新・闘わないプログラマ No.39

別の話


週末にWindows98が発売されたようですが、とりあえず私自身買う予定も無いし、先週もちょっと話題にしましたし、どうせ他の人たちが取り上げるだろうと思いますので、今回は「別の話」です。

ということで、今回はUNIX、それもPC UNIXのことを取り上げようかな・・・と思います。
先日、ノートパソコンのハードディスクを大容量のやつと交換して、いい機会なので、今まで入れていたLinux(Slackware 3.1)を新しいやつにしようと思いたちました。で、同じSlackwareを入れるのもつまらないし、Debian 1.3が入っているCD-ROMが入手出来たので、これを入れてみることにしました。
ちょっとだけ解説しておきますけど、LinuxはUNIX互換のフリーのOSですが、真の意味でのLinuxというのはカーネルというOSの中核部分だけを指しています。これに沢山のコマンド(プログラム)やらウィンドウシステムやらインストーラやらを付けて、ディストリビューションという形で(無料もしくは有料で)配布されています。これにはSlackwareとかRed HatとかDebianとかがあります。
Slackwareはどちらかといえば原始的なインストーラしか付いていませんから、以前にインストールしたときには結構苦労した記憶があります。ノートパソコンの場合はPCカードとかありますから、なおさらです。で、今回はソフトウェアのパッケージ管理ができて、画面でソフトウェアのインストール/アンインストールが選択できる、といううたい文句のDebianを入れてみることにしました。
基本的なインストールはインストールマニュアルに書いてあるとおりにやってゆけばよかったので、全く問題はありませんでした。私のノートパソコンの場合、CD-ROMはPCカード接続なのですが、インストール時にはこれが使えないので、CD-ROMの内容をあらかじめハードディスクにコピーしておく必要がありましたけど、それはそういうもんだと思えば、別に苦にもなりません。
ところが、アプリケーションのインストールのところで躓いてしまいました。話によれば、dselectで自分の入れたいアプリケーション(パッケージ)を選択して行けばいいだけだから簡単だよ、パッケージ間の依存関係とかもちゃんと調べてくれるし、ということなのですが、これがそう簡単ではなかったのです。何せ、表示されるパッケージの数が異様に多い。いつ果てるとも知れないパッケージリストを繰っていくのは、けっこううんざりします。だいたい、自分の入れたいやつがどれで、それがどこにあるのか・・・文字列検索は出来るが、パッケージ名を知っていないと使えないし。そこをなんとかパッケージを選択してインストールを実行すると、なぜかインストールエラー(;_;)
あと、PCカードを使うためには、pcmcia-csというソフトが必要なのですが、これがなぜか起動時に異常終了してしまうのです。まぁ、これは新しいバージョンのやつを取ってきて入れれば動くかも知れませんが、そんなこんなで2ヶ月くらい放っておいてました。なんか、私はDebianと相性が悪いみたい(^^;)

が、先日どうしても必要に迫られて、Linuxを入れざるを得なくなりました。Slackware 3.1なら実績はあるのですが、さすがにこれはもう古いので、Slackwareの新しいやつを入れることにして、近所の書店でCD-ROMが付いている雑誌か本を探したのですが、あいにく見つかりませんでした。
そんなとき、TurboLinux 2.0のパッケージが山積みされているのを発見しました。
「こ、こんな田舎の書店にまでLinuxのパッケージが・・・・」
TurboLinuxはLinuxのディストリビューションの一つで、日本語のインストーラが付いてきて非常に簡単にインストールが出来るらしい、という程度の知識しかなかったのですが、値段も高くないし、試しに買ってみることにしました。「駄目なら、Slackware 3.1をまた入れればいいさ(^^;)」
家に帰って早速インストールを始めたのですが、なんとPCカード接続のCD-ROMからインストール出来ることを発見、インストール自体はものすごく簡単に終わってしまいました。Xサーバーだけは、NeoMagicの絡みでまだあまりうまくいっていませんが、ネットワークもPCカードを挿すだけで簡単に認識したし、Samba(Windowsとのファイル等の共有機能)やNetatalk(Macintoshとのファイル共有機能)もそのまま使えたし、これは楽ですね。前にSlackwareを入れたときには、これらは皆、設定ファイルを書き換えたり、makeしたり、結構手間をかけたように記憶しています。
実は、TurboLinux自体は前(といってもTurboLinux自体、出てからまだ1年経っていませんよね)から知っていたのですが、どちらかというと馬鹿にしていた、というかそういうところがありました。やっぱりUNIXのインストールと言ったら、いろいろコマンドを駆使したり、vi(emacsにあらず)でファイルを書き換えたり、makeしたり、とか、そういうもんだという固定観念がありました。でも、やってみるとやっぱり楽な方がいいですね。こういうのもアリだ、と思うようになりました。この方向に進むなら、もっと楽にインストール(と設定)が出来るよう目指してもらいたいものです。

私がPC UNIXを最初にインストールしたのは、PC98版のMinixでした。その後「UNIX USER」という雑誌の1994年1月号(手元になぜか残っていた)に付いてきたCD-ROMからFreeBSDを入れたりしたこともあります。当時はまだネットワークカードは持っていなかったので、スタンドアローン環境でしたが。この時の「UNIX USER」のCD-ROMには、FreeBSD 1.0 / NetBSD i386 0.9 / Linux (SLS 1.03)が付いてきて、当時は結構話題になりました。
それからもう5年くらいの歳月が過ぎましたが、ここにきてWindows(特にWindowsNT)に替わる選択肢として非常に脚光をあびるようになってきたわけです。今まで弱かったデータベース(DBMS)の分野でも、フリーのRDBが今でもいくつか使えますし、InformixがLinuxのサポートを表明したそうですしね。それにOracleもそういう噂が流れている(意図的に流されている?)ようですし。
そういう意味では、やっとPC UNIXも仕事で使える環境が整ってきたな、という感じがします。もちろんインターネット関連のサーバーとしては今でも全然そん色無い働きが出来るのですが、それ以外の分野、特にデータベースを使う分野でも、という意味です。
そんな中で、TurboLinuxのようにあれこれ考えなくても取り敢えずOSのインストールが出来る、というのは、Windows系のOSとの対抗上も、必要なことの一つだと私は思います。

というわけで、今の私の野望?は、仕事でPC UNIXを導入したシステムを構築することです。私、先日まで新入社員研修をやっていたのですが、とりあえず手始めに、その教材としてLinuxをこっそり使いました。←まだ、バレると文句が出るかも知れないので、「こっそり」なのです。空文化しているとは言え、一応、社内規則でフリーソフトは使ってはいけない、というのがあったりするので(^^;)

[前へ] [次へ]

[Home] [戻る]


mailto:lepton@amy.hi-ho.ne.jp