新・闘わないプログラマ No.510

ひまつぶし


名古屋に行ったら、きしめんもいいですけど、やっぱりコレですよね。お櫃に入ったご飯の上にきざんだ鰻の蒲焼が乗っている、あの……いや、何でもないです。忘れてください。

横浜に住んではや十数年。職場が東京で、通勤で電車に乗っている時間が結構長く、最初のうちは大変だったのですが、いまはもう慣れました。行きの電車はほとんど座れないのですが、帰りはまず間違いなく座れます。だいたい50分程度座っていられるわけで、その間の時間をどう有効に使うか、というのは重要な課題になります。
昔はノートPCを通勤時に持ち歩いて、ここの駄文などをよく書いていたものですが、何年か前に「私物のPCを職場に持ち込むことは禁止」になってしまい、かといって職場にロッカーがあるわけでもないので、通勤時にノートPCを持ち歩いて使うことはできなくなりました。まあ、非常に混雑している車内でノートPCを広げて使うことは迷惑にもなりがちですし、急に電車が揺れて立っている人が広げているノートPCにアタックをかけてくる(?)危険性も否定できませんから、通勤時のように混雑した車内ではノートPCを使うことは避けたほうがいいでしょう、ということで。
そんなわけで、ここの駄文を書いたり、はたまた内職の原稿を書いたり、などということは今は通勤の電車の中ではやっていません。書いた原稿やらゲラを印刷して、それの校正はやっていますが。これなら印刷物と赤ペンさえあればできますし、通勤電車内という、ある種逃げ場のない場所なので、校正という辛い作業をやるのには最適です。家では、机に向かって校正をしようとしても、いくらでも逃げ場がありますからあまり捗りません。
さて、そういう内職の無いときの通勤電車内での過ごし方(「ひまつぶし」とも言う)は何があるでしょうか。

「本を読む」というのは月並みですね。今は通勤用のカバンの中に中公文庫版「日本の歴史」(全26巻)を最初の巻から順番に入れていて、今は第13巻「江戸開府」が入っています。この「日本の歴史」、ベストセラーになった本なんだそうですが、今となっては内容的に古くて、一昔前の通説、たとえば「秀吉は源氏ではなかったので征夷大将軍になれず、仕方なく関白になった」みたいなのが載ってますが、そういう古い内容も含めて楽しめます。私は、学生時代からこのシリーズをこつこつと買い集めて、数年前にやっと全巻そろいました。また私が好きな宮脇俊三氏が編集に関わっていたことも、後になってから知りました。
ああ、すみません、話が逸れてしまいました。そんなわけで、とりあえず本は一冊いつもカバンの中に入っていまして、いまは「日本の歴史」シリーズの1冊です。それから「音楽を聴く」です。これも月並みですね。去年買った8GBのiPod nanoが、これも通勤用カバンの中に入っています。でもあまり聴いていません。いまのところ6GBくらい音楽が入ってはいるのですが……。
最後は「電話機でインターネット」です。ひところは「2ちゃんねる」で面白そうなスレッドを電話機(WILLCOMのPHS)のブックマークに入れておいてそれなりに見ていました。WILLCOMの契約はパケット通信が定額になるプランなので、いくら見ても定額ですので使わないとソンです。電話機のJava上で動く通称「専ブラ」(「2ちゃんねる」専用ブラウザ)なるソフトもあるようで、私の機種でも動くらしいのですが、さすがにそれはインストールしていません。普通にブラウザ(非「専ブラ」)で見るだけです。「交通情報」板は、交通機関に何か事故があった場合にかなり早く情報がわかるので、これだけはブックマークからは外せませんが、それ以外はあまり見ていないことになっています(公式見解)。
では、「電話機でインターネット」で、最近は何をよく見ているのかと言うと、Wikipediaですね。なにか思いついた単語をWikipediaで検索して、その解説にあるリンクから別の項目の解説を読んで……なんてことしているとあっという間に数10分が過ぎてしまいます。絶好の「ひまつぶし」です。
「Wikipediaを見てる」なんて言うと、最近は「あんな、誰が編集したんだかわからないもの、よく信用できるよね」とか言われちゃったりするわけですが、そういうことを言う人って「A新聞に書いてあったから」とか「H社の百科事典に書いてあったから」とか(AとかHとかには深い意味はありません……たぶん)だったら無条件に信用するんでしょうか、などと思ってしまいます。
Wikipedia(に限りませんが)は、間違いやら、偏見やら、ある特定の面だけ妙にマニアックで詳しかったりするとこやら、そういうところも含めて楽しめばいいんじゃないかなあ、と思うのですが。それに、何か調べたいことがあるけど、どこから調べていいかわからん、という場合の取っ掛かりとしては大変優れていると思いますし、私もよく利用しています。
先ほどの「秀吉は源氏ではなかったので征夷大将軍になれず、仕方なく関白になった」については、Wikipediaの「征夷大将軍」の「歴史上存在した俗説」という項目で「現実的には源氏でなければ将軍になれないというのは根拠がない」と書かれています。だいたいにして、源氏以外の征夷大将軍の例などたくさんあるわけで「源氏でなければ」なんてのに根拠がないのは明らかですし、それより何より関白こそ、藤原氏の、それも摂関家以外でなった例は秀吉が初めてなわけで(まあ任命当初は摂関家の近衛家の猶子としてだったわけですが)、そっちこそ前例を無視しているわけで……って、あれ? ここって歴史の話をする場所でしたっけ?

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