新・闘わないプログラマ No.496

アスペクト比


去年、家に「大画面液晶テレビ」なるものを導入しました。入れた直後は「うわっ、なんだこの巨大な画面は」などと思ったものですが、それ以来、家では怪奇現象が起こっています。それは何か、と言いますと、毎日画面の大きさが縮んでいるように見えるのです。いや、絶対に縮んでいます。嘘ではありません。計ってはいませんが、たぶん一日1センチくらいの割合で縮んでいることは間違いありません。
いまでは、ごく普通の画面の大きさのテレビになってしまいました。

というような話はとりあえず置いておくことにして、ブラウン管テレビなら、「画面サイズが大きくなる」と「奥行きが増える」はほぼ同義だったわけですが、液晶やプラズマの薄型テレビは、画面サイズが大きくなっても、奥行きはそれほど変わりません。しかも、ブラウン管テレビよりはるかに奥行きは小さいわけです。
家に何か置く場合、体積の大きな物体はデカく感じてしまうわけですが、壁のそばに張り付いている薄型テレビは、部屋の空間をそれほど占めていないため、体積としてのデカさはあまり感じないようです。つまり、最初に感じた「デカさ」は画面の大きさだけの話であって、これは、すぐに目が慣れてしまいました。
そんなわけで、「これから大画面テレビを買うなら、部屋に置ける範囲内で可能な限り大きい画面のにしたほうがいいかも」というのが結論です。あ、「予算の範囲内で」という重要なことを忘れていましたが。

最近の怪奇現象(「目の錯覚」とも言う)と言えば、もう一つ、PCのディスプレイの画面がやけに正方形に近く(横幅が狭く)見えて困っています。PCの標準的なディスプレイのアスペクト比は4:3で、仕事でも家でも、見ているディスプレイはすべてこれです。この4:3は、昔からテレビで用いられてきたもののようです。このアスペクト比はかなり正方形に近いと言えます。たとえば、紙のサイズ(A版やB版)は√2:1、35mmフィルム(フルサイズ)で写真を撮った場合には3:2で、いずれも4:3より横長です。
さらに、家に導入した「大画面液晶テレビ」、ハイビジョン放送などで主流の16:9を見慣れてしまい、4:3などほとんど正方形に見えてしまったわけです。

さて、ここで各種デバイスについて、アスペクト比という観点から、(素人考えですが)見てみます。

こうやって見ると、液晶やプラズマが主流になったことで、横長の画面が普及するのも当然のことかも知れません。まあ、昔ながらの技術であり、しかも代替策のないレンズについては、横長は不利で、端のほうの画質を落とさないようにすると、レンズが大きくなってしまう、という問題点はありますが。

と、いま本の校正をやっていて、画面上でPDFにあれこれ書き込みながら、思ったことを書いてみました。で、17インチ液晶ディスプレイ(アスペクト比4:3)では、2ページ全体が画面に収まらない、収めようとすると字が小さくて読めない、という状況なわけでして……やっぱり24インチくらいの横長ディスプレイでも買うべきなんでしょうか。


2007.7.9追記
17インチ液晶ディスプレイの解像度は1280x1024が一般的だから、4:3じゃなくて5:4じゃないか、という指摘をいただきました。そういやそうですね、勘違いしていました。5:4だと4:3よりさらに正方形に近いです。

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