音楽が好きです。聴くのも好きだけれど、音を出すことが好きです。一人で演奏するのもいいけれど、何人かで一緒に音を出すことが大好きです。
何人かでいっしょに、あまり細かい約束ごとを決めずに演奏することを「セッション」と呼ぶことがあります。お互いに相手の音をよく聴いて、それに反応しながら音を出していきます。お互いのエネルギーをよく感じて、あわせるところはあわせ、自分を主張するところではしっかりと主張していきます。
他の人の音に触発されて、一人では思いもつかなかったリズムやメロディーが自分の中から生まれてくることもあります。お互いの相互作用の中で、これまで眠っていた新しいものが引き出されてきます。
演奏の技術的なテクニックの問題もありますから、全然約束なしでやるのは、わたしにとってはちょっと難しいですが、次々変化していくエネルギーを感じながら、流れにのっていく感覚がとても好きです。
セラピーを行うとき、その1回のセラピーを「セッション」と呼ぶことがあります。「セッションを受ける」「セッションを行う」そんなふうに言います。
セラピーを受ける人とセラピストがお互いのエネルギーをよく感じとり、お互いに反応しながら、言葉をかわしたり、黙っていたりします。
一人では思いつかなかったような言葉や感覚がやってくることがあります。心の中に眠っていた新しいものが引き出されてきます。
その感覚が、わたしはとても好きです。(【まほろば通信】vol.91掲載2003/01/18)