タイ旅日記

9月1日 日曜日
8時前に列車はクアラルンプールセントラル駅に到着、乗車時間は10時間ほど。
ちなみにマレーシアの首都クアラルンプールとはマレー語で"濁った河口"という意味らしい。
イギリスがマレーシアを植民地にしていた時代に付けた名前らしいが、"濁った河口"は酷いような…。
相方が話していたのだが、韓国のある地域に日本が植民地時代に"どぶ川"と名前をつけたようなもんだろ…って(極端な例だが)。
そのクアラルンプール、アメリカのロサンゼルスがLAと呼ばれるようにKLと呼ばれているという。
本当にそう呼ばれているのか、ただKLの人達がカッコつけて呼んでいるだけなのか、しかし所詮は濁った河口…。
まぁクアラルンプール(Kuala Lumpur)といちいち書くのは面倒なので以後文中での表記はKLで統一。
さて、KLセントラル駅についてまずは駅の近代的建物に驚いた、案内板には日本語の表記もあった。
ペナンやバタワースから急に大都会に来た、流石は首都(…と持ち上げておく)。
事前に調べてKLではKLタワーとペトロナス・ツインタワーの2つのタワーに登ろうと思っていた。
KLタワーの最寄りと思われる駅までスカイトレインで1.2RM(≒38円)
駅を出てタクシーを捕まえてタワーのある小高い丘へ上る、タクシー3.1RM(≒99円)。
KLタワーは綺麗で立派、入場料はマレーシア人だと8RM(≒256円)なのに外国人は15RM(≒480円)。
入口では金属探知機ゲートをくぐらされ、荷物の中身も簡単に調べられた。
上に来ると薄曇りで超絶景!というわけにはいかなかったが、それでも良い眺めだった。
高い所から見下ろす都心の景色というのはどこもそう変わるもんじゃないな。
次に目指すはペトロナスツインタワー、タクシーで2.5RM(≒80円)。
ペトロナスツインタワー、KLのシンボルとも言うべき2つのタワーで世界一の高さ452mを誇るビル。
ツインタワーは空中で繋がっていて、空中の繋ぎ目のスカイブリッジ展望台には観光客も行ける。
日曜日ということもあって展望台へ登る整理券を求める窓口は長蛇の列。
あまりにも人が並んでいたのでツインタワーに登るのは断念。
ツインタワーを出てブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)なる繁華街へ。
陽射しはそれほどないが蒸し暑く、汗が噴き出す。
ここまで2日連続の夜行列車、2日連続風呂に入っていない、3日間服を着替えていない…
どこへ行っても歩いて散々大汗をかいているのに、だ。
KLにいるうちにどこかの安宿でシャワーだけ借りる交渉をすることにした。
汚い汗臭い体ではゴミのポイ捨てでも罰金を取る厳粛なシンガポールに入国できないかもしれないしな。
ブキッ・ビンタンのショッピングセンターに旅行代理店があることをガイドブックで知る。
マレーシア最大の旅行代理店だというから安心だろう。
ここで翌日のシンガポールからバンコクへの航空券を買うことにした。
旅行代理店へ行き、英語で交渉。
シンガポールからバンコクへの航空券、料金は640RM(≒20,480円)。
当たり前だがこれまでの列車に比べると格段に高い。
しかしバンコクからシンガポールまで、列車で40時間近くかけて行く距離を2時間半で行くんだからな。
やっぱ凄いわ飛行機、文明の利器。
今後の足が全て決定して安心した所で安宿が集まるチャイナタウンを目指すことに。
歩いているうちに蒸し暑さは変わらないが、空がどんよりと曇ってきた。
安宿を発見して、シャワーだけ借りられないか聞くと1人3RM(≒96円)。
久々に汗を流してTシャツとパンツも替えた。
ところがシャワーを浴び終えて外に出るとなんと先程の曇り空が一変、スコールとなっていた。
大雨に雷も…こりゃシャワー浴びる必要なかったか。
あまりにもひどい雨だったのですぐ近くのバスターミナルに避難した。
同じように避難している人が大勢いたので、バスターミナルは人でごった返していた。
ターミナル構内に屋台の一角があり、ビールもあったので燃料補給兼食事。
ウロウロしているうちに雨は上がった、降り出して1時間ほどだっただろうか。
こっちの雨は殆ど夕立みたいなもので長時間降り続くことはあまりない。
夜行列車までの時間をどうにかして潰さなければならない。
KL観光の中心地、とガイドブックに紹介されていたムルデカ・スクエア(独立広場)へ。
前日がマレーシアの独立記念日だったので、その式典の舞台と思われる物がまだ残っていた。
ここには高さ約100mの世界一高いフラッグ・ポール(旗立て)がある。
世界一にしては大したことない、でもこれが世界一ってことは他国のフラッグ・ポールはもっと大したことないのか…。
まぁ旗立ての長さを競っても仕方ないか…。
広場のすぐ近くに入場無料の国立歴史博物館があったので入ってみた。
マレーシアの歴史を展示品で紹介。
3階には戦時中、日本が統治していた頃の展示もあった。
東条英機の写真、日本軍の軍服、日本政府発行の通貨、日章旗にされた署名など。
外国で日本のそれらのものを見るとなんとも言えない妙な感情になる。
夕方を過ぎ、明らかに屋台の数が増えた。
屋台が集合したようなフードコートで燃料補給と食事。
タイガービール大瓶11RM(≒352円)となんとか麺4RM(≒128円)。
明らかにバンコクより、ペナン島よりも物価が上がっている。
まぁ物価の判断基準はビールなのだが…。
チャイナタウンで色々な屋台を冷やかしながら時間を潰し、KLセントラル駅へ向かう。
途中のコンビニで燃料を買っておくことも忘れなかった。
駅の両替所で余ったマレーシア通貨リンギットを、シンガポールドルに両替をする。
KLはタワーやセントラル駅の近代的建物と、チャイナタウンなど雑然とした屋台街が共存している妙な街という印象だ。
マレー鉄道終着駅のシンガポールへ向かう夜行列車が到着。
列車は22時30分(マレーシア時刻)に出発。
ベッドでビールを飲んで気が付けば就寝。

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