ニューヨーク旅行

2010年3月1日 月曜日
翌朝には日本行きの飛行機に乗るのでこの日が実質最終日。
前日はNYの美術館巡りだったので、この日はNYの定番観光地巡り。
まずはアメリカの象徴、NYの定番、自由の女神。
弟も一緒に行くと言うので、この旅始まって以来初めての弟との2人行動。
8:00にはホテルを出てマンハッタンの南端にあるバッテリーパークを目指す。
数ある地下鉄路線の1つの終点であるSouth Ferry駅を降りて地上に出るとそこはバッテリーパーク。
そこから川(というよりも大西洋へ向かう湾)の先に自由の女神のあるリバティ島が見える。
見えてはいるものの、そこへ行くには船に乗らなければいけない。
船のチケット売り場らしき所があり、そこでCityPassを見せるとチケットが貰えた。
乗船場は既に何人もの人が並んでいる。
川沿いなので風が強く、とても寒い。
乗船するためには空港ばりのセキュリティチェックがあり、やたらと時間がかかる。
ようやく乗船でき、折角なので見晴らしの良いフェリーの一番上に行ったら吹きさらしでかなり寒い。
船に乗るために待たされ、出発するために待たされ、結局出発したのは9:30すぎ。
フェリーは自由の女神の目の前を通り過ぎ、乗客の誰もが写真を撮るために船の片側(進行方向の右側)に集まってくる。
あれだけ皆が片側に集まったら船が傾くんじゃないかと不安になる。
乗船時間は15分ほどで自由の女神のあるリバティ島へ到着。
始発の船だったので島には係員がいるだけで他に誰もいない。
乗船場を降りてすぐの所に「CROWN TICKET」と書かれた建物があり、何人かがそこに並んでいる。
同時多発テロ以来閉鎖されていた自由の女神の王冠部への立ち入りが最近解禁されたらしい。
折角なので行ってみようと列に並んだが我々の持っているチケットではダメだと言われた。
どうやら事前予約が必要で、人数も限定されていてかなりの人気らしい。
我々の持っているチケットは自由の女神の台座部分まで登れるものだったので、そちらへ行くことに。
ここでもまた列に並ばされ、この列がなかなか進まない。
何でこんなに列の進みが遅いのかと思っていたら、奥へ進むとまたもやセキュリティチェックがある。
この島に来る船に乗るときにも受けているのにまたかよ、とうんざり。
やはり同時多発テロ以降はかなりナーバスになっているのだろう。
それにしても乗船時から台座に入るところまで色々と待たされすぎ。
シーズンオフと思われる時期の始発フェリーでこれだから夏のピーク時なんか凄いことになりそうだ。
諸手続きを経てようやく自由の女神内部に入ることが出来た。
無機質な台座内部、エレベーターは使えないらしく、100段以上もの階段をひたすら登る。
ようやく到着した台座上。
見晴らしが良く、川の向こうにマンハッタンのビル群がよく見える。
足元にいるから当然だが、自由の女神は下から見上げる格好となるため全容は殆ど見えない。
自由の女神の台座は自由の女神を見るためではなく周囲の景色を眺めるための場所だ。
台座を一周するとリバティ島を簡単に見渡せる。
リバティ島は自由の女神と土産物屋・レストランくらいしかない小さな島。
歩いても10数分で1周出来る島で、まさに自由の女神の自由の女神による自由の女神のための島。
一通り自由の女神を堪能したらあとは戻るだけ。
バッテリーパークに戻ってきたのは昼の12時前くらい。
往復で3時間くらいだが、そのうち半分くらいが待ち時間だったんじゃないかというくらいアレコレ待たされた気がする。
バッテリーパークで弟とは別れて行動をすることに。
私はバッテリーパークから徒歩10分くらいの所にあるウォール街へ行ってみることに。
世界金融経済の中心地というやつを見てみようと思って歩く。
到着したウォール街、え?コレが世界金融経済の中心地??と目を疑うような光景。
Wall St.の表示が無ければそれとは気付かないような通り。
なんか狭いしビルに挟まれてあまり日が差さずに薄暗いし。
この薄暗さは現在の世界経済情勢の暗喩とか無いよな…。
とりあえずウォール街を歩いてみるがその範囲も狭く、すぐに端から端まで歩けてしまった。
唯一盛り上がりを見せたというか観光客がいっぱいいたのがNY証券取引所とフェデラルホール・ナショナルメモリアル。
ウォール街の2大観光名所は斜向かいに立っていて、こんなに近いのかと思わされる。
いずれもニュースや映画などで見かけたことがあるような気がする建物と光景。
その一角にだけ観光客が集まっていたのですぐにそれと分かる。
ウォール街をアッサリと歩ききってから昼飯を食べる場所を探す。
時間はちょうど12時過ぎの昼飯時。
ワゴン車を露店にしたテイクアウト料理はいっぱいあったが、路上で食べるには寒い。
適当な飲食店に目をつけて入ってみる。
店内は結構混雑していて、ショーケースの中に色々な食べ物が並んでいる。
