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義母のこと


最近はブログでもいろいろな文章を書いています。「心の癒しと意識の目覚めのために」もご覧下さい。

本日、義母の葬儀を終えました。

88才までは生きたいと言っていた義母。満年齢では少しだけ足りませんでしたが、今年数え歳では88才となり、市からの米寿のお祝いもいただくことができました。

数年前からの病気もありましたが、医者が驚くほどの生命力で元気に生きてきました。しかし、今年の夏からは体力が弱ってきて、ほとんど寝たきりで入退院を繰り返すようになり、11月初めに入院してからは家に帰ることなく12月18日に息を引き取りました。

いっしょに暮らし始めた3年前、地元の方言で話す義母の言葉は、わたしの耳にはほとんど外国語のように聞こえましたが、しばらくすると内容の半分以上はわかるようになりました。わたしの作るカレーがとても好きで、わたしのことを「とてもやさしい」と言って慕ってくれた義母。その義母の死は、わたしがこれまでに体験した近親者の死とはかなり違う感触で、わたしの心の非常に深いところに触れています。

死ぬことは新たに生まれることでもあります。義母が今どんな新しい世界に生まれい出ようとしているのか、わたしにはわかりませんが、にぎやかなことが大好きだった義母の遺言通り、多くの親類縁者たちが集い、交流する姿を見ていると、この死をきっかけにして一人一人の心の中に何か新しいものが生まれていく様子がはっきりと感じられました。

義母との交流の中からわたしの中に生まれた「何か」をこれから大切に育てていくことが、義母への供養になるのだろうな、と感じています。

【まほろば通信】vol.101掲載2004/12/20)


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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2005/04/29