心や身体にいつもと違う感覚があらわれてきたらどうします?それが、気持ちいい感覚であれば、それを楽しむこともできるかもしれません。でも、いやな感じだったり、はっきりとした痛みだったりしたときはどうでしょうか。
そんなとき多くの人がとる行動は、その感覚を自分を攻撃する何かだと考え、それにできるだけ触れないようにしたり、それを早く取り除いてしまおう、とするものでしょう。具体的には、そのことを考えないようにしたり、たいしたことではないと考えたり、薬で症状を取り除こうとしたり、場合によっては外科的な手術で問題を取り除いたり。
もちろん、身体の不調が気になる場合はまず医師の診断を仰いで下さい。その上で、原因のはっきりしない慢性的な不快感や痛み、あるいは心理的な違和感が消えないのであれば、これまでとは少し違うアプローチが必要かもしれません。
わたしは、そのような心と身体の違和感は、自分という存在の奥深くから届けられる変化へのメッセージだと感じています。
メッセージが届けられ始めた早い時期に、そのメッセージの意味に気づき、それに従った行動を取り始めた人の人生は、おだやかに新しいステップへと進んでいくことでしょう。
一方、さまざまなメッセージが何度も何度も手を変え品を変え届けられているのに、それに全然気がつかない人もいます。いえ、もちろん全然気がつかないということはないでしょう。うすうすわかっているけれど、そのことを考えないようにしたり、気がつかないふりをしているだけだと思います。
なぜなら、そのメッセージをしっかり受け取るということは、今の人生の何かを手放し、新しい世界へと足を踏み出していくということですから、不安や恐れを感じるからなのです。
そもそも、そのメッセージそのものも、一般的に見ると「否定的」なものとして感じられる感覚としてやってくることが多いです。微妙な不安・恐れ・落ち着きのなさ、人間関係のトラブル、身体的な軽い痛みや違和感など。その上、そのメッセージを感じることそのものに恐れや不安を感じるとしたら、それを認めたくないのも仕方ないかもしれません。
でも、もしあなたが、今よりももっと楽な人生、もっと充実した人生を求めているならば、その「否定的な感覚」ことがあなたを新しいステップへと導いてくれる大切なパートナーになることを意識して下さい。
起こることにはすべて意味があります。
否定的な現象の中にある肯定的な意味を感じとっていく能力。これは本来、誰の中にもあるものです。心を開いて世界をしっかりと感じ取っていけば、あなたはこの能力を十分に使い、今とは違う生き方を見つけていくことができるでしょう。(【まほろば通信】vol.97掲載2004/01/19)