新・闘わないプログラマ No.80

Macintoshはどうしようか


今までにも何度か書きましたけど、私、一応Macintoshユーザです。家では5年くらいMacintoshをメインに使っていました。「一応」と書いたのは、最近はほとんど電源も入れていないからです。私が持っているのって、PowerPCのやつじゃなくて、その前の68kのCPUのやつなんで、さすがに今では遅すぎて、ちょっと……なのです。
私がMacintoshを買ったのは、今から7年ほど前、日本ではPC-9801が全盛、Windowsはまだ使い物にならず(「WindowsはExcelのローダだ」などと陰口をたたかれていたころ……Excel以外にまともなWindowsアプリケーションが無かった)、みんなDOS上のアプリケーションを使っていた時代でした。
そもそも、なんでMacintoshを買ったか、というと、これはもうPhotoshopを使いたかったから、これに尽きます。当時、一般人に手が出る価格で、フルカラーでフォトレタッチが出来るコンピュータって、Macintoshしか無かったんですよね。私が買ったQuadra700、スペックは、CPU 68040 25MHz、メモリー 20MB、HDD 240MB、VRAM 2MB(832x624フルカラー)、ってなところです。PC-9801では夢のまた夢だったフルカラーでの画像処理が出来るスペックでした。

実は、私の買ったMacintoshって、これ1台だけだったりします。私が買ってから、私の周りでは何人もの人間がMacintoshを買っているのですが、みんな何台も買っているんですよね。私だけです、1台しか買っていないのって。
まあ、理由はいろいろあるんですけど、PowerPCのやつが出るまでは、私の買ったQuadra700の性能を大幅に越える製品がでなかったこと、PowerPCのが出てからも、それなりにそこそこ使えた、というのがあります。もちろん、他の方にお金が廻ってしまっていて……という理由もありますけど。そもそも、私はあまりパソコンって買い換えたりしない方なので。ベンチマークテストとかやらないし。
でも、さすがに今となっては性能面でかなり劣るようになってきて、使う頻度がかなり下がってしまいました。新しい奴が欲しいなあ、とか思っていることはいるのですが、何せ先立つものが無い。

私自身、今のMacintoshに、以前ほど魅力を感じなくなってしまっています。私がMacintoshを買った頃には、非常に魅力を感じたのですが、今はそれが無いんですよね。当時、Photoshopでフルカラーの画像処理が出来る、この一点だけでもMacintoshの存在価値があったんです、少なくとも私にとっては。洗練されたユーザーインターフェースとか、筐体のデザインとか、そんなものもありましたけど。
そんなことを思うと、今、Macintoshでなければいけないこと、Macintoshのアドバンテージ、ってほとんど何も無いんですよね、残念ながら。
フルカラーの画像処理だって、今やPCでも何ら問題なく出来る。Photoshopも、version 3.0のWindows版はMacintosh版と比較してすごく遅かった印象があるのですが、version 4.0以降はそんなこと無いし、GIMPなんてのも最近はありますよね。ところで、話は逸れますが、このGIMP、GNUのフォトレタッチソフトなんですけど、私なんかは「GNUのフォトレタッチソフト」ってのに違和感を感じてしまいます。使ってみた感じではPhotoshopのコピーのようなソフトだし、GNUでやるようなものなのかなあ……とか。まあ、考えてみればGNUのソフトでオリジナリティのあるのってほとんど無い(もしかしてemacsだけ?)し、違和感を感じちゃうほうが変なのかも知れませんが、でも何故かそんな印象も持ってしまいます。
すみません、話が逸れてしまいました。フルカラーの画像処理の話に戻りますと、ソフトの話以外にも、今ではPCの方がビデオボードの選択の余地も大きいし、値段も安いですからねえ。
CPUにしても、x86アーキテクチャ(って最近は言わないのかな?)のCPUを使っているPCより、PowerPCを採用しているMacintoshの方が価格性能比の面では有利なはずなんですけどねえ、教科書的には。そう言えば、初代iMacの時の宣伝で、PowerPC G3 233MHzは、Peutium II 400MHzより早い、ってAppleが言っていましたけど、ペンチマークテストはともかく、実際のアプリケーションでは全然そんなことない、って話でしたよね。結局、量産効果と、競争の有無(あちらさんは、IntelとAMDが激しい争いを繰り広げていますからねえ)なんかのせいで、価格性能比でも取りたててアドバンテージが無いですよね。
それから、OS、これが一番の問題だったりして。ユーザーインターフェースは、総合的に見れば、今でもMacOSの方がWindowsよりずっと優れているとは思いますし、システム管理の面でも優れているのは確かです。Windowsは、問題が起きたら再インストール、ディスクを交換したら再インストール、何かあるたび再インストール、ってことで何かある毎に再インストールしないといけませんけど、MacOSの場合、それは無いですから、その点は優れていますよね。MOかなんかにハードディスクのバックアップを取っておいて、それを戻せば終わりですから。私なんか、Windowsのインストールはどんなに少なく見積もっても100回以上やっているのに対して、MacOSのインストールって、どんなに多く見積もっても10回はやっていないです。
ですから、そういう面で見ればMacOSは優れているのですが、これの最大の問題点は、何度も言い尽くされているように、カーネルの設計が古すぎる、これです。Coplandをはじめとして、カーネルを新しくしようとして失敗していますよね。今度のMacOS Xが失敗したら、もう終わりでしょうねえ。でも、あまりにも頻繁に方針が変わるから、どうもユーザとしては信用ができないというか、そんな気持ちになってしまいます。
で、結局いまのMacintoshのアドバンテージって、デザインくらいなんでしょうか。でもなあ、デザインだけじゃあねえ。iMacは、あれはあれでいいと思うんですけど、でも新しい5色のやつ、色が派手すぎません? もうちょっと渋めの色にして欲しいと個人的には思います。最初に出た「なんちゃらブルー」とかいうやつ、あのくらいがちょうどいいなあ。
デザインと言えば、タワー型の方、あの取っ手は要らないなあ、とか思っちゃいます。筐体自体はちょっとちゃっちい感じがしないでも無いですけど、まああんなもんでしょうか。ただ、CD-ROMドライブのところがちょっと安っぽい。青色の蓋の後ろに普通のクリーム色のCD-ROMドライブが隠れているやつ、CD-ROMドライブのフロントパネルを青色に出来なかったのでしょうか? iMacはそうやっているんだから、出来ないことはないと思うんですが……まあ、コストとの兼ね合いかな。

なんか、文句ばかり長々と書いてしまいましたけど、Macintoshにもそれなりに頑張ってほしいな、などと思っているわけです。私もお金があれば新しい奴を買いたいところではあるのですが(でも、ノートパソコンの方がガタが来ているので、そっちが先?)。
もし買うのなら、タワー型のやつの一番安いのあたりですね。でも、本体と、SCSIインターフェースと、メモリーと、フロッピーディスクドライブも一応あったほうがいいな、などと考えると結構なお値段になってしまいます。まあ、それでも7年前に買ったMacintosh Quadra700の値段の1/4だったりしますけどね。

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