さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる エックハルト・トール The Power of NOW: A Guide to Spiritual Enlighenment Eckhart Tolle 第1章 思考は「本当の自分」ではありません You are not your mind 第1節 あなたは、なぜ、なかなか「さとれない」のか The greatest obstacle to enlightnement さとりとは聖人君子のみが達することのできる超人的な心境ではなく、誰もがもともともっている自然な在り方。 さとりとは「大いなる存在(BEING)と一つであること」を思い出すこと。その状態をたもつこと。 大いなる存在との一体感を感じられないと、「自分は自分をとりまく世界から切り離されているという幻想」が始まる。 この幻想を信じ込んでしまうことが、あらゆる苦しみ、心身の病気の根本的な原因。 大いなる存在とは、唯一存在する不滅の命。 神、意識、気づき、それ、ブラフマン、愛、 様々な言葉で呼ばれているがすべて同じものを指している なぜそれを経験できないのか。 自分の思考を自分だと思い込んでいるから。 さとると自分の思考にふりまわされなくなる 自由への第一歩は自分の思考は本当の自分ではないと気づくことから始まる。 ----- 第2節 どうしたら思考をコントロールできるのか? Freeing yourself from your mind 頭の中のひとりごとは止められる。 そのための2つの方法。 1、思考を観察する 2、意識を100%今に集中させる 1、思考を観察する。 頭の中で何度も繰り返される言葉に耳を傾ける。 批判をせずにその声をただ聞いてみる。 すると、ひとり言をする声があって、それを聞き観察しているほんとうの自分がいるという感覚がわかってくる。 本当の自分の存在に気づくと、意識は新たなレベルに達する。 2、意識を100%今に集中させる たんなる手段として行っている動作に全意識を集中させる。 階段をのぼりおりするときに、呼吸や一歩一歩の感覚に全意識を集中させる。 手を洗うときに、水の音、水が手に触れる感覚、石鹸の香りなどのすべての感覚に意識を向ける。 このエクササイズがうまくいくと平安の度合いが深まる。 ----- 第3節 「さとることは」は「思考を超えること」 Enlightenment: rising above thought 中毒とは自分で止めることができない現象。 コントロールできない思考は中毒と同じ。 生命エネルギーを無駄に使っている。 思考力によって自分のアイデンティティを確立しているので、思考活動におぼれてしまう。 思考が止まると生きている意味がなくなると思っている。 エゴ 「思考を自分と同一視することでつくられる『にせの自分』」 エゴにとって「今、この瞬間」は存在しない。 エゴにとっては過去と未来がすべて。 思考力重視は人間の意識が進化する過程の一つの段階にすぎない。 意識がなくては思考は生まれないが、思考がなくても意識は存在する。 思考を自分だと思う状態から抜け出して、意識そのものが自分であると気づくことがさとり。 ----- 第4節 感情の正体は、思考活動がからだに反映されたもの Emotion: the body's reaction to your mind 感情は思考の状態に応じた身体の反応。 好き嫌いを言う、判断を下す、解釈する、などの思考活動を本当の自分だとみなしているほど、感情エネルギーの消費量が大きくなる。 感情を無視していると、それが病気や事故、人間関係のトラブルなどの形で表面化してくる。 感情がよくわからないときは、身体の内面のエネルギー場に意識を集中させる。 感情も思考と同じように、あるがままに観察することが大切。 どんな感情も、名前のない、ある原始的な感情のバリエーション。「自分とは何なのかわからない」という感覚が原因。痛み。 思考はその痛みを取ろうとするが、思考そのものが痛みの原因。 感情は思考と同じく両極性の法則に左右されているので、悪のない善は存在しない。 本当の「愛」「喜び」「平和」は感情よりもさらに深い場所にあり、二元性を超えていて、対極に存在するものがない。 自分の感情を完全に自覚できなければ、「愛」「喜び」「平和」を感じることはできない。 思考を本当の自分だと思い込んでいる間は痛みから解放されることはない。ただ今この瞬間を生きること。思考を観察する人になること。 |