どうやらそれらを注文するらしいのだが、メニューも値札も無くシステムがよく分からない。
次々と地元民が並んでいる中を不慣れな観光客が並んで列を停滞させるのも悪い気がした。
ウォール街のビジネスマンの昼飯の停滞は世界経済の停滞に繋がるかもしれないわけで…
と、言い訳しつつ店を出て安易なバーガーキングに入ってしまった。
お腹もいっぱいになったところで観光再開。
ウォール街から歩いてすぐのワールドトレードセンター(WTC)跡地へ。
言わずと知れた同時多発テロで崩壊したツインタワーのあった場所。
本当にアメリカ経済の中心でテロが起きたのだと実感。
今では巨大な工事現場だという事前の情報通り、大きなフェンスに覆われた巨大な敷地内に何台ものクレーン車。
トラックの出入り口やフェンスの隙間などから中を覗けたが、単なる工事現場でテロを思わせるものは無い。
しかし周囲を歩くと工事現場の前の建物にTribute WTC visitor Centerという一角があった。
その建物の壁にはMAY WE NEVER FORGETの文字と共に消防隊員を描いた壁画。
真新しいと見られる花束も添えられており、唯一テロの痕跡を見つけた気がした。
WTC跡地をウロウロし、時間的にそろそろミッドタウンに戻る必要があった。
実は今回の旅の隠れた目的の1つに設定していたことがある。
職場でブームになったニンテンドウDSのゲームソフト、ドラゴンクエスト9(以降ドラクエ9)。
ニンテンドウDSはお互いが本体を持って通信モードにしているとゲーム情報の受け渡しが出来る。
いわゆる「すれちがい通信」というもので、ドラクエ9が爆発的に売れた要因ともなったシステム。
旅の1ヶ月くらい前に「2月27日〜3月1日までNYにいるのですれちがい通信しませんか?」とネットで呼びかけてみた。
暫く反応は無かったが、1週間後くらいに現地在住の日本人という方から反応があった。
ドラクエ9をやっているがアメリカに住んでいるので全然すれちがい通信をしたことが無いという人。
まさか本当に反応があると思わなかった。
そのままネット上のやり取りで空いている日を確認しあい、待ち合わせに設定したのがこの日の13:30。
待ち合わせ場所とお互いの背格好は伝え合ったが、それだけ。
携帯番号もメールアドレスも知らないし、ネットで2,3回やり取りをしただけ。
当日までに現地で何かあっても連絡の取りようが無い。
相手が本当に来るのかも分からない、こんなアナログな待ち合わせは近年記憶に無い。
その待ち合わせの時間も迫っていたのでミッドタウンへ戻ることにする。
しかし道に迷ったのと地下鉄がなかなか来ないこともあって、待ち合わせ場所に着いたのは15分遅れの13:45だった。
事前に知らされていた背格好の人を探すもそれらしき人はいない。
15分遅れてしまったから帰ってしまったのだろうか。
最初のやり取りではお互い14時くらいまでは待ち合わせに設定していたので14時まで待つことにする。
しかし14時を過ぎてもそれらしき人は現れない。
私も15分遅れたし、最後に15分だけ待つことにする。
14:15になりダメかなと思って店の外へ出るのとほぼ入れ違いで慌てた様子で店に入っていった人。
事前に聞いていた背格好と同じ、そして何よりもニンテンドウDSを手に持っている。
間違いない!すぐに店に戻り話しかける「あの、ドラクエの…?」「あぁ!そうです。スミマセン遅れてしまって。」
当たりだ!頭の中でドラクエで仲間が増えたときのテーマ曲が鳴り響く。
最初から時間通りに来て待っていたらそれ以上待つ気にはならなかっただろう。
私が最初に15分遅れたからこそ、もう15分待とうという気になった。
そしてその最後の15分が経って諦めかけたところでギリギリの遭遇。
ネットで数回やり取りをしただけの2人がNYで初めて会う。
それもお互いの遅刻という偶然が重なった運命的なものを感じる出会い。
これで相手が女性なら文句無しなのだが、さすがにそこまで巧くはいかなかったようだ。
立ち話もなんなんで…というわけで日本でもお馴染みのサブウェイに入る。
ジュースを奢ってもらい、喋りながら「すれちがい通信」開始。
20代中盤という彼はニュージャージーに住んでいて大学に通っていると言う。
今日は大学の講義が長引いたので遅れてしまったとのこと。
現在はニュージャージーに住んでいるという点もどこか私と被る部分があって不思議な縁を感じる。
初対面なのに色々と身の上話をしてくれて、変な堅苦しさは無く会話が続けられた。
最後にお互いメールアドレスを交換して別れる。
こういうときにメールアドレスは気楽に交換できて良い。
住所や電話番号だとなんだか重い感じだし。
3〜40分くらいの時間だったが、貴重な一期一会だった。

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