最初にも書いたヒプノセラピーの他、3月半ば頃から、箱庭やカウンセリングのセッションのご希望が急に増えています。社会全体がそういう時期に来ている、ということもあるし、わたしの中の何かがそれを必要としている、ということもあるでしょう。
多少のとまどいとともに、わたしのこれまでの知識と体験が多くの人にとって役に立つものであることを確認できて、嬉しい気持ちもあります。そしてそれ以上に、「わたし」というものを媒介にして流れていくエネルギーを感じることは、とても心地良いのです。
そんな中で、ご自分でもセラピーやカウンセリングをやっていきたい、という方のご相談を受けることがよくあります。わたし自身の過去を思い出しても、その気持ちはとてもよくわかります。
しかし、人を癒す仕事、というのはとても逆説的なものです。また、それはさまざまな意味で「縁」がないとできない仕事なのです。
わたし自身の体験では「人を癒すことを仕事にしたい」と強く思っているとき、というのは、結局のところ「自分自身に癒しが必要なとき」なのです。そのことに気づいたとき、さらに深い心の旅が始まります。
まずは、自分自身の内面に目を向け、自分自身を探るプロセスを進めていく。その中で多くの人やものに出会い、この世界への気づきを深めていく。
そのプロセスがある段階まで来たとき、もしそれがあなたにとって必要なことならば、人を癒すことが仕事として「与えられる」でしょう。もしそうでなくても、あなたは、この世界を癒す役割を持つ人として、日々の生活の中でその力を発揮していくはずです。
今できることは、今あなたのまわりにある「縁」を大切にしていくことだけなのです。(【まほろば通信】vol.41掲載2000/04/09)