私の「コンピュータ」履歴書 No.12

M1の暇な日々


とにかく、M1(大学院修士1年)は、論文を書かないといけないわけでもないし、特に期限を決められて何かをやらないといけない、ってのもほとんど全く無かったし(私が行っていた研究室の場合)、講義には出なくても名前を書くだけで何故か単位が貰えたし、まあいろいろと遊べた時期でした。
コンピュータ関係以外でも、いろいろな装置を触れたので、研究をやっているんだか、遊んでいるんだか、よく分からないままに1年が過ぎた、という感じでした。
工作機械と材料や部品がいっぱいあったので、遊びで(こっそり)いろんなものを作って見たりもしました。NS74xx(でしたっけ?)なんかのTTL ICで、訳のわからない回路を組んで悦にいったり、家でつかうスピーカ台を作ったり(←さすがに、材料は自分で買った)、まあくだらないこともやっていました。

さて、コンピュータ関係ですが、研究室では、(先日休刊してしまった)「bit」を定期購読していて、これは私もよく読んだ記憶があります。とは言え、なにせ、私が行っていたのは物理学科、専門的にコンピュータ関連を学んだことも無いわけで、読んでもよく分からん、ってのも多かったですね。
余談ですけど、コンピュータ関連を専門的に学んでいない、ってことに関して、私はずっと引け目を感じているわけでして、実際のところ理論的な話が出たりすると、分かったようなふりをしながら、実は何も分かってなくて…なんてこともあったりするわけでして。だいたい、その程度の知識の人間が、こんなところでエラソーに何か書くのはいいんだろうか、などとも思っちゃったりするわけで…まあ、何が言いたいかというと、そういう専門知識が無い人間なので、間違いがあっても大目に見てね、というような、言い訳でもしておこうかな、などと。
余談はともかく、今のようにインターネットを利用して情報が簡単に取れる、というのと時代が違って、本や雑誌からそういった情報を得るしかなかったわけで、「bit」などを(読んでもよく分からないところも沢山ありましたが)読んで、そういった方面に触れていたわけです。

で、噂によると、研究者の間では、(今は亡き)DECのVAXとかいうコンピュータがよく使われていて、OSには、そのDECのVMSというOSより、UNIXとかいうOSがよく使われている。また、そこではC言語と呼ばれるプログラミング言語が一般的に使われている、というような話を聞いたわけです。
で、自分でも使って見たいなあ、と思ったりしたわけですが、そこは何せ理学部。工学部あたりに行けばあるかもしれない、UNIX環境も、UNIXが動くコンピュータも無かったわけで、雑誌や本をみて「ふーん、便利そうなOSだなあ」と思うのが精一杯でした。
C言語については、PCで動くC言語処理系が出始めた頃だったので、それは買ってもらった記憶があります。製品名は何だったかなあ…何せ買ったはいいけど、文法を勉強している暇も無かったから、インストールしただけで、全然動かさなかったので ←単なる無駄遣い。

他にもM1の頃にやったことと言えば、REDUCEというLISP上で動く数式処理システムを、メインフレーム上で動かそうとしたことでしょうか。結局時間が無くて、私がその研究室を出るまでに、動かすことは出来なかったのですけど。
REDUCEって、今はどうなっているのかなあ、と検索して見たら、まだそれなりに使われているみたいですね。
私の行っていた研究室、一応物理学の研究室だったわけで、研究で数式をいじったりすることも結構あるわけですけど、これってコンピュータでやらせるのはなかなか難しかった、というか、今でも難しいわけです。で、風の便りにREDUCEというシステムがあって、それなりに使えるみたい、という話を聞いたので、試しに入れてみることにしたわけです。
で、REDUCEのソース自体は、ある教官が手に入れてきたのですけど、問題はそれを動かすLISP処理系。こいつをどうやって動かすか、というあたりで、私はM2になっちゃいまして、時間切れで、その仕事を手放してしまいました。あのあと、どうなったんだろ? ちゃんと動いたのかなあ。

というわけで、単に遊んでいたとも言えるM1時代でした。大学は一応国立だったので、税金の無駄遣いと言われれば……はい、すみません、そのとおりです。

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