新・闘わないプログラマ No.7

電子メール狂詩曲


電子メールも、最近になってやっと仕事をする上での道具として定着してきました。私が数年前に、自分の名刺にメールアドレスを入れたときには、「メールアドレスが入っている名刺を貰ったの、初めてです」とよく言われたものですが、最近はごく当たり前になっていますよね。
よく言われていることですが、電子メールは、情報伝達手段として優れた特徴を持っています。私が、便利だな、と思ったことでは「電話するほどでは無いけど、この情報、ちょっと伝えておきたいな」とか「あいつに電話するの、ちょっとやだな。どうせまた文句言ってくるし(^^;)」とか「○○さん、いつ電話してもいないんだよな。かといって、電話くれ、というのも失礼だし」とか、いろいろあります。
電子メールが普及して、それに伴って、いろいろと面白い光景も見られるようになりました。

まず、前回のコラムでも書きましたが、本文を添付ファイル(ワープロで作ったファイル)にしてくる人、そんな人いないよ、とお思いかも知れませんが、これがどうして、結構います。どうも、ワープロで作って、それを上司に見せて、許可を得てからメールしているようです。まぁ、許可が必要かどうかは向こうの都合ですから、わたしがどうこう言うことでは無いのですが、それをわざわざ添付ファイルにされると、読む方が面倒です。もしかして、Microsoft Wordで書いた文書を添付ファイルにして送った場合、受けた方が、Microsoft Internet Mailだったりすると、簡単に見えるのでしょうか。私は使ったことがないのでよく分かりませんが。
とにかく、こういう送り方をしてくる人は、文書はワープロでなければ書けない、とでも思っているようです。また、それをそのまま(添付ファイルとして)送ろうとします。受け取った方が、そのファイルを作ったアプリケーションがあるかどうか、なんてことは全然考えもしないのでしょうね。

それから、電子メールでやりとりしなくてはいけないのに、キーボードを全く触れない人。これは結構多いですね、おじさんに(って、私ももうおじさんですが(^^;))こういう人の場合、本人はともかく、まわりが大変です。そういうおじさんは、たいていの場合、それなりに「偉い」人ですから、自分の出来ないことは、何でも部下にやらせちゃいます。
手書きの全然読めない原稿を渡されて「これ今日中に送っておいて」と言ってさっさと帰ってしまう。残った人間は悲惨です。最初は自分でなんとか解読しようとしますが、どうしても分からない個所があちらこちらに。周りの人に聞いても、よく分からない。そのうち「以前、部下だった○○部の○○さんならあの文字を読めるらしいよ」とい未確認情報を得て、藁をもすがる思いで、その人を頼って行ったりします。
こんなんじゃ大変だから、といって、こういう人にパソコンの使い方、やら、キーボードやマウスの使い方、やら、電子メールの出し方、やら、を教えようなどというとんでもない野望を抱いたりすると、状況はさらに悪化します。もともとこの種の人種は、いまさら新しいことを覚えようなどという気も無いか、あっても、頭と体がついていきません。そこをなんとか、メールの出し方まで教えたとします。ところが本人は実際には何にも理解していませんから、何かあるたびに周りの人に聞きます。1つのメールを出し終えるまでに、周りの人が呼ばれる回数が10回以内だったら上出来でしょう(^^;)

これは私のことですが、最近は、社外の人とのやり取りも、急ぐ用件であるとか、特別な理由が無い場合はほとんど電子メールです。ところが困ったことに、某社は営業マンには電子メールの使用を禁止しているそうです。「電子メールなどでやりとりするのは、お客さんに失礼だ」というトップの意向だそうですが、メールが使えない方が、私たち「お客さん」にとっては大変迷惑です。大体、営業マンは外出していることが多いし、電話で連絡しようにも出来ないことが多いのです。やっと、向こうから電話を貰ったら、こっちが席を外していたり、こっちが用件を忘れてしまっていることさえあります。
また、言葉で言い表せないような用件の場合、昔ならFAXになるでしょうけど、最近はほとんどすべて電子メールなので、わたしなどFAXの使い方を忘れてしまいました。ところが、電子メールを使えない相手ですと、しかたなくFAXということになってしまいます。で、これが結構大変です。私は既にFAXなどという文明の利器を使うことができない「おじさん」族に仲間入りしてしまっていますから、若いのに馬鹿にされながら、FAXと悪戦苦闘することになります。(^^;)
あの、お願いですからT社の偉い方、営業マンにも電子メールを使えるようにしてあげてください。「FAXも使えないおじさん」と馬鹿にされている私を助けてくださいm(_ _)m

会社で、外部との電子メールの利用を制限しているのには、情報漏洩を防ぐため、という理由もあるようです。NetNewsなんかはもっと厳しい制限を加えているところが多いですね。でも、私が思うに、そんなの無駄だと思うんですけど。情報を社外に持ち出そうとする人間は、どんなことをやっても持ち出します。自分の使っているパソコンや、自分が見ることが出来るサーバーに情報があれば、プリントアウトでも、フロッピーでもMOでも、その気になればFTPでも、いくらでも方法はあるわけですから。
機密情報はもっと手前で押さえなければ、漏洩を防ぐのは不可能だと思います。そんな理由で電子メールを禁止しても、世間の流れに取り残されてゆくだけのように思えます。

私用での電子メールを禁止している会社って、どのくらいあるのでしょう?私の勤めている会社では、特に禁止していません(といって、奨励しているわけでも無いですけど)。聞くところによると、上司が検閲している会社もあるそうですね。
この問題はなかなか難しいところもありますが、私の見たところ、電子メール利用の普及って、こういった私用メールが発端になっていることが多いようです。遊びでちょっと使ってみて、「あ、これは便利だ」となって仕事でも使い出す、私が職場で見ていた限りはそうでした。まず、女性社員たちが、アフター5の約束に使っていたのをよく目にしました(って、別に覗き込んだわけじゃありませんよ)。私の勤めている会社では、そのへんから普及が始まったようです。
まぁ、何事もガチガチにしてしまっては逆効果ではないか、というお話でした。

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