インド一人旅
2008年7月31日 木曜日
2泊連続の寝台列車。
前日同様に6時過ぎに物売りの声で起きる。
やはり喉が痛く身体が重い。
前日のヴァラナシで行動が鈍ったのは蓄積された疲れよりも体調不良が原因だったか。
列車は40分遅れの8:10過ぎにニューデリー駅に到着。
この日の深夜というよりも翌日未明の飛行機で香港へ向かう。
これから12時間以上はデリーに滞在することになる。
泊まりはしないが荷物を預けるために24時間営業の安宿へ行ってみることにした。
ニューデリー駅からすぐのメインバザールにある安宿街へ。
ガイドブックに載っていた安宿へ行って24時くらいまでの滞在の値段を聞くと150Rs(450円)。
殆どロッカー代くらいにしか考えていなかったのでそれで充分。
建物はかなり古く、いかにも安宿という感じ。
ドアが少し開いている部屋をチラ見したら狭い部屋にアラブ系の男が4人くらい詰めていてなんだか恐い。
部屋は個室でダブルベッドサイズなのは立派だが壁には何かのシミが沢山ついている。
当然エアコンは無く、窓も無く、天井をファンが回っているだけでムワッと蒸し暑い。
これまでの旅を通しても初めて安宿という所に入った。
さすがにこれまで泊まったホテルの1/10程度の値段、まぁこんなもんなんだろうなと思った。
いかにも安宿然とした部屋で少し嬉しくなったくらい。
長居をしようとは全く思わなかったが。
この日最初の予定はインターネットカフェ。
香港行きの飛行機のインターネットチェックインを済ませたかった。
メインバザールは外国人が多く集う通りなので日本語のインターネットが出来る所もすぐに見つかった。
入口でパスポートを預けさせられてインターネット。
ちゃんと日本語入力も出来て実にスムーズにネットチェックインが出来た。
ついでにネットサーフィンをしていたらインドのトピックスがYah○○のトップページに。
インドで31日、首都の市場で爆破テロ予告のメール。
31日って…今日じゃん!インドの首都って…ココじゃん!!
オイオイオイと慌てて詳細を確認。
31日にインドの首都デリーで市場を爆破するという予告メールがインド治安当局に届いた。
日本大使館は31日は全ての営業を停止し、大使館を閉鎖して在留邦人にも注意を呼びかける事態になっている。
オイオイ在留邦旅人はどうなるんだ?なんの情報も知らされていないぞ。
幸いにもインドの首都デリーも広いので予告された市場は聞いたことの無い地名だった。
それにしても余計なニュースを見てしまったばかりにかなり不安になってしまった。
何も知らなければ穏やかに過ごせていたかもしれないのに。
ネットカフェは1時間弱で20Rs(60円)。
今にも雨が降りそうな曇り空の中をデリーの中心地・コンノートプレイスまで歩く。
この日はマクドナルドで食事の予定。
カレー続きで辟易していたというのもあったし、牛が神聖化されているインドでハンバーガーがあるのかも興味があった。
一昨日は昼飯時で混んでいて入れなかったが、今回は10時過ぎなので店内も空いている。
見たところメニューにハンバーガーは無い。
ベジタリアンとノンベジに分かれているのがインドらしい。
ノンベジのメニューを見ると肉類は全てチキンを使用しているらしい。
噂では羊肉を使用したハンバーガーもあるらしかったが、どうやら見当たらなかった。
ここはより珍しいものをということでベジタリアンメニューのマックベジバーガーのセットを注文。
マックベジバーガーとポテトとコーラで109Rs(327円)。
万国共通のコーラ、少ししなびたポテトも味は万国共通。
そしてマックベジバーガー、メインはコロッケのような揚げ物の中に豆やニンジン・ピーマン。
そのコロッケにレタスとチーズにタルタルソース状のものがかかっている。
やや淡白な味ながら悪くない、カレーばっか食べていたので余計にそう感じるのかもしれない。
マクドナルドで食事中に突然停電、数秒後には復旧したが首都でもこれですか。
食後、外へ出てみると雨が降っている。
ガンジー博物館やインド門、フマユーン廟(タージマハルのモデルとなった世界遺産)など行きたい所がいくつかあった。
