欧州旅日記
2月8日 木曜日
夜行列車内、熟睡していると突然個室のドアがドンドンと叩かれる。
時計を見るとまだ真夜中の1時、チェーンはしたまま鍵を空けて隙間から顔を出すと軍人が立っている。
半分眠っていたのでチョット驚いたが、すぐにパスポートチェックだと分かった。
別に何の問題もなくパスポートチェックを終えた。
それにしてもこんな真夜中に容赦なくパスポートチェックとは、なんだか乱暴な感じだな。
朝の7時少し前、車掌がサービスの紅茶とパンを持って来たのでそれが朝食。
7時30分過ぎにチェコ・プラハ本駅に到着、天気も良かった。
ここへ来てどうやら天気は持ち直してくれたらしい。
プラハへは朝着いたので今日1日観光が出来る。
だからプラハは1泊にして翌朝には次の目的地であるオーストリア・ウィーンへ行くことにしていた。
朝から丸1日観光できれば充分だと判断したのである。
プラハ本駅を出てすぐのところにヴァーツラフ広場がある。
プラハの春やビロード革命で有名な広場である。
大学の授業でビロード革命の後にこの広場に集まる大勢の人々の姿をビデオで見たことがあったのでプラハに来たら行きたいと思っていた。
「はぁこんな所だったのか」という印象、なんかイメージと違った。
両替商も開いた時間になり両替、1チェココロナ≒3.5円。
プラハ最古の石橋で観光スポットのカレル橋を渡ってプラハ城を目指す。
歩行者天国の橋で観光客やストリートパフォーマーで賑わう橋らしいが午前中と言うこともあり、閑散としていた。
プラハ城は小高い丘にあり、行くには坂を登っていかなければならない。
少し高いところにあるので見える景色はなかなか良かった。
プラハ城正門前では団体観光客が結構いた。
我々もプラハ城へ入ってみることに。
プラハ城敷地内も観光客がいっぱい、日本人もいた。
少し時間は早かったが腹が減ってきた。
どこで飯を食うかはあらかじめガイドブックを見て決めておいた。
プラハで最も古いというビアホールがあるらしいのだ。
プラハ城からは結構距離があったが歩いてそのビアホールへ。
地図を頼りにそこはすぐに見つかった。
建物はかなり古そう、昼飯時には少し早かったので店内は空いていた。
この店はアルコール度13%の特製黒ビール(40チェココロナ≒140円)が名物。
すぐに出てきた黒ビール、パッと見ても泡がクリーミーなのがすぐ判る。
いざ飲んでみると、まずはクリーミーな泡がとても美味い。
そして黒ビール、これまで黒ビールと言うと苦いというイメージしかなかったのが一新された。
苦さを感じる前に砂糖を焼いたような、カラメルのようなほのかな甘さを感じてそれから絶妙な苦味がくる。
最初の甘さが見事にコクを出していてそれにより苦味が引き立ち、ただ苦いだけではなくなる。
アルコール度13%らしいのだがそんな感じは全然しなかった、本当に13%もあったのだろうか。
まぁそんなことはお構いなし、とにかく美味いビールだった。
黒ビールを美味いと感じたのは初めてだった。
そのバーでビールと一緒に飯も食って充分に満足してそのバーを出た。
この日の宿と明日の目的地オーストリア・ウィーン行きの乗車券も買わないといけない。
両方を同時に遂行するには駅へ行けば良い。
駅へ行って切符を買って、インフォメーションでホテルを紹介してもらえば良いのだ。
そんなわけでプラハ本駅へ戻った。
プラハ本駅でチェコ・プラハ〜オーストリア・ウィーンへの切符を買う。
そのプラハ本駅の乗車券売り場で日本人バックパッカー(男)が話しかけてきた。
某R大学の4年生で卒業旅行だと言う。
パリで会った女の子以来久々の日本人との会話。
そういえばパリの女の子も大学4年の卒業旅行だって言っていたな。
某R大の彼はなんとなくプラハに来たが持ってきたガイドブックにプラハが載っていなかったらしい。
我々はチェコのガイドブックを持っていたのでそれを見せてあげたのだ。
彼はフランスからヨーロッパ入りしたようでイタリアから出ると言う。
これまでユースホステルを転々としてきて、プラハでもユースホステルに泊まるつもりらしい。
某R大の彼と少々の世間話をして、そこで別れた。
我々はホテルを紹介してくれるインフォメーションへ行って英語で交渉。
駅の近くで2000チェココロナ(≒7000円)くらいで良い所はないか、と。
するとヴァーツラフ広場からすぐの所にあるホテルが予約できた。
駅を出てそのホテルを目指して歩く。
チェックインして入った部屋はこれまでで最も良いと思える部屋。
ビジネスホテルのような部屋ではなくてリビングルームのようにしっかりした部屋。
ソファやダイニングテーブルみたいなのも置いてあった。
これで2000チェココロナ(≒7000円)ってことはやはり物価が安いんだろうな。
晩飯はプラハ城下にあった生ビールが飲めそうなレストランへ。
ここでもビールは美味かった。
どうもチェコのビールは泡に特徴があるようで実にクリーミーな泡だった。
食後、夜のプラハを歩いてホテルに戻る。
ホテルへ戻って翌朝7時10分発の列車に乗らなければならないので早めに就寝。
プラハは天気もまぁ良かったし、ある程度のものは見た。
何よりもビールが黒も白も美味かった。
確かに街並みは綺麗。
趣のある建物がいっぱい、カレル橋からプラハ城付近が良いと感じた。
旧共産主義国だけにやはりまだ物価は安く感じた、ホテルなんてあの値段にしてはとても良かったし。
カレル橋やプラハ城など観光地が結構あるので日本人も街中でチョコチョコ見かけた。