ネパール一人旅
2009年7月31日 金曜日
諸準備を済ませて7:30過ぎにはホテルをチェックアウト。
目の前の道を行く流しのタクシーを捕まえて空港まで。
高速代70B(≒210円)とメーター231B(≒693円)で想像していたよりも安く速かった。
成田→バンコク便と同じようにバンコク→カトマンズ便でも席は後方窓側を指定。
すると今回も私の隣一列は誰も座らない席。
3時間弱のフライトでカトマンズのトリブヴァン国際空港に到着。
タイとネパールの時差は-1:15、日本との時差は-3:15。
タイが12:00ならネパールは10:45、日本が12:00ならネパールは8:45。
インドのデリーへ行ったときに3:30の時差で初めて30分単位で時差があることを知った。
それが今回は15分単位の時差、これまた初体験。
首都の空港にしてはこじんまりとて古びた空港。
飛行機から降りるのもタラップで直接地面へ。
雲は多いが陽射しもあり、暑いことは暑いがバンコクほどではなく、すごし易いと思えるくらい。
ビザ発給と入国審査を済ませてネパールに入国。
とりあえず先立つものを空港の銀行で両替。
3,000円を替えてもらうと2,240ネパールルピー(以降はRsと表記)。
1Rs≒1.3円と計算はやや面倒なレート。
誰もいない税関を出るとそこはいよいよネパール・カトマンズ。
来るわ来るわ、タクシーやらホテルやらの客引きの勢いが物凄い。
空港を出ただけであの歓迎っぷり?はいかにも発展途上アジアに来たという印象。
しかも流暢に日本語で話しかけてくる輩も大勢。
私は事前にネットでホテルを予約していて、そのホテルの車が空港へ迎えに来てくれることになっていた。
てっきり私の名前でも紙に掲げて待ってくれているものと思ったが、人が多くて誰が何やらよく分からない。
どうしたものかと思っていると最初っからしつこく付きまとってくる兄ちゃんがどこへ行くんだ?と聞いてきた。
ホテルの名前を告げると「オレはそこのホテルから来たんだ」と言って車のある所に連れて行こうとする。
「あなたはホテルの人間なのか?」と聞くとYesと答えるがどうにも胡散臭い。
「私はメールでホテルと予約のやり取りをした。あなたがホテルの人間なら私の名前を知っているはずだ。」と言ってみた。
すると「オレはホテルから依頼されてきただけだからあなたの名前は知らない」と言う。
兄ちゃんは携帯電話を持っていたので「それならホテルに問い合わせて私の名前を聞いてみろ」ともう1歩踏み込む。
すると渋々携帯電話を使ってどこかにかけているがなかなか繋がらないらしい。
ますます怪しい。
5分ほど経っても電話は繋がらないらしく、見るからにイラついている兄ちゃん。
こりゃ1からホテルの迎えを探さなきゃダメか、或いは自力で行くしかないかなと思っていた矢先。
「Hiroyuki?」と声をかけてきたオッちゃん。
すると間髪いれずに最初の兄ちゃんが「Yes!Hiroyuki come on!」と大きな声を出した。
そのあまりの反応の速さに苦笑、イヤイヤあんたもうバレてるから。
最初に私の名前を言ったオッちゃんに付いていく。
迎えの車とはいえホテル名が書いてあるとかではなく、何の変哲も無い汚い軽自動車。
私の名前を言った時点で間違いないだろうと思ったので車に乗り込んでカトマンズ市街へ向けて出発。
迎えに来たオッちゃんは日本語が上手で、流暢に話かけてきた。
「迎えが遅れてゴメンナサイ。カトマンズではあのようなこと(客引き)は常識です。不快な気持ちにさせてゴメンナサイ。」
「日本語が上手ですね」と言うと「イヤイヤ、まだまだです」と謙遜までする。
海外の観光地で流暢な日本語を喋る輩は基本的にあまり信用できないという考えを改めかけたが…
「私は今度、JTBの大学に留学します。JTB、ご存知ですか?」と言ってきた。
は?JTBの大学、何を言っているのだろうと怪しく思いかけてきた。
さらに追い討ちをかけるように「ネパールは今、ちょうど雨季が終わって見頃です」と。
は?7〜8月なんて完全な雨季だと思うんですが。
しきりにカトマンズ外へのツアー(旅行代理店を通す必要がありそうなもの)をオススメしてきたりする。
急に怪しく感じられ、適当に相槌を打ってやりすごす。
もうこの際ちゃんとホテルに連れて行ってくれればそれでイイやと思うようになっていた。
一抹の不安を残したままだったが、20分ほど走ってホテルに無事到着。
結局ツアーを申し込まされることも、旅行代理店に連れて行かれることも無かった。
ようやく到着したホテルはカトマンズの旅行者が集まる繁華街タメル地区にある。
日本からネットで見て予約した中級のホテルで1泊朝食付きサービス料込み49.5米ドル(≒4,851円)。
部屋は広くてバスタブもあってそれなりに快適そう。
ホテルの部屋に荷物を置いて一段落しても時間は未だネパール時間の15:00頃。
街へ出る時間は充分にあるので、カトマンズ市街を散策することにする。
ホテルのあるタメル地区を南下していくと街の中心に当たり、旧王宮などがあるダルバール広場へ行ける。
そんなわけで地図を頼りに歩き始める。
タメル地区は外国人旅行者が多く集まるエリアだけに両替所やレストラン・ホテル・スーパーなどが点在。
日本語の看板も見られ、少なくともココにいれば食いっぱぐれることは無いなと安心。
街並みも道路もとても近代的とはいえないがこじんまりと密集した感じは悪くない雰囲気。
神々が多く住む街、としての側面もあるというカトマンズ。
普通に歩いている道端に神様を祭った像や碑のような物が点在。
それらが生活の中に根付いているようで通りすがりに歩きながらお祈りをしたり、軽く触れて額に手を当てたり。
少し歩くと露店が大量にあつまる交差点のようなところに出る。
物凄い人が行き来し、さらに車やバイクや自転車やリキシャーなども往来。
車はクラクションをプープー鳴らし、人も大勢でワイワイガヤガヤ。
ウルセー!と怒鳴りたくなるくらいのうるささ。
道に信号なんてものが無いので車は片っ端からクラクションを鳴らして通り過ぎる。
クラクションを鳴らすのが挨拶代わりなんじゃないかと思えるくらいどいつもこいつも頻繁に鳴らす。
カトマンズ初日で真っ先に感じた印象は「実にうるさい街だ」ということ。
そんなことを思いながら歩いていたらいつの間にかダルバール広場に着いていた。
地図を見たらもっと遠いかと思っていたが案外アッサリと到着した。
入場料300Rs(≒390円)払ってチケットを買う。
これは延長を希望すれば+3日まで無料で延長してくれるチケットだというのでチケットオフィスで延長依頼。
もっともチケットは買ったものの、広場と街と道路が一体化しているような所なので1度もチケットを見せる機会は無かった。
カトマンズの中心に当たるダルバール広場ではヒンドゥー系の寺院が立ち並ぶ。
寺院で座って休憩をしながら観光客や現地人などの往来が盛んな広場を眺める。
こうした街の中心となっている観光地で辺りを見回すのが面白い。
色々な人種がアチコチ行き来する。
ヒンドゥー教を国教としていた(現在は国教としては定められていない)国らしく、インドのように牛が普通に歩いていたりもする。
そして案の定寄ってくるガイドもどきや物売りや土産物屋の客引き。
どこの国のどこの観光地に行ってもこういう輩は出てくる。
軽く受け流すのも慣れたものだ。
カトマンズ到着初日にしてあまり動き回るのもどうかと思ったので少し早めの夕食にする。
ホテルのすぐ近くにある、ガイドブックにも載っていたネパール料理のレストランへ。
ネパールへ来たらまずは何よりも口にしたかったのがエベレストビール。
トルコのカッパドキアで会った日本人旅行者と喋った時にネパールにはエベレストビールがあると聞いていた。
カンボジアにアンコールビールがあるように、ネパールにはエベレストビール。
国を代表するものはなんでも商品になるものだ。
エベレストの湧き水なんか使って無くても勝手にそう思えて美味しく感じる。
実態は飲み易い至って普通のビールではあったが。
ネパール料理の名物といえばモモと呼ばれる餃子のようなもの。
注文してみるとまさに蒸し餃子そのものが出てきて実に美味く、10個ほど入って110Rs(≒143円)。
ガイドブックに載っているちゃんとしたレストランでこの値段。
街の小汚いレストランでは50Rs(≒65円)もしないで売っていたりもした。
ピリ辛のタレが付いてきたが、肉の味がしっかりしているのでそのままでもいける。
ビールにも良くあって、エベレストビールが進む。
エベレストビールは1瓶650mlで210Rs(≒273円)。
食べ物の物価に比べるとやはり高い気がする。
嗜好品とはそんなものか。
晩飯を食べ終えて酔い醒ましがてらタメル地区をうろうろ。
旅行者が集うエリアだけあって夜でも人通りも多く、沢山のレストランが営業中。
もっと地味な街を想像していたが全然そんなことは無いようだ。
生演奏をやっているレストランがあるらしく、演奏の重低音が路上まで響いてくる。
カトマンズで感じた第一印象がここでも、「うるさい」だ。
幸いにしてホテルはタメル地区の端っこにあったので騒音の被害はなく。
バスタブがあったのでTシャツを手洗い。
シャワーの水がかび臭かったのは気のせいではあるまい。
でもカトマンズのホテルでお湯がちゃんと出るというだけで1つのステータスらしいから責めるわけにはいかないか。
スーパーで購入した缶ビール110Rs(≒143円)を飲んで就寝。
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