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身体に還る


●身体に還る〜その1

 先週「身体の感覚が大きく変わってきている」てなことを書きました。10年前の旅の始まり以来、意識が大きく変わるときは、同時に身体の感覚、自分がここにいる感覚の大きな変化が、かならず起こっています。

 一般に「心と身体は一つ」とはよくいわれますが、みなさんはどんなときに実感しますか?職場や学校でいやなことがあったときに、頭が痛くなったりお腹ががいたくなったりする、というのもまさしくそうですね。恐ろしいことがあったときに、身体がこわばる、なんていうもあります。そういうときには、身体のその部分の感覚をよく味わってみて下さい。しっかり感じることが、それを手放すことになります。

 一方で、もっと肯定的な方向で実感することもあります。このところわたしがしばしば感じるのは、身体がゆるんでいくとき、身体にあるエネルギーのブロック(流れが滞っているところ)が解放されていくときに感じる、ある種の爽快感、身体が軽くなる感じです。この感覚は、以前はもっと頻繁にやってきていて、突然重いコートを脱いだように感じたり、自分でもおどろいたのですが、急に身体が浮き上がりそうに感じて、あわててそばにあった手すりにつかまったりしたこともあったのです。

 前にもちょっと書きましたが、現在私の身体で特に問題を感じるのは肩から背中にかけての部分です。背中が張っている感じや肩のこりが長年続いていました。ところが最近布団の中で寝返りをうったり、意識的に首や肩を回したとき、以前には感じたことのなかった、身体の深い部分がパキパキ音をたてて、そこに呼吸が流れこんでいくような感じがするのです。

 瞑想するときに、深く呼吸をして、身体全体が風船のようにふくらんでいくのをイメージする、という方法があります。そのとき、ブロックがある部分にはなかなか呼吸が入っていく感じがしません。背中や首筋は、エネルギーが背骨を通って上昇していくときの通路になる部分ですが、わたしはそこが詰まっていたわけですね。

 それともう一つ、お腹に力が入っているのをよく意識するようになりました。意識することができれば、それをやめることができます。肩のこりにしても、実は無意識に、自分自身で肩を緊張させているのですね。気づくことができれば、それをやめることもできるのです。

 こういうことを考えるにつけ、昔の私は頭の中だけで生きていたのだなー、とつくづく思います。身体を完全に無視していたのです。それでも、20才ころの私は、精神的な苦悩が身体的なものと関連しているなんてことは思いもよらず、何かを求めて難しい哲学書を読みあさっていたのでした。

 その後、自分に身体がある!ということに気がついたときは、ほんとびっくりしましたよ。(^_^)

 オイルマッサージやアロマテラピーに興味を持ったのも、このあたりからなのですが、この辺の詳しいお話はまた次回。

(1999/07/01)

●身体に還る〜その2

 このところ、また身体に意識が向いています。それはすなわち内面 に意識が向いているということ。

 さて、アロマテラピーやオイルマッサージに興味を持つようになったのは、今から10年程前、はじめて「ワークショップ」と呼ばれるものに参加したときからです。一般的には「ワークショップ」とは「体験学習」のことで、知識を学ぶだけでなく、自ら体験しながら、主にグループ形式でいろんなことを学んでいくグループのことをいうようです。

 私が当時頻繁に参加していたワークショップは、自分や世界に対する気づきを深めていくための実習をグループで行っていくようなものでした。ブレスワークやさまざまな瞑想法などのいくつかの実習の中に、オイルマッサージの実習がありました。

 当時はまだアロマテラピーは今のようなブームが始まる少し前で、私自身も「どこかで聞いたことがあるなぁ。なんか、いい香りのするオイルでマッサージをするらしいぞ。」という程度の認識しかありませんでした。〜ブレスワークについては書きたいことが山ほどあるのですが、これはまた次の機会にします。

 そこで習ったオイルマッサージというのは、アロマテラピーのセッションを受けたことがある方はわかりやすいと思いますが、エッセンシャルオイルは使わずに、マッサージ用のベースオイルだけでマッサージするものです。

 なんでこのワークショップの中でマッサージを習わないといけないの?もっと昔の私だったらそう思ったかもしれませんね。でも、そのときすでに、前号で書いたように、私は「自分に身体がある」ということに気がついて、とてもおどろいた体験を持っていました。世界を認識するということと、身体を感じるというということが深く関連しているということを、うすうす感じていたのだと思います。

 さて、はじめてのオイルマッサージ体験はというと、、、実はあんまりよく覚えていないのです(^_^;)。もしかしたら眠ってしまったのかもしれませんね。しっかり覚えていることといえば、次にいつこの体験ができるのだろう、と思ったということです。すっかりはまってしまったのでした。

 私は触れられたり触れたりするのがひどく苦手な人でした。やさしく触れられるということは、あなたはあなたのまま存在していていいんだよ、ということを伝える一番直接的なメッセージです。そういう体験が、私には不足していたのかもしれません。

 それから少しして、はじめてプロの方のマッサージを受けたときのことは今でもはっきりと覚えています。60分と90分の二つのコースがあって、最初は60分コースでお願いしていたのですが、あまりの気持ちよさに途中で90分に変更してもらいました。

 終わった後、私はそれまでに感じたことのない空間の中にいました。ときたま瞑想中に非常に深く入っていけたときに感じるような、思考が完全に止まった静寂。

 普段、この状態を感じたくて一生懸命に瞑想し、思考と思考のほんのわずかのすき間を感じとろうと、思考に注意を向けることばかりにエネルギーをついやしていたのに、同じことが、身体を感じることでこんなに簡単に起こるなんて、、、。

 このような体験から、瞑想をやっている方には、ぜひアロマテラピーのセッションを体験して欲しいと思うのです。瞑想に興味のある方の多くは、頭の中で起こることにばかり意識を集中することで、神の住処であるこの「身体」の存在を忘れている方が多いのです。

 ただ、気持ちいい、で終わることもあると思います。それでもかまいません。身体はそして無意識はその感覚をずっと覚えています。これまでの経験では、瞑想をしたり、普段から内面に意識を向けている人ほど、マッサージ中に深い体験をしたり、身体がピクピク動く、などの反応が出たりします。普段、そういう体験に慣れていない方ですと、ちょっとびっくりする方もいますが、その体験そのものを楽しんでほしいと思います。

(1999/07/08)

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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2000/03/02