第2章 「いまに在る」と、人生の苦しみは消える Consciousness: the way out of pain 第1節 「いま」苦しみをこしらえるのをやめる方法 Create no more pain in the present 「すでにそうであるもの」に抵抗すること=今この瞬間に抵抗すること=思考と自分が一つになることが苦しみを生む。 思考は過去、未来という時間の概念なしには機能できないので、今この瞬間に抵抗する。 未来は思考の中だけに存在する幻で現実には存在しない。 時間の概念を捨てること、すくなくとも普段の生活の中で必要以上に時間にとらわれないようにする。 いまこの瞬間に起こっていることを自分であらかじめ選択したように受け入れる。 ----- 第2節 「感情の痛み」=「ペインボディ」を溶かそう Past pain: dissolving the pain-body ペインボディ:からだに積もった痛みがネガティブエネルギーになって心とからだにくっついたもの。 ペインボディは自分と同じネガティブエネルギーを必要とする。 同じようなネガティブなエネルギーを持つ状況を引き寄せてしまう。 また、自分のネガティブな思考がペインボディに栄養を与えることにもなる。 十分に今にいながら、ペインボディをただ観察すると、思考とペインボディの繋がりを断つことができる。 思考とのつながりを断たれたペインボディは意識に変わる。 痛みが意識の炎を燃やすための燃料にかわり、意識の炎がさらに明るくなる。 ----- 第3節 エゴは「ペインボディ」とひとつになりたがる Ego identification with the pain-body ペインボディをアイデンティティのよりどころにしてきた人は、ペインボディが消えていくときに拒絶反応が起こることがある。病気を自分のアイデンティティにしているような人。 居心地のよい「不幸な自分」を失うことを恐れる。 ペインボディに変化を起こせるのは自分だけだが、身近にしっかりと今にいる人を見つけられたら、その人と一緒に過ごすこと。 ----- 第4節 「恐れ」の正体とは? The origin of fear 本能的な恐れと心理的な恐れは違う。 自分がいるのは今ここなのに、未来を見てしまうことが不安などのネガティブ性を生む元凶。 すべての恐れは「エゴの恐怖」からきている。 思考を自分だと錯覚しているので、自分の思考を防衛せざるをえない。 大いなる存在をアイディンティティにすると、「絶対に自分は正しくないといけない」という感情を持つことはなくなる。 他者を押さえつけようとするパワーは強さという仮面をかぶった弱さ。 ----- 第5節 完全になろうとして、さまよい続けるエゴ The ego's search for wholeness エゴ的思考は「わたしは不十分です」という根強い気持ちをともなう。 それを自覚している人 「わたしは価値がない」という不安定な感情がいつも表面化している。 自覚していない人 お金、成功、権力、賞賛、親密な人間関係など外側のものを必要以上に求める。 でも、外側のものはどれも本当の自分ではない。死が近づけばそのことがわかる。 さとることの秘訣は「肉体が死ぬ前に死ぬこと」であり、しかも「『本当の自分』は死なない」と、さとること。 |