新・闘わないプログラマ No.74

いま欲しいもの


いま、家でこうやってこのコラムを書いているのですが、インターネット(というかWeb)に気兼ねなくアクセスできる環境が欲しいですね。私のコラム、最新の話題について、Webなどから情報をいっぱい取ってきて、というのが無いのは、実はダイヤルアップでインターネットに接続するのが面倒だ、とか、お金がもったない、とか言うのが理由だったりするんですね。
職場は、インターネットへは専用線接続で簡単に使うことが出来るので、それに比べるとダイヤルアップって、なんか億劫に感じてしまうのも事実です。やっぱりインターネットは常時接続環境じゃないとなー、などと思ってしまうわけですね。もちろん、メールだけならダイヤルアップでもさほど不便に感じませんし、事実、いまはそうやっていますけど、Webはちょっとね、という感じです。調べたいときにすぐに調べられないと。
もちろん、テレホーダイにするとか、ダイヤルアップルータを置くとか、接続を簡単にしたり、料金を安くしたり、とかいう方法も無いではないですが、でもなんか違うんですよね。
現時点で、常時接続環境で一番安く上がる、っていうとやっぱりケーブルテレビあたりなんでしょうか? でも、うちのとこのケーブルテレビの会社、そんなサービスやっていないし。ところで、私よく知らないのですが、この手のインターネット接続サービスって、IPマスカレード(1つのIPアドレスを複数のコンピュータで共用するための方式の一種)とか使っていたりするんでしょうか。まさか契約者全部にIPアドレスを渡すことが出来るだけの余裕は無いですよね。常時接続と言っても、IPマスカレードだとこっち側にサーバーは置けませんですね ←いやそんなに必要性があるわけじゃないですけど、常時接続だと自分のところにWebサーバーとか置きたくなるじゃないですか。
となると、次善の策はOCNとかになるんでしょうかね。でも、さすがにこれだけのために毎月4万円は出せません。結構、個人で引いている人、多いようですけど、すごいですねー。年間の維持費が50万円ですからねー。月1万円くらいまで下がれば魅力的なんですけど。

ところで、インターネット常時接続、という話の絡みでよく出てくるのに、テレホーダイ24時間化がありますよね。この話題、出ては消え、消えてはまた出、また最近大きな話題になっているようです。私、このテレホーダイのようなサービス、インターネット接続環境として使うのは、あんまり魅力を感じていない、というか、なんか違うんじゃないかな、と思っています。
電話回線やらINS-Cやらのように、ダイヤルアップ接続を行うような接続方式を「回線交換」と呼びますけど、これは基本的には常時接続(というか長時間接続と言った方がいいか)には向いていない、もしくは、通信事業者側にコストがかかりすぎるんですよね。もともとテレホーダイは、通信設備の空いている夜間に、どうせ空いているんだから使ってもらおう、という意図があったわけです……などと書くと、アメリカあたりじゃ24時間やっているじゃないか、という反論が来そうですが、向こうは昔からやっていますからね、ちょっと事情が異なると思います。
とにかく回線交換網を、インターネット接続のための基盤として使うのはあまり好ましいことじゃない(それは通信事業者にとってはもちろん、利用者にとっても)というのはよく言われている話なわけで、テレホーダイ24時間化というのはいまさらやっても仕方がないのではないか、時代に逆行しているのではないか、と思うわけです。今のまま、テレホーダイ24時間化が実現したら、固定料金のプロバイダのアクセスポイントはいつも「お話中」になるか、従量料金制に移行してしまうか、どっちかでしょうね ←結局ほとんどの人にとって便利にはならないような気がします。

「回線交換」と対比できる言葉に「パケット交換」というのがあります。このパケット交換は基本的に常時接続で、インターネットの重要な基盤になっているTCP/IPというプロトコルと親和性があります。そもそもTCP/IPはパケット交換網をベースに開発された、とかなんとか、そんな話があったような気がしますけど……すみません、忘れました、だれか教えてください。
あまり一般的に使われていないので知らない人も多いのですが、NTTのISDNサービスには、INS-Cと呼ばれる回線交換の他に、INS-Pというパケット交換のサービスもあります(付加料金がかかりますけど)。
パケット交換は常時接続だし、TCP/IPとの親和性も高い、しかもいまあるISDNの回線で使える、これはもしかして理想的な接続方式ではないだろうか、と思う人がいます。NetNewsとかどこかの掲示板あたりを眺めているとそう主張している人を時々見かけます(この間も、NetNewsで見かけたなあ、あの人、もっと技術的なこと詳しいと思っていたんだけどなあ)。でも、これは今となっては無理です。何せ遅いです。回線速度は64kbpsあっても、伝送遅延が大きいためなどの理由で、スループットが悪すぎます。Webを見るような用途では、実用にならないと思ったほうがいいでしょう。
パケット交換が遅すぎて不便なので、これを改良したのがフレームリレーと呼ばれるもの(ちょっと語弊がある言い方ですが)で、OCNはこれを使っているんでしたよね。こっちならまだインターネットでも使えます……というか使っていますから、それなりに実用的ではあります。

たまには技術論的なものも書いておかないと「こいつ、実は何にもモノ知らないんじゃないのか?」と言われそうなので……でも、こういう話題は反論がありそうで恐いな。
まあ、いずれにしましても、速度は速いことに越したことはないけど、とにかく常時接続で、そこそこの値段での接続サービスがあれば、すぐにでも契約するんだけど。そうすれば私のコラムももっと時代の最先端を行くようなすばらしいものになるはず(反論禁止(^^;))なんだけどなあ。

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