ニューヨーク旅行
私の旅歴に無い世界一の超大国。序章
20代最後の旅で慌しくインドへ。
30代最初の旅は落ち着いてネパールへ。
旅歴が一区切りついた気がして、次に行く地を模索していた。
そこで思いついたのがアメリカ本土。
アメリカ本土は私にとって特別な地。
あまり記憶には残っていないが幼少期には在住していた地。
特別な場所だけにこれまで旅の候補としても挙げていなかった。
いつかは行こうと思っていたアメリカ本土。
30を越えた今、今こそがその時かも知れない。
いつものように一人旅を画策していて思った、両親と一緒に行けないだろうか。
そういえば以前に両親がいつかは昔住んでいた所を再訪したいと話していた。
考えてみればアメリカに対する思い入れは私なんかより遥かにあるはずだ。
職場で親孝行として両親と一緒に旅行した、という人の話を聞いていたのもきっかけの1つ。
今回の旅行には両親を誘ってみることにした。
両親も誘うのだから弟にも声をかけてみた。
繁忙な日々を送っているらしい弟が一緒に行けるとは思っていなかった。
しかし休みを調整してなんとか行けるようにするという。
思いがけないところから家族旅行の様相を呈してきた。
定年を迎えて隠居している父はともかく、母と弟は現役社会人。
全員揃って同じ時期にまとまった休みが取れたのも旅行を後押ししている。
何年振りかも分からない家族旅行。
もしかしたら最初で最後になるかもしれない海外家族旅行。
そしてその舞台が我々家族の歴史に重要な1ページを刻んでいるアメリカへの旅行。
20数年前は両親に連れられて来たアメリカへ…今度は私が連れて行こう。
準備
家族全員がニューヨークへ行けることが分かったので旅のプランを検討する。
私が一人旅をするとき、これをパッケージツアーで組めれば安上がりになるだろうなと常々思っていた。
宣伝等で見かけるパッケージツアーの料金は2人1組の場合の1人分の料金が載っている。
あれに1人で参加すると1人追加料金とやらで数万円も上乗せされて結局お得にならない。
2人1組ならパッケージツアーを使えばお得に行けることが多い。
そこでこれまでの私の一人旅では検討対象にすら入らなかったパッケージツアーからまずは探してみる。
とはいえ旗持ったガイドさんについていくようなガチガチなパッケージツアーは好きではない。
よって、航空券とホテルだけのフリーツアー(スケルトンツアーとも呼ぶ)を探してみた。
今回は両親と兄弟で休める日程が変わってくる。
バリバリ現役世代の私と弟は1週間休むのは厳しいので4日の休みと土日を組み合わせた6日間。
隠居の父とそれなりに休みが取れる母は8日間まで休めるという。
両親は可能な限り長く現地にいたいというので家族全員が同じプランというわけにはいかない。
そこで滞在期間は違うが航空券とホテルは一緒になるようなツアーを探してみる。
ところが安いツアーだとホテルや航空券が確約されていない場合が多い。
代理店に問い合わせると可能な限り同じになるようにはするが、別ツアーになるので保証は出来ないとか。
それなら航空券とホテルを別途個人手配にした方が選択範囲も広がって良い。
ツアーは早々に見切りをつけて航空券とホテルを予約という従来のスタイルで行くことにした。
まずは航空券を探す。
ニューヨーク便は本数が多いのだろう、ネパールやインドへ行くよりも遥かに安い金額で直行便が沢山ある。
その中でも最安値だったのはコンチネンタル航空。
しかしコンチネンタル航空には苦い思い出がある。
数年前にグアムへ行った社員旅行がコンチネンタル・ミクロネシア航空。
その機内ではアルコールが有料でビール1本5ドルを取られた。
同じコンチネンタル系列だから今回もそうなのかとネットで調べたら案の定アルコール類の提供は有料とのことだった。
海外へ向かう飛行機内での数少ない楽しみの1つが非日常空間で飲むビール。
それが有料になってしまうというのは大きな痛手。
出来れば他の航空会社をと思って探してみるが最安の航空券は殆どコンチネンタル航空。
他の航空会社を指定するとそれだけで1万円以上もの開きがある。
さすがに12時間程度のフライトの機内で1万円分ものビールを飲むことは無いだろう。
機内でのビールは有料で我慢することにして航空券を購入。
調べてみるとアメリカ系の航空会社は他にも機内アルコールは有料の所がある。
アルコールを飲まない人には無駄なサービスではあるし、コスト削減と考えれば仕方ないことなのか。
航空券を購入すると次はホテル。
基本的に旅行中のホテルは殆ど寝るためだけに使うことが多い。
しかし今回は記念となる家族旅行でもあるし、それなりに良いホテルにしようと思っていた。
1人旅だと部屋代を全額払う必要があるが、2人1部屋だと1人の負担額は半分になる。
いつもより大胆な値段設定にしてネットで検索。
さすがにニューヨーク、さすがにマンハッタン。
ホテルの量も多いし、各種旅行サイトに掲載されているホテルへの口コミ評価も多い。
様々な口コミ評価を見ていて思うのは完璧なホテルなんて存在しないということ。
どんなに高評価が多くても1人がネガティブな評価を書いているとそれが際立ってしまう。
ネガティブな意見に左右されていたら決められなくなってしまう。
極力そうした意見が少ないホテルをピックアップして候補を絞る。
そしてホテルの予約サイトを色々回って値段を比較。
すると期間限定ながら有名な高級ホテルチェーンで連泊をすると宿泊料金が大幅割引になるキャンペーンをやっていた。
有名な高級ホテルチェーンなのでそれでも価格は高いが、通常料金や同等クラスのホテルと比べれば安くなる。
最終的に決断したのはやはり記念となる家族旅行だし、という思い。
これまで私が泊まったホテルの中では最もランクが高いであろうホテルへの連泊を決意した。
航空券とホテルが決まったら最後に残ったのが以前住んでいた地への旅行手配。
旅行手配とはいえ行く場所は観光地でもなんでもない住宅地。
そこへ行く足さえあれば後は我々家族にしか分からない記憶のスポットが沢山あるだろう。
20数年前に住んでいたのはニューヨークの隣州であるニュージャージー。
車で数十分程度の距離だが、安全確実に行くために現地で車を1台チャーターすることにした。
世界有数の大都市だけあってネットで調べるといくつもの旅行代理店で車のチャーターをやっている。
観光地を回るわけではないので、詳細を見積もりしてもらって対応の良かった現地代理店にお願いすることにした。
航空券とホテルと現地ツアー、最低限の準備が整った。
これまでに無い海外旅行、これまでに無い家族旅行。
家族にとっても私にとっても節目となる旅行になりそうだ。
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