ニューヨーク旅行

2010年2月27日 土曜日
寝つきの悪さや寝起きの悪さなどの時差ボケもなく正常に起床。
この日の予定は旅のメインテーマでもある、昔住んでいたニュージャージー州へ行くこと。
車を1台チャーターして、我々家族の我々家族による我々家族のためだけのノスタルジーツアーだ。
予定していた9時にチャーター車が到着。
最初は国際免許を取ってレンタカーを使って安上がりで自由に行動しようという案もあった。
しかし世界的な大都市で左ハンドル右車線で初めての道を運転するなんてとてもじゃないけど無理。
安全確実無難にノスタルジーツアーを成功させるためにプロを雇うことにした。
ドライバーは現地在住20年という日本人の方。
我々家族が目指すはNYではなく隣州のニュージャージー。
マンハッタンから車で40分ほどの場所にあるという。
車でマンハッタンを北上して橋を渡ってニュージャージー州へ。
昔の我が家に近づくと両親は記憶が蘇ってくるらしく次第にテンションが上がってくる。
そして辿り着いた元我が家。
壁面はペンキを塗り直したのだろう色は変わっていたが、明らかに今でも人が住んでいる様子。
記憶の中にあった昔の我が家がそこにあった。
予想はしていたが記憶の中のそれよりだいぶ小さい。
家の前の通りの道幅も狭く、向かいの家はプール付きの豪邸だった印象があるのに今見るとそうでもない。
学生時代の東北一人旅で2〜3歳の頃に住んでいた岩手県花巻市の家を見に行ったことがあった。
その時も実物を見てこんなに小さかったのかと驚いた記憶がある。
今回も同じようにその驚きを味わった。
それでも周りの家や通りなどは記憶にあるものと基本的に同じ。
20数年も経っていたら通りも家も何もかも変わっているかも、と想像していたが全然そんなことは無かった。
父曰く、アメリカの家は100年くらい平気で住み続けられるよう頑丈に作られているとか。
既に20数年前に我々が住んでいた時点で築何十年だったとかいう話も。
もう訪れることは無いかもしれないが、これから20数年後にも変わらずそこにあってほしいと思った。
土曜日の午前中で通りは結構な雪が積もっている状態。
そんな状態のなか、完全なる住宅地で完全なる東洋人がウロウロキョロキョロして写真を撮っている。
端から見たらかなりの不審者だったのではなかろうか。
幸いにして通りを歩いている人はいなかった。
通りの裏から裏庭を眺めて名残惜しいが元我が家を離れる。
次に向かったのは私が幼稚園・小学校と通っていたところ。
元我が家からすぐ近くでアッという間に着いた。
歩いて通学をしていたような記憶もあったがこんなに近かったとは。
元我が家ほど記憶には残っていなかったが、確かにこんな校舎と校庭の配置だったような気がする。
学校では何か催しをやっているらしく、何人かの現地人がいた。
何だこの東洋人は?と奇異の目で見られるけどお構いなし。
その後、米在住時代によく行ったというスーパーやショッピングモールなどを回り一通りのツアーが終了。
私にとっては僅かな記憶を掘り起こしつつぼんやりとしたノスタルジーツアー。
しかし両親にとってはそんなレベルではないノスタルジーツアーになったことだろう。
13時にマンハッタンのホテルに戻ってきた。
当初予定していた往復4時間という時間ぴったり(延長することも出来たが当然料金がかかる)。
内容も回りたいところは回れたし、両親も喜んでくれたようなので良かった。
これで今回のNY旅行のハイライトとしていた目的は無事に達成できた。
後は家族それぞれNYを楽しんでください、と基本的に自由行動。
自由行動前にさっきまでの運転手さんがおすすめしてくれたホテル近くのレストランで昼飯。
思えば運転手さんに色々とNYの現地事情を教えてもらった気がする。
関西出身の気さくな人で色々な話をしてくれて興味深かった。
旅の最初にこうして現地事情を教えてくれる人と会っておいて良かった。
最終日にそうした情報を知っても、活かす場面が殆ど無かっただろう。
現地ツアーを頼むときは旅の初日にしておいた方が良いということを実感した。
レストランではハンバーガーとビールを注文すると年齢が確認できるものの提示を求められた。
前日にスーパーでビールを買ったときにもそうだったが、西洋人にしてみれば本当に東洋人の年齢は分からないものらしい。
注文したハンバーガーはファストフードのようなものではなく、プレートに載ってナイフとフォークで食べるようなもの。
肉厚ででかく、付け合せのポテトやオニオンリングも大きく量が多い。
