欧州旅日記

2月11日 日曜日
深夜1時15分、勿論眠りについている。
ドンドンドン、個室のドアを叩く音。
いつものことながらパスポートチェックは時間と場所を選ばずに容赦なく来る。
パスポートチェックが済み、イタリアに入国した余韻に浸ることなく再び眠りにつく。
9時20分過ぎ、最後の滞在都市ローマ・テルミニ駅に到着。
近代的で大きな駅、駅を出てまずはコロッセオに向かった。
朝ということでまだそれほど人もいない道を歩く。
しかしコロッセオに近づいてきたと思われると明らかに観光客が増える。
そして見えてきたコロッセオ、それと同時に大勢の観光客も目に入った。
駅からコロッセオまで歩いていてかなり暑くなった、やはりイタリア・ローマは暖かいのだ。
ローマでも東京よりも北にあるはずなのに東京よりも明らかに暖かい。
午前中にもかかわらずコロッセオは人だらけ。
日本人・アジア人・現地人などのツアーがうようよ。
そうか、この日は日曜日だったのだ。
コロッセオ場内に入る為の入場券売窓口は長蛇の列。
我々はまだイタリア通貨を持っていなかったのでもとより入る気はなかった。
しかし通貨を持っていたとしてもあの長蛇の列に並んでまで内部に入りたいとは思えなかった。
古代ローマの闘技場とは思えないほど超観光地だったコロッセオ。
あまり人がいないコロッセオの裏側(どこが裏なのかは判らないが)へ行くとノラ猫がたくさんいた。
どうやらコロッセオの内部に住み着いているらしくあっちこっちにいた。
人だらけのコロッセオを後にしてそのすぐ近くにあるフォロ・ロマーノという古代ローマの大遺跡群へ。
大きな広場に古代ローマの遺跡が点在。
こちらも観光客は多かったが、広い敷地内なので観光客も分散していてコロッセオほどではない。
あっちこっちに壊れた遺跡が残っている。
もの凄い歴史があるものなんだろうが、壊れた古い建物をそのまま残しているだけの広場という感じ。
古代ローマの大遺跡も私の歴史観のなさにかかれば寂しいものだ。
フォロ・ロマーノを通り過ぎてしばし歩くと巨大な建物が見えてきた。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂だという、けっこう立派な建物だった。
その辺りも観光客だらけ。
ガイドブックにはパリが世界一の観光都市と書いてあったが、日曜ということもあるが午前中で既にパリよりも大勢の観光客を見ている。
この日は日曜日なので銀行は基本的に営業をしていない。
それでも街の両替商で1万円を両替。
1万円が17万リラ、17万って凄い数字だ…計算もややこしい、100リラ≒6円。
そもそも1リラというものが存在しないのだ、通貨の最小単位が5リラ硬貨≒0.3円から。
1リラは日本で言う1銭みたいなものか、おかしな国だ…
テルミニ駅へ戻り、宿探しをすることにする。
もっとも手っ取り早く効率の良い方法、駅のインフォメーションへ行った。
テルミニ駅構内のインフォメーションで「この近くで1泊14万リラ(≒8400円)くらいまでの宿がないか」と聞く。
すると「No、100万リラからだ」みたいな感じで冷たくあしらわれた。
100万リラって…6万円だぞ、そんなに高いのか、それとも私の聞き間違いか?
どちらにせよ窓口の姉ちゃんは既にこちらの話には聞く耳持たない、という感じでめちゃくちゃ感じ悪い。
なんか腹立ったんでその場を去った。
すると「スイマセン、日本の方ですか?」とネイティブな日本語…
見ると若い日本人の女の子2人組だった、このシチュエーション以前にもどこかで…
話を聞くとどうやらテルミニ駅から空港へ行くまでの列車の切符が買えないという。
2人とも大学4年生で卒業旅行だと言う。
そうだ、パリで会った女の子らと全く同じようなシチュエーションだ。
それにしてもこの旅で会う日本人は皆大学4年生で卒業旅行だな、我々もだけど…。
女の子「日本に帰るんですけど、空港までの切符を何処で買えば良いのか判らないんです。」
女の子「ガイドブックにはあそこの窓口で買えって書いてあるんですけど、窓口行っても無視されるんです。」
私「英語はできる?」
女の子「いえ…」
オイオイ大学4年の卒業旅行だろ、英語出来ないってどういうことだよ…
仕方ないので何故か私がその窓口へ行き、ここでも何故か私が英語で「空港行きの切符を2枚」と。
すると「3万4000リラ(≒2040円)」と言われた。
「3万4000リラだって」と伝え、彼女らがお金を払うといとも簡単に発券してくれた。
めちゃめちゃ簡単だった、一体何故に彼女らはこんな簡単なことが出来なかったのだろう?
「これで日本に帰ることが出来ます、ありがとうございます。」と、とっても感謝されて彼女らとは別れた。
それにしても…人に頼り過ぎだろー、メチャクチャ簡単だったじゃないか、自分でやれ自分で…
パリの女の子らもホテル探しを完全に我々に任せたし、今回の子らも何も自分でやろうとしなかった。
もうチョットなー、大学4年で卒業旅行だろ…。
人助けを終えて我々も我々のなすべきこと、ホテル探しをすることに。
インフォメーションは役に立たないことが判ったので最後の都市だし原点に戻って自力で探すことに。
ちかくにホテルは沢山あったのでとりあえず片っ端から入って行った。
だいたい値段は13万(≒7800円)〜15万リラ(≒9000円)。
朝食付き14万リラ(≒8400円)の所を見つけたのでそこに落ち着いた。
ホテルで小休止、最後の滞在都市ローマの観光ルートを考える。
ローマ滞在は2泊3日。
帰国の飛行機は夜22時発と遅いので最終日も夕方まで充分観光する時間がある。
ローマでは今日を含めて3日間ほぼ丸々観光する時間があるのだ。
だからあまり1日で行き尽くさないようにこの日は無理に行動はしなかった。

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