欧州旅日記

2月4日 日曜日
この日は1日フリーでベルリン観光。
列車が朝早く出るとかそういう予定がないので久々に朝はゆっくり眠っていられた。
ホテルを出ると我々の行く手を遮るものが…雪、しかも積もっている。
幸いにして降ってはいたが強く舞ったりはしていなかったので強行突破(強行突歩)することに決定。
まずはベルリン・ツォー駅へ行き、ポーランド・クラクウまでの切符を購入。
これまではユーレイルパスというヨーロッパの鉄道が乗り放題のフリーパスを使ってきた。
ところがこのユーレイルパス、明日から行く旧共産主義圏の国であるポーランドやチェコでは使えない。
しかしドイツ国内での鉄道ではユーレイルパスが使える。
ドイツ・ベルリンからポーランド・クラクウまで行く列車のポーランド国内分だけ乗車券を買わなければならない。
だから今回の乗車券購入は少し厄介なのだ。
駅の窓口で持てる英語力を最大限に発揮して、ユーレイルパスを持っていることをアピール。
だから我々はポーランド国内だけの乗車券が欲しいのだ、ということを必死に伝えた。
私の言いたかったことは窓口のお姉さんに伝わったようでちゃんと発券してくれた。
ドイツ・ベルリンからポーランド・クラクウまでの特急券と、ポーランド国内の乗車券の2枚を手に入れた。
恐れくこれで大丈夫なのだろう。
とりあえず安心したところでベルリン観光へ向かった。
ベルリンといえばなんといっても壁だろう。
壁の名残を求めるために歩き出した。
まず向かったのは戦勝記念塔ジーゲスゾイレなるところ。
1864年デンマーク、1866年オーストリア、1871年フランスに勝利した記念に立てられた塔らしい。
戦勝記念の何かをもし日本で日本国内に作ったらアジア諸国からボロクソに批判されるんだろうな…
雪も降り、積もっていたのであまり観光客の姿はない。
戦勝記念塔は中に入って上まで登れる。
2ドイツマルク(≒116円)と安かったのでせっかくだから登ってみることに。
ようやく登りきった頂上は強風・極寒。
頂上でアメリカから来たという若者と少し喋った。
英語で少々の会話、それでも彼の言っていることが全ては分からない。
全て分からなくてもなんとなく分かって会話が成立しているから不思議だ。
彼が先に頂上にいたので「では良い旅を。」と言って先に降りていった。
我々も戦勝記念塔を降りて次に目指すはブランデンブルグ門。
戦勝記念塔から長い道がブランデンブルグ門へと延びている。
このブランデンブルグ門のすぐそばにベルリンの壁が存在していたのだ。
ところが残念、なんと門が工事中なのか巨大な幕がかかっていて門の全容を全く見る事が出来なかった。
巨大な幕はかかっていたもののブランデンブルグ門をくぐって旧東ドイツ領内へと入った。
10数年前には通ることが出来なかった門をくぐって旧東ドイツ領内へ、感慨深いな。
旧東ドイツの大通りを歩き、喫茶店に入りビールを注文。
寒かったのにビールは如何なものかと思ったが、歩き疲れていたので冷たいビールでも美味かった。
次に目指すは壁が作られた当時の資料を集めた壁博物館。
そこへ向かう為に大通りを歩いているとバス停に戦勝記念塔で会ったアメリカの若者がいた。
「おぉ!」という感じで挨拶を交わし、一緒に歩くことに。
英語で会話しながら歩く。
彼はドイツを回っているらしく、フランクフルト〜ミュンヘンへ行って帰るという。
大通りの途中でお互い目指す所が違ったのでお別れ。
最後に握手をして別れた、小さな旅の出会いだった。
少し歩いて壁博物館に到着。
館内はあまり広くないように感じたが入ってみると上の階もあって広かった。
思ったよりも人はいたが混雑しているという感じではない。
壁があった当時や壁を見張る軍隊、壁を越えようとして捕まっている人々の写真等々。
東側から西側へ脱出しようとした人の脱出方法やルートなどがパネルで紹介されていたり。
壁の威圧感や時代背景、書いてある説明文こそ読めないが写真を見ているだけで感じるものは充分にあった。
壁博物館には売店もあってそこの売店ではベルリンの壁が売られていた。
かなり大きい壁でイラストが描かれている。
壁に描かれていた絵が芸術作品なのか当時の絵のままで3800ドイツマルク(≒220,400円)もした。
22万円も出して壁を買う人なんかいるのだろうか…と思っていたら「SOLD」の札が貼ってあるものもあった。
それにしてもベルリンの壁のカケラは駅前の土産物屋でも安価で小さなカケラが売られていた。
果たして全てホンモノなのかどうか…怪しいものである。
どこの土産物屋に入っても売っていたし…。
壁博物館を出て旧東ベルリンの中心地へ行こうかとも思ったが疲労と寒さでそれを断念。
それほど興味を引かれるようなものもなかったし。
結局歩いてホテルまで戻った。
ベルリン・ツォー駅〜戦勝記念塔〜ブランデンブルク門〜壁博物館〜ポツダム広場〜ベルリン・ツォー駅
ベルリンも相変わらず歩き通した。
ビールが格別に美味いとは思わなかったが、無難に美味かった。
コンビニみたいな所でビール500mlとミネラルウォーター500mlの値段が同じなのはさすがドイツ。
水の如くビールを飲め、と。
ブランデンブルグ門が殆ど見られなかったのが最も残念。
あとは壁がもっと当時のままの壁っぽく建っていてほしかった(ドイツ人に怒られるかな)。
日本人はあまり見かけなかった、ベルリン・ツォー駅周辺で数人見たくらい。
やはり日本人はドイツっていうとファンタスティック街道やロマンティック街道などの古城を見に行っているのかな。

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