新・闘わないプログラマ No.191

自戒


こうやって駄文を書き散らしていると、「なんだよー、こいつ。全然モノ知らんくせに、偉そうに嘘八百書きやがって」などと思われているのではないか、などと不安になったりもするわけですけど…などと言っている間にも、「2ちゃんねる」あたりでぼろくそにこき下ろされていたりするのではないか、などと心配で夜も眠れない日が続いている今日この頃だったりします(←嘘)。

さてさて、先日「お笑いパソコン日誌」で「電波系」というコメントとともに紹介されていた、「bit literacy special column 岩谷宏の『ITの道!』 ──インターネット社会の倫理と正論を考える 第12回 新・個人企業が伸びる時代」(←長い)ってのを読みました(「お笑いパソコン日誌 2001年8月」 2001/8/8 AM 5:33 より)。
岩谷宏氏といえば、あちこちでいろいろな話を聞くし、私も何度か読もうとしたことがあるのですけど、妙に偉そうに書いている割には内容が無い、というか、そもそもそれ以前に、私自身なんか面倒で読む気が起こらなかったので、いままで読んでなかったのですけど、「電波系」のコメントに惹かれて(?)、今回はじめてまともに読んでみたわけです。

んで、読んで見た感想は、というと、確かに「電波系」そのものですねえ、これ。これってお金貰って書いているんですよね、多分。でもって、なんでこんなもんがこんなところに載るんでしょ??
そもそも、

たとえばいわゆるマ*モ*キ*シドラッグストアでは店員は薬についても病気についてもほとんど何も知らないが、そんな下町の薬屋へ行って症状を話せば、おやじが最も的確な、医師の処方薬よりもよく効く一般市販薬を教えてくれるのだ。

なんていう、昔、パソコン通信の頃に流行ったような無意味な伏字、いまどき流行らないと思うんだけどなあ…。まさかマツモトキヨシからクレームがあったら、「オレは『いわゆるマ*モ*キ*シドラッグストア』としか書いていない、マツモトキヨシさんのことを言っているわけではない」と言い訳するつもりかなあ?
とまあ、こんな揚げ足取りはどうでもいいのですけど(←と言いつつしっかり書いている性格の悪い私)、それより、

まず、Cisco社。これは、“ルータ専用機”のトップメーカー企業だ。私思うに、今、ワープロ専用機というものが急激に衰退しつつあるように、やがてルータも、専用機というものは…それが割高で不便であるかぎり…要らなくなると思うのだ。

「ワープロ専用機」なるものと「ルータ専用機