しかしそれも断念せざるを得ないと思えてしまうような降雨。
雨季なのに殆ど雨が降らないと思っていたが最後にこれか。
おまけにヴァラナシに到着した辺りから気になっていた体調が怪しくもなってきた。
この雨だと行動も出来そうにないのでひとまずは宿に引き上げることにした。
荷物を置いておくだけのつもりだった安宿だがあって良かった。
万全とはいえない体調で雨の中を歩いたからか身体中がだるくなってきた。
全身のダルさと雨で集中が切れてもうデリーは良いかなーと半ば諦めモード。
体調が少しでも良くなればと眠ることにした。
夕方の16時過ぎに目が覚める、幸い体調は悪くない。
どんな環境であれ睡眠は大切だ。
外へ出てみると雨は上がっていて青空すら覗いている。
少し時間は早かったがインド最後の食事を取ることにした。
ガイドブックに「欧米人に人気の店」と書いてあったレストラン。
名物のタンドリーチキンもそうだが、何よりも紹介文によるとビールがあるという。
辿り着いたのはホテルの上にあるレストランでオープンテラス。
そこでようやくありつけたビール、アグラで飲んだのと同じキングフィッシャー。
ちゃんとビールが飲めたのはインド初日のアグラ以来。
インド最後の締めとなるビールだ。
料理はタンドリーチキン。
壷に入って鉄製の串に刺さって見た目にも美味しそう。
酸味と辛味が効いたチキン、ガーリックナンと一緒に頂き実に美味。
冷えたビールと合わせてインド最終日にしてようやくカレー以外の料理とビールにありつけた。
体調を考慮して控えめにビール2本とタンドリーチキン、ガーリックナンで460Rs(1380円)。
ビールが1本100Rs(300円)、やはり嗜好品は高い。
満腹になってビールも飲んで体調は回復した感はあるが、この時間から行動する元気は無い。
宿に戻って荷物をまとめるとやるべきことは全て終了。
飛行機の出発はAM3:30だったが、深夜遅くに空港へ行くのもなんだか恐い。
体調が万全ではないことも考慮してかなり早い時間でも空港へ行ってしまうことにした。
最後にメインバザールを一通り歩いてデリーに別れを告げる。
ニューデリー駅前からプリペイドリキシャーに乗ることが出来る。
チケットカウンターで料金先払いで国際線空港までリキシャーで連れて行ってくれる。
煩わしい料金交渉をしなくても良い。
時刻は21時過ぎだったが、国際線空港まで130Rs(390円)。
空港まで正式な料金でもこの程度ならこれまで乗っていたリキシャーではかなりぼられていたような気がする。
22時過ぎに空港に到着。
空港に入るために早くも航空券が必要で、入口で係員がチェックをしている。
この辺りもテロへの警戒強化なのだろうか。
そういえば午前中にネットカフェで見たテロ予告はどうなったのだろうと今更ながらに思い出す。
(帰国後に気になって調べてみたら精神障害者の狂言メールとのことで不問に付されたらしい)
到着ロビーよりも綺麗な出発ロビー。
飛行機の出発時刻まで5時間くらいの空きだったが、時間を潰せそうな所が空港内に無い。
落ち着いた所で仮眠でも取ろうと早々に出国審査を済ませて搭乗口へ。
空いているベンチを見つけて寝ることにしたが、エアコンが効きすぎて寒い。
出来るだけエアコンの効いていない、人がいないベンチを探して落ち着く。
しかし寒さに耐え切れずにバックパックの奥底に詰めてあった衣類圧縮袋から長袖シャツを出す。
長袖シャツを着て出来るだけ寒くないように身体を縮こませて眠ったがそれでも寒い。
もともと体調が怪しかった身体には堪えたらしく、身体が重くて危険な感じの咳が出る。
AM3時前に搭乗が開始され、さっさと乗り込む。
早々に毛布を貰い、ヘッドホンで耳を塞ぎ、肩から毛布をかぶって出発前に就寝。
いつ動き出したのか、いつ離陸したのかも分からないまま。
機内食の配膳にすら気付かずに眠り続けたのは初めてかも。
気が付かないままインドを後にしていた。
最終日はどうにも締まらなかったインド。
やはりこれはまたインドへ来いとの思し召しなのかもしれない。