうと思ったところ、話しかけてきた男に次の列車は2時間後だと言われて1,000B(≒3,000円)でタクシーをチャーターしたと言う。
それでしきりにぼったくられたと悔しがっていた。
その手法はガイドブックに載っていた典型的な例だ、引っ掛かる奴がいるんだな。
バンコクからアユタヤまで列車で15B(≒45円)+自転車レンタル30B(≒90円)=45B(≒135円)と、タクシーチャーター1000B(≒3,000円)。
凄い差だが、彼らはバンコクからエアコンが効いたタクシーで快適にアユタヤの観光地を回っている。
こっちは約2時間かけてエアコン無し扇風機付きの列車で行き、暑い中チャリをこいで観光地を回っている。
どっちが良いかは考えようだろう。
さて、次はどこへ行こうかと相方と相談。
帰りの列車までの時間はまだあったのでアユタヤ郊外へも足を延ばすことにした。
アユタヤから2kmの所にワット・プー・カオ・トーンなる所がある。
お堂の途中まで上ることが出来て、アユタヤを見渡すことができるというのでそこへ行ってみることにした。
詳細な地図はなかったが、郊外まで行くと目指す所が小高いのですぐに判った。
途中から殆ど観光客がいなくなり、途中の池みたいな所が太陽の光を受けてキラキラ輝き綺麗だった。
この旅で初めて自然の水が綺麗だと感じられた。
日本人が2人いただけでそれ以外の観光客がいなかったワット・プー・カオ・トーン。
景色も良かったが、人が少ないのが良かった。
ワット・プー・カオ・トーンからアユタヤ駅に戻る道は来た道とは違うのを敢えて選んだ。
するとアユタヤ郊外の一般人が住む所に迷い込んだ。
小学校低学年くらいの子供達、学校が終わったのか何人かが一緒に歩いている。
外国人が珍しいのか、皆が笑顔でキャッキャ言って手を振ってくる。
汚れを知らないような無垢な笑顔が実に気持ち良い。
通りを進むと人家があって行き止まりばっかり。
人家にいた大人までもがこっちに向かって手を振ってきた。
引き返して戻る道を探していると、歩いていた老婆がアッチだと指差して教えてくれた。
迷い込んだ道でなんだか心が穏やかになった。
16時30分に駅に戻り、列車の切符を買おうとするとまだ発売していないという。
乗ろうと思っていた列車が遅れたのか何かで時間が余ってしまった。
駅前の食堂でビール飲んで時が経つのを待った、気が付くと大瓶3本が空いていた。
駅前を眺めているとつくづく日本人の多さを実感した。
18時前に列車の切符を買い、ホームへ。
といってもホームではなく、殆どの人が線路上の思い思いの場所に座って列車を待っていた。
18時過ぎに列車が到着、向かい合わせの席に座っていると日本人ですよね、横いいですか?とバックパッカー風男子が来た。
K大学2年という関西人の彼、アユタヤ観光をしてそのまま空港へ行き日本へ帰ると言う。
物売りの缶ビール30B(≒90円)を奢ってあげて1時間チョットの会話。
途中の空港駅で彼は降りていった。
バンコクへ戻り、晩飯はタイ式しゃぶしゃぶのタイスキ。
バンコク到着初日にも食ったが、その時は3度目くらいの晩飯だったのであまり味わえなかったのだ。
日本のタイ料理屋で食うと数千円とられる所を千数百円で食える喜び。
翌日は実質バンコクでの最終日。

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