マカオ社員旅行+香港
2005年1月9日 日曜日
マカオまで1時間弱で到着。
ホテルでしばし休んだ後にガイドブックに載っていたマカオ・ポルトガル料理を出す店へ
マカオのメインストリート新馬路の近く、目指すマカオ・ポルトガル料理屋を見つけ出して入った。
どうもマカオでは中華料理的なものよりも魚介類を使った西洋風料理が多いように思う。
中華料理よりもポルトガル料理寄り、という点は香港と違うところだ。
まぁ旧イギリス領だった香港と旧ポルトガル領のマカオ。
マカオ人がポルトガルの料理を取り入れるのはともかく、香港人がイギリスの料理を取り入れなかったのは…(以下自粛)
マカオを代表する料理の一つとして紹介されているガーレーハイ(カレー蟹)。
メニューでそれを見ると値段は「時価」と書いてある。
時価ってやばくないか?
しかし折角ココまで来たのだから、とカレー蟹を注文。
その他にマカオ焼肉の定番という牛助骨(ビーフスペアリブ)、葡式炒飯(ポルトガル風チャーハン)などを注文。
時価のカレー蟹は普通に美味い代物ではあったが、蟹の甲羅割ったりするのが面倒だった。
カレー蟹に合わせて全員分のフィンガーボールが出てきたりといかにも高級感を漂わせる。
日本でもフィンガーボールが出てくる食べ物なんて頼んだこと無い…
時価、恐るべし…いくら取られるのだろう。
適度に食って飲んでマッタリしているところへ先輩があっ、と声を上げた。
社長がトイレから出てくるのを見たという。
同じ店に社長が?!
どこにいるのかは分からなかったが意識して耳を澄ますと聞き覚えのある笑い声が。
ここで大きな2つの選択肢。
黙って店を出るか、とりあえず挨拶はするか。
協議の結果、私と同期でとりあえず様子を見に行くことに。
笑い声の元を辿ると個室、ドアが開いていたのでコッソリ中を覗く。
すると社長専務以下重役勢揃い、総勢15人くらいはいただろうか。
だいぶ酒も入っているようで笑いが絶えない、入っていける雰囲気だ。
こっちも酒の勢いを借りて「お疲れ様でーす。」と入っていく。
「聞き覚えのある声がしたもので…」と事情を説明。
早速社長が「そっちの皆も連れてきて伝票も持って来い」と期待通りの一言。
個室の末席に新たにテーブルと椅子が追加された。
テーブルの上には我々が時価と戸惑っていたカレー蟹が何皿も。
その他にも石岐燒乳鴿(焼き鳩)、炭焼沙旬魚(イワシの炭火焼)、菲洲辣鶏(鶏のピリ辛ココナッツソースかけ)…
我々が食べていた物も含めてマカオの名物料理が一通り揃っていた。
こっちは充分食った後だったので満腹だった。
しかし社長に奢られてこれだけの豪華な料理が並んで手をつけないわけにはいかない。
ビールも大量にあり、少しでもグラスが減ると部屋付と思われるボーイがどんどん注いでくれる。
少しでもグラスが減ると注がれるものだから一向にビールが減らない。
故にもっと飲め飲め、若いんだから食え食え的な上役の声に押されてひたすら食って飲んだ。
それでもお互い酒が入った時点で会ったので堅苦しい雰囲気になることは無く楽しめた。
そして勘定は社長もち、本当にご馳走様でした。
ただ唯一の心残りは時価のカレー蟹が幾らだったのか最後まで不明だったということだ。
最初に店員に聞いておけばよかった…。
これからカジノへ行く、という社長一行と別れて我々はセナド広場というマカオの中心地へ。
同じ道を歩いて帰るのはつまらないのでセナド広場から適当にホテル方向へ歩き始めた。
気がつくとなんとなく道に迷っていた。
ガイドブックを見て現在地を掴む、方向は間違っていないはずだ。
気がつくと小高い公園のような所にいた。
チョットした山道を降りて抜ければ目指す方向へショートカット出来そう。
しかし結局酔いも手伝って行ってみよう、と。
山道(半分獣道)を下っていくと出たのは廃車場か駐車場か、車があちこち無造作にある工事現場みたいな所。
そこを抜ければ目指す大通りへ行けるはずだが、もしも出口がフェンスで閉まっていたら…
かといって今降りてきた道を引き返してまた山道を登るのも相当面倒だ。
結局ここでも酔いが手伝って廃車場(?)を突っ切ろう、ということに。
少し歩くと突然ワンワンワン!!とすぐ近くで犬の鳴き声。
呼応するかのようにアチコチで犬が鳴き始め犬が走ってくる音も聞こえる。
大人4人がそりゃぁもう大慌てで走った走った。
頭の片隅には出発前に暇つぶしに成田空港で見た「世界の伝染病紹介」の記事。
「狂犬病が発症すると100%死亡。」という文言がよぎる。
これだけ全力疾走したのはいつ以来だろう、というくらいの全力疾走。
アッというまに廃車場を抜けて一気に大通りへ出た。
幸い犬も追っかけてきていない。
大通りへ出て落ち着くと大爆笑だった。
「いやぁー、死ぬかと思った」
何はともあれ道に迷っていたのもこれで一気に解消された。
まだ開いている小さな商店があったのでそこで缶ビール(1本8パタカ≒112円)を購入。
ホテルに戻って先程あれだけ飲み食いしたにもかかわらず同期とお疲れ様でした飲み。
飲んでいる間、同室の先輩は耐え切れずに1人カジノへ。
買ってきた4本のビールが無くなる頃に部屋に戻ってきた先輩はそのままベッドに倒れこんで一言「2度と行かねぇ…」
ふとこの日のマカオを振り返って浮かんだあるCMのフレーズ…
小さな商店で買ったバドワイザー…8パタカ
カジノですった掛け金…800香港ドル
レストランで食べたカレー蟹…時価
見知らぬ地で野良犬に追いかけられた思い出…priceless