ネパール一人旅

2009年7月30日 木曜日
翌朝にはネパールのカトマンズへ向けて出発するため、バンコク観光が出来るのは実質この日のみ。
7年前にも行った所を含めて1日でバンコクの主要な所を片っ端から回ってしまおうと思っていた。
7年前はタイ慣れした友人と共に行動したので、ちゃんと1人でバンコクを回るのは今回が初めて。
海外に限らず旅先での私の移動手段の基本は徒歩。
歩くと自分の身体で直に街を感じることが出来る。
地図上の距離感は勿論のこと、街の空気や音やニオイや雰囲気など。
目的を持った急ぐ旅でなければ極力歩いてその街を感じるのが好きだ。
ホテルを出てとりあえずひたすら歩くことにした。
まずは7年前にビュッフェを食べにだけ行った最高級ホテルのオリエンタルホテルへ。
地図を頼りに行ってみるとこんなにこじんまりしてたか?という印象。
守衛がいた入口には見覚えがあったし、英語表記もしてあったのでホテルに間違いは無い。
7年前は私も若かったし「アジア1とも言われるホテルでビュッフェを食う!」と身構えて行っていただろう。
それらのイメージから必要以上に大きく見えていたのかもしれない。
今回は1人でビュッフェも味気ないし、ホテルに入ることはせずに外観だけ眺めてその場を去る。
7年前より小さく感じられたオリエンタルホテル。
私が大きくなりすぎていた(物理的にではなく)のだとしたら、それは少し寂しいことかもしれない。
次に目指すはバンコク中央駅ともいえるファランポーン駅。
7年前はここからマレー半島を南下するマレー鉄道にも乗ったし、アユタヤへ向かう列車もここが始発だった。
駅舎内に入ると案内人みたいなのがどこへ行きたいんだと声をかけてくる。
駅で声をかけてくる連中をどれも怪しく感じてしまうのはインドでついた悪い癖か。
次に目指すはバンコク観光のハイライトになる王宮周辺。
ファランポーン駅からは結構な距離を歩くことになる。
しかし途中にはチャイナタウンなどもあり、歩くのには楽しそうなルート。
躊躇せずに歩くことにして、ファランポーン駅から少し歩くとすぐにチャイナタウン。
中華系の門や寺院が見えてきてすぐに分かる。
そして香港のように看板の洪水がある通りには漢字が溢れている。
大通りから少し脇に入るとゴチャゴチャした露店が並ぶ。
大通りは車がイッパイで、露店は店と人でゴチャゴチャ。
ムワッとした空気と人が大勢いる熱気と料理のニオイなど様々なものが入り混じったこれぞ雑然アジアを体感。
途中で現在地が把握できなくなったが、持参した方位磁針を頼りに王宮のある西を目指す。
開けた道に出たなーと思ったら客待ちをしているトゥクトゥクの運転手に声をかけられる。
客待ちトゥクトゥクがいるということは観光地に近い、と思ったら予想通り目の前が王宮だった。
案外アッサリと到着した。
王宮周辺にはワット・プラケオ、ワット・ポー、ワット・アルンというバンコクの3大観光名所がある。
気が付けば9:30過ぎから2時間以上を歩き通しだった。
観光の前に燃料補給、ということでもう少し歩いて外国人の集まる有名な安宿街のカオサン通りへ。
カオサン通りも7年前に来ていたが、オリエンタルホテルと同じでこんな所だったっけという印象。
もっと雑然としていたイメージがあったが、意外とスッキリした通りだった。
適当なレストランに入り、ビールで燃料補給ついでにタイ風シーフードヤキソバのようなもので昼飯。
外国人観光客が沢山いる店に入ればビールもあるし、料理も少なくとも外れはない。
現地物価に比べれば高めなのだろうが、外れがないという点では安心できる。
落ち着いたところで観光再開。
バンコク3大観光名所のうち前回唯一行かなかったのはワット・アルン。
ワット・アルンへは渡し舟に乗ってチャオプラヤー川を横断する必要がある。
3B(≒9円)払って渡し舟に乗り、3分ほどで対岸に到着するとそこはワット・アルン、入場料50B(≒150円)。
三島由紀夫の小説「暁の寺」で描かれている寺院。
旅の前に読んでいこうかと思ったが「豊饒の海」というシリーズ物の第3部にあたるのが「暁の寺」で、その長さを見て断念した。
天に伸びるような寺院が特徴的でいずれにも細かい装飾が施されている。
装飾はいずれもアンコールワットで見たのと似た様相。
急な階段などもアンコールワットを彷彿とさせる。
その階段を登ると天に伸びる寺院の中腹まで行けて、バンコク市内が一望できてなかなか爽快。
再び渡し舟に乗って対岸へ戻るとそこは巨大な寝釈迦仏像で有名なワット・ポー。
ココは7年前にも来ていたので入らなくてもいいかなと思ったが折角すぐ目の前を通るのだしと入る。
ワット・ポーも入場料は50B(≒150円)。
定番は巨大な寝釈迦仏。
お堂内に仏様が狭そうに横たわっている。
定番観光地だとお互い様なので気軽に写真を撮ってもらえて良い。
前回は寝釈迦仏だけに気を取られて他は殆ど見なかったが、敷地内は意外に広いし見所も沢山あることを知った。
本堂にある金の仏像もなかなか見事だし、仏像がひたすら並んだ回廊などもある。
その気になればかなり時間をかけて回れそうだった。
ワット・アルンとワット・ポーに行ったとなると残るは王宮とワット・プラケオ(隣り合っていて入場料も共通)。
しかし王宮とワット・プラケオはパス。
入場料が高い(350B≒1050円)のと、神聖な施設なので肌の露出が多い格好(ノースリーブや短パンなど)では入れない。
今回はハーフパンツで来ているので恐らくはNG。
入口脇で無料で服を貸してくれるらしいが、暑い国で誰が着たのかも分からない服を着るのには抵抗が。
というわけでバンコクの定番3大観光地のうち2つを消化。
次は巨大ショッピングセンターが乱立するバンコク随一の繁華街サヤーム・スクエアへ。
これまで歩いてきた距離を考えれば徒歩でも行ける距離だったが疲れもあったので流しのタクシーを捕まえる。
渋滞にもはまって30分くらいかかって81B(≒243円、初乗り35B≒105円)。
東急デパートも入っているマーブンクロンセンター(通称MBK)は前回も来た記憶があった。
日本のデパートよりも遥かに大きい巨大なショッピングモール。
上階のレストラン街に行くとタイスキ(タイ風しゃぶしゃぶ)の店を発見。
17時過ぎとやや早い時間ではあったが、見たら食べたくなったので入店。
暑い国だがクーラーがんがん効いて快適な店内。
肉と魚介盛り合わせみたいなセットを注文。
内容は日本の鍋と殆ど同じ。
肉はしゃぶしゃぶして食べつつ、エビや練り物やわんたんもあるんでそれらも茹でる。
シンハビールと共に食し合計616B(≒1848円)。
ちゃんとした所でちゃんと食べたからそれなりの値段になった。
飯を食べ終わって外へ出ると薄暗くなってきている。
サーヤム・スクエア周辺には巨大ショッピングセンターが2,3つも共存(競存?)している。
よくもまぁこんな巨大なもんが共存(競存?)できるものだと感心。
と思ったが冷静に考えれば新宿などの日本のデパート街と似たようなものか。
辺りがだいぶ暗くなってきたので、この日最後の目的としていたバイヨークスカイホテルへ。
バンコクで1番(=タイで1番)高い建物のホテル(85階建て)。
上階にはバーもあるというので夜景でも眺めながらカクテルでも飲むつもりだった。
地図を見なくても上を見れば見事なランドマークになっているのですぐに場所が分かる。
サーヤム・スクエアから10分ほど歩いて到着。
当然ホテルとしても機能していて、日本の代理店を通して6千円程度で泊まれる。
ホテルの客もいれば展望台だけの客もいるようで入口はだいぶ混みあっている。
ロビーのような所でチケットを買う。
宿泊客でないというと250B(≒750円)取られた、結構高い。
エレベータで一気に上階まで行き、さらに階段を上ると外に面した展望台。
外周がゆっくりと自動で回っていて、立っているだけで360度回転してくれる。
止まっているだけで景色が勝手に動いてくれるというのは良い。
夜景を見るとバンコクが都会だというのが改めて分かる。
どこを見ても灯りがついているし、道路が張り巡らされている様子も確認できる。
そんな夜景を1人で眺めていたのは私くらい、人はまばらだったがカップルが殆どだった。
夜風も気持ち良くボーっと立って2周もしてしまった。
84階にバーがあったので入ってジントニックを注文。
高級ホテルというわけではないので、ごく普通の可も無く不可も無いジントニック。
夜景を眺めつつチビチビ飲む。
会計をしてもらおうとするとチケット代に含まれているから会計不要だと言う。
ワンドリンク込みで250B(≒750円)ということらしい。
それならまぁ無難な値段なのかな。
それにしてもバーに寄らなければワンドリンク分無駄になるところだった。
そういうことは最初に言ってくれれば良いのに。
ホテルへ戻るにはBTSを使うことにした。
歩けない距離でもなかったが、BTSに乗るのも1つの記念だ。
泊まっているホテルはBTS駅の目の前なのだが、バンコク最後の夜に一気にホテルまで戻ってしまうのは勿体無い。
1つ手前の駅で降りて、昨夜も歩いたパッポン通りなどを一通り冷やかす。
そういえばカオサン通りでもパッポン通りでも露店のTシャツ屋にはマイケル・ジャクソン物が多数あった。
やはり世界的なスーパースターだったんだな。
バンコク最後の夜をかみ締めるように、酔いを醒ましつつゆっくり歩いてホテルに戻る。
1日でバンコクの主要所は結構回ったような気がする。
旅の1日のモデルにしても良いんじゃないかと思えるくらい充実した中身の濃い1日だった。
ただ旅のモデルにするには歩きすぎの感はあるが。

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