夢を見た。

中小のビルに囲まれた昼下がりのサッカー場の脇にいた。
まるで、札幌の大通公園の一角をピッチにしたようだ。

片方のチームは、自衛隊のような迷彩色のユニフォーム。
というより、そのもののようだ。

何か変だと気付いた。
『これは夢だ・・・』

ピッチの反対側に懐かしい顔を見つけた。
『宇野裕! あいつ、まだ県議やってるのかな?』

歩いて行って話をした。
近くの大学に用事があり、たまたま立ち寄って見ていたとのこと。

『そういえば、ノウは高校の頃サッカー部だったなぁ。』
後で大学で落ち合うことにして、その場は分かれた。

フラフラ歩いていると、大学の頃にバイトしていた喫茶店「さいくる」の前に出た。
当時とは店の造りが違うが、雇われ店長のコジマさんの顔がドアのガラス越しに見えた。

この通りは、卒業後に何度か訪れていて、その喫茶店が無くなっていることを知っている。
『やっぱり、夢だ。』

さいくるに入るが、やはり店内は昔と違う。
まるで昨日までバイトしていたかのように、コーヒーを注文する。

コジマさんと世間話をして、コーヒー代を払う。
「税込495円だけど、500円ちょうだい。いろいろ面倒くさくてね。」

『意味が良く分からないなぁ、やはり夢だ。』
小銭入れには、やけに白っぽい500円玉があったので支払って外に出る。

コーヒーを一杯飲んだだけなのに、もう夕方になっていた。
『早く大学に行って、ノウと会わなくては・・・』
『でも、どこの研究室に用事があるのか聞いてなかった・・・』
『あっ、この道はウシロヂ堂のある通りだ。』
『あれっ?さいくるは正門側なのに、こっちは裏門側じゃん?』
『夢って、面白いなぁ』

目が覚めた。

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