母が頼んだチーズケーキとホットコーヒーもキングサイズ。
ホットコーヒーなんかスープボウルにでも入っているかのような大きさだった。
当たり前だけど何もかもがアメリカンサイズ、こんなもんばっか食べてたらそりゃでかくもなるか。
昼食後は単独行動ということでアメリカ自然史博物館へ行ってみることに。
地図を見るとタイムズスクエアからセントラルパークの西側を北上すれば到着する。
それなりに距離はあったが、現地を肌で感じるには歩くのが一番。
未だ雪の残るマンハッタンを歩いてセントラルパークへ。
セントラルパークは文字通りマンハッタンの中央に位置する巨大な公園。
よくこんな大都会にこんな大きな公園が作れたものだと感心。
セントラルパーク西側の通り沿いを歩くと見えてくるのがダコタハウス。
マンハッタンの高級マンションでジョン・レノンが住んでいて玄関前で射殺されたことでも有名。
ダコタハウスからすぐのセントラルパーク内にはストロベリー・フィールズと名づけられた場所がある。
オノ・ヨーコによってデザインされたモザイク画があり、IMAGINEの文字が刻まれている。
正直フィールズというには狭すぎる気がしたが、花が綺麗に並べられていて観光客が集まっていた。
ストロベリー・フィールズを越えてさらに北上して歩く。
歩きながら異常に眠たくなってくる。
電車の中で立ったまま眠りそうなことはあるけれど、歩きながらも眠くてフラフラしたのは初めての経験。
今まで何度も旅をしてきたが、時差ボケというのを経験したことは無かった。
今回は日付変更線を越えて14時間もの時差。
なるほどこれが時差ボケかと納得するくらい今までに味わったことの無い種類の眠気。
時差ボケの眠気と戦いながら歩いて到着したアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)。
今回の旅行の数日前に慌ててDVDを借りて見た映画「ナイト・ミュージアム」の舞台となった博物館。
(ガイドブックにココに行くなら見て行くのをオススメしていた)
入場券はNYの主要観光地の入場券がセットになった「CityPass」79ドル(≒7,268円)を購入。
CityPassはコレ1つあればNY一見さん観光客の分かり易い観光スポットは抑えられる。
全て回ればそれぞれの場所で入場料を払うよりも半額近く安くなるという逸品。
翌日以降もこのCityPassを元に観光するつもりだ。
自然史博物館は恐竜の骨格や動物の剥製や模型、各国(地域)の歴史や文化なども展示されている。
最初は子供騙しかと思ったが、動物などかなりリアルに作られていて映画さながらに動き出しそう。
宇宙を紹介するプラネタリウムのような所は天井全てがスクリーンになった巨大映画館のよう。
最初は映画顔負けの迫力だったが中盤から時差ボケに負けてしまいその殆どを眠って過ごしてしまう。
他にも館内に森が再現されていたり巨大なシロナガスクジラの模型があったり見所は沢山。
しかし少し歩くだけで時差ボケが襲ってきて、ベンチで休み休みウトウトしつつ館内を回る。
そうこうしているうちに館内に響く「Last 10 minutes.」の声。
え?もうそんな時間?
どうやら17:45をもって閉館だという。
慌ててアチコチ歩き回ってアレコレ眺めたが結局広大なフロアーを全て回りきることなく終わってしまった。
半分くらいは時差ボケで潰してしまった気がして惜しい。
もっとしっかり見て回ったら面白そうだと思える内容だったので、それはまた次の機会に。
夜、母と弟はブロードウェイのミュージカルを観に行くという。
それなら父と2人で晩飯を食うことにするが、昼の食事が未だに腹に溜まっている。
父と相談した結果、レストランではなくバーで軽くつまみながらビールでも飲もうという話に。
適当なバーに入ると、店内は程よく空いていて騒々しくも無くて良い。
NYに来て初めて生ビールを飲む(レストランで出てくるのは瓶ビールだった)。
それほど腹は減っていないのでシュリンプカクテルやムール貝の盛り合わせなどを肴にする。
父と2人で外で飲むのは恐らく初めて。
アメリカ在住時代の話や私の旅話などで気が付けばアッという間に2時間以上が過ぎていた。
20数年前の記憶に思いを馳せつつ、当時の子供が今や30歳になって父と一緒にNYのバーで飲む。
ブロードウェイのミュージカルには出来ないが、渋いアメリカ映画のワンシーンには出来そうな夜だった。

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