新・闘わないプログラマ No.14

モバイルコンピューティングの光と影


去年あたりから、モバイルコンピューティングが流行ってきています。本当に持ち運びできるパソコン(せいぜい1.5kg以下じゃないでしょうか)も結構種類が増えてきましたし、PHSはじめとして通信のインフラも整いつつあります。

このコラムの第1回でも書きましたが、私は富士通のサブノートパソコンを通勤の時にはほとんど持ち歩いています。あとPHSも持っていますので、これで外から通信することもできます。仕事帰りの電車ではまずまちがいなく座ることができますので、大概はこのとき、ノートパソコンを広げて、メールの返事を書いたり、このコラムを書いたりしています。
そんなわけで、私の体験談も含めながら、モバイルコンピューティングについて思っていることを書き綴ってみようと思います。

最初に「モバイルコンピューティングが流行って」いると書きましたが、本当にそんなに流行っているのでしょうか。少なくとも私が、電車の中でノートパソコンを使っている人を見かけたことがあるのは2回だけです。まぁ電車の中って、慣れないと結構キーボードを打ちづらいですから、こんなものなのかも知れませんが。
電車の中でパソコンを使う上で、障害となることはいろいろとあります。
まず、揺れるのでキーボードを打ちづらいのと、ディスプレイを読みづらいことです。悪いことに、サブノートパソコンはキーボードもディスプレイも小さいですから、なおのこと打ちづらいし読みづらいわけです。でも、このあたりは慣れもあって、私も1ヶ月くらい使っていると気にならなくなりました。
次に障害となるのが、隣に座った「おっさん」です(^^;) なぜか知りませんが、この種の人間は思いっきり(短い)脚を開いて座るもののようです。その上、ほとんどの場合、スポーツ新聞や夕刊紙をこれまた腕を思いっきり開いて読んだりします。さらにその上、こちらは隣の人の邪魔にならないように腕を閉じてキーボードをたたいているのにも関わらず、この人種はなぜか迷惑そうな顔をしたりするのです。もしかして、私がキーボードをタッチタイピングでパラパラ打っているのを(自分がキーボードなんか触れないものだから)ひがんでいるのでしょうか??
あと、私のノートパソコンのディスプレイがTFTじゃないのでなおのことそうなのでしょうけど、外が明るいとディスプレイがきわめて見づらくなります。マウスポインタが行方不明になってしまうことがちょくちょくあります。ただ、これは仕方ないですね。私の場合、使うのは地下や夜のことが多いですからあまり問題にはなっていませんが、昼間明るいところで使う人にとっては不便かも知れません。そう言えば、私も休みの日に近くの公園に散歩がてらパソコンを持って出かけたときも、ディスプレイが見づらくて苦労しました。

ノートパソコンを常時持ち歩くことには、いろいろと苦労があります。
まず、重さの問題が挙げられます。私の持っているやつは本体が1.1kgで、増設バッテリも持ち歩いていますので、合計約1.4kgです。これを手提げかばんに入れて持ち歩いています。私にとっては、このあたりの重量が常時持ち歩ける限界のように思います。アクセサリとしては、PHSのカードと、Ethernetのカードは常時持っていますが、FDDやACアダプタは家に置いたままです。Ethernetアダプタがあれば、最悪、職場でもデータのやりとりが出来ますので、FDDは重いし持ち歩いていないわけです。
私は、これより重いノートパソコンにはほとんど価値を認めていません。よくある「オールインワン」型というのでしょうか、なんでも装備しているノートパソコンって、結構売れているようですが、なんでそんなに売れるんでしょうね。高いし、拡張性は無いし、その上重くてとても外を持ち歩く気にはなれないし・・・やっぱり、皆「コタツトップパソコン」として使っているんでしょうか? でも、それだけのお金があるなら、私ならデスクトップ型とサブノートの2台買っちゃいますけどねぇ・・・下手すりゃ、その2台買った方が安いくらいですから。
あと、サブノートパソコンは、小型化・軽量化するために、ボディが結構やわです。私のもっているやつも、いかにもすぐ壊れそうな感じがします。いま話題のSONYのVAIOシリーズのやつはボディにマグネシウム合金かなんか使っていてよさそうに思えるのですが、でも実物を店頭であちこちひねってみたりしました(店の人、ゴメンナサイ)が、やっぱり「やわ」ですね。結局、あまり持たないような気がします。そういう意味では、あまり高いものを買わない方が、壊れたときのショックも小さいですし、いいのでは無いかと思います。別にそんなに高速なCPUを使う必要も無いと思いますしね。ちなみに私のはPentium 100MHzです(でも、これでもうちにあるパソコンの中では一番高速(^^;))
あと、最近気になっているんですけど、結露とかはどうなんでしょうね。特に冬ですと、部屋の中と外との温度差がかなりあって結露しそうな気がするのですが。今のところ問題にはなっていませんが、寿命を縮めているようにも思えます。何にせよ、2年くらい持ってくれればいいのかな、というつもりで使っています。

ノートパソコンを持ち歩いて使ううえでの問題点として、あと挙げられるのにはバッテリがあります。
誰もがまず気にするのは、連続使用時間(1回の充電で何時間持つか)でしょう。私のような使い方ですと、せいぜい1時間半から2時間持ってくれればいいので、私自身はあまり気にしていません。
それより、私が気になっているのは、バッテリの寿命(何回充電できるか)の方です。最近のノートパソコンのバッテリはほとんど全てリチウムイオンバッテリだと思うのですが、公称では充電回数が200回が寿命だそうです。200回と言えば、仕事に行く日に毎日充電するとして約1年弱ですね。休日もどこかに出かける時に使ったとすれば、もっと短くなります。私のやつは、最初に買ったバッテリがそろそろ寿命のようで、あっと言う間に切れてしまうようになってしまい、先日仕方なく、新しいバッテリを買ってきました。これが定価で2万円もするので、結構痛いです。

ところで「モバイルコンピューティング」ばりばりの人って、どんなことに使っているんでしょう。私の場合は、電車の中で、時間の有効活用の意味で、メールや文章を書いたりしているくらい(メールの場合は、忘れないうちにPHSですぐ送ってしまうことが多い)で、仕事で外に出る事もあまり無いですから、あまりばりばり使っているというわけではありません。
スケジュール管理や、会議のメモを取る、あと仕事のメールを外から読み書きする、あたりはやっている人を見たことがありますけど・・・。ただ、私はそう言うところは意外と保守的で、今でも、普通の手帳にペンで書くのが一番確実だと思っています。手帳に書くよりはるかに便利な「何か」があればそっちに移行しますが、現状では別に手帳で困るような事もありませんし、また確実だと思っていますので。

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