新・闘わないプログラマ No.312

ポータブル


最近、家で使っている機器が次々と故障していってまして、「なんでもうはかったように壊れ出すんだよ」と思ったりしているわけですが、先日は、ノートPCで使っていたDVD-ROMドライブが故障してしまいました。
ノートPCの種類を表すものとして、近頃は「1スピンドル」とか「2スピンドル」とか「3スピンドル」とか言う分け方を耳にするのですが、この区分で言えば、私が使っているノートPCは1スピンドルということになります。
そもそも「スピンドル」とは何ぞや、というと、「spindle」日本語に訳せば「軸」ですね。たまに「スピンドリル」という人を見かけるのですがドリルではありません、念のため。で「スピンドル」というのは回転軸を持った外部記憶装置のことを指すみたいで、フロッピーディスクドライブとかハードディスクドライブとかCD/DVD-ROMドライブとか、ノートPCに付いているそういうのの数で「1スピンドル」とか「2スピンドル」とか言うみたいです。まあ、いま時のPCにはハードディスクドライブは1台は付いているわけで、最低でも「1スピンドル」と言えるわけです…その昔のPC-9801Nのようにフロッピーディスクドライブだけが付いているノートPCを1スピンドルと呼ぶのかどうかは不明 ←って、その当時に「○スピンドル」なんて言い方は無かったから、どうでもいい話ではありますが。
さて、余談が長くなりましたが、要するに私の持っているノートPCはハードディスクドライブのみの1スピンドルのノートPCなわけで、フロッピーディスクやCD/DVDを使いたい場合には、外部の装置が必要になるわけです。と、ここまで書いて気づきましたが、いつの頃からなのでしょう、フロッピーディスクを使う場面が皆無に等しくなりました。1.4MBしか入らない上に読み書きが遅いフロッピーは、今となっては非常に使い勝手が悪いわけで、私もデータの移動やバックアップにはCD-R(RW)やSDメモリカードを使うことが多くなった、というのが現実です。一応、USB接続のフロッピーディスクドライブは持っていますが、埃をかぶって放置されているような状態です。
一方CD-ROMドライブについては、以前はデスクトップPCのドライブを共有して使っていたのですが、これはいまいち不便、ということで数年前にPCカード接続のポータブルDVD-ROMドライブを買いました。なぜPCカード接続か、と言うと、ドライブの駆動に別途AC電源が必要ない、というのが理由でした。たかがCD(DVD)-ROMドライブのためにACアダプタが必要、というのは利便性の面で大きく劣ってしまうからです。当時は(というか今でも大半は)USB接続のドライブで別途AC電源が必要無いタイプというのは存在しませんでしたから、必然的にPCカード接続にせざるを得ませんでした。
そのDVD-ROMドライブ、結構酷使しまして、落下耐久テスト(?)も何度か行ったりしちゃったりしまして、かなりガタがきていたと思われるのですが、先日ついにDVD-Rの読み込みがほとんど出来なくなってしまいました。で、最初は中のドライブだけを交換できないかな、確か秋葉原あたりで薄型のドライブのバルク品を結構見かけたことがあるなあ、というわけで探してみたのですが…合うドライブは残念ながら発見できませんでした。
仕方が無いので新品を買う事にしたのですが、最初は、その壊れたやつとほぼ同じ製品(AC電源不要のDVD-ROMドライブ、インターフェースはPCカードかUSB2.0)を買おうと思ったのですが、値段を調べてみると1万円台後半。結構高いなあ、どうしようかなあ、と思っていたところ、松下からKXL-CB35ANという製品が最近出たことを知りました。

このKXL-CB35ANという製品、USB2.0接続のCD-R/RW読み書き、DVD-ROM読み込みの出来る(←あまり正確な表現ではありません、詳しくはメーカのサイトで)ドライブで、バスパワー(USBコネクタから電源を取る、別途AC電源は無くても動作可)と、私にとっては理想に近いドライブです。値段は、と調べてみると24,800円で、確かに単なるDVD-ROMドライブより高価ですが、その差はせいぜい7千円前後。この差額で、CD-R/RWの書き込みが出来て、重量も非常に軽い。
ということで買ってしまいました。この製品、電源を「(1個の)USBコネクタから取る」「2個のUSBコネクタから取る」「ACアダプタから取る」の三種類が選べます。PCのUSBコネクタの電源供給能力が高い場合には1個のUSBコネクタから取る事ができ、これでCD/DVDの読み込み、CD-R/RWの書き込みができます。それでダメな場合には、二股になった専用ケーブルを使って2個のUSBコネクタから電源供給を受けることもできます。それでもダメな場合にはACアダプタを使うこともできます。私が持っているノートPC(松下のCF-R1N)では、1個のUSBコネクタからの電源供給で問題なく動作しました。
そもそもUSBは、規格上電源供給能力がかなり低いので、従来はそこからドライブを駆動するための電力を得る事が困難でした。単なるCD-ROMドライブ程度なら問題なくても、DVD-ROMを読んだり、CD-R/RWに書き込んだりすると、消費電力が増えてUSBの電源供給能力を超えてしまい、そういう場合には外部電源(ACアダプタ等)が必要だったのです。そこを松下(九州松下…じゃなくてパナソニックコミュニケーションズ)はより一層の低消費電力化したのでしょう、やっとこういう製品が出てきた、ということになります。

さて、このドライブを使ってみた印象ですが、まず軽い。実測してみたところケーブル込みで、今まで使っていたDVD-ROMドライブが630グラムに対して、KXL-CB35ANが330グラム。半分までは行きませんが、それに近い。接続もUSBケーブル1本だけですっきりしている上に、付属してきたUSBケーブルの長さが長くも無く短くも無く(約45cm)、接続自体が本当にすっきりしています。こういう製品に付属しているケーブルは往々にして長めの物が多いのですが(「大は小を兼ねる」ということなのでしょうけど、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ではないかいな、と思わせることの方が多い)、この製品の場合は、ケーブルの長さまでよく考えられているなあ、と感心しました。
動作的にも特に問題なく、DVDの再生から、CD-R/RWの書き込みまでバスパワーで出来てしまいます。そんなわけでこの製品、大変気に入りました。また、これは余禄みたいなものですが、付属のACアダプタ(これ自体を使うことはまず無いので、別売りにして値段を下げて欲しかったところですが…でもこれを別売りにしたところで1000円も下げられないかも)に付いてきたACケーブル、通称「メガネケーブル」などと呼ばれているやつですが、50センチくらいの短い奴が付いてきました。この短いメガネケーブル、持ち歩き用に以前から探していたのですが、やっと入手することができました。長くて邪魔な、そして重いケーブルが嫌いな私。

というわけでKXL-CB35ANという新しいドライブ、非常に気に入ったわけですが、それはそうと以前使っていた、調子悪くなったというドライブ、試しにもう一度使ってみたところ、ちゃんと動くではないですか。ううむ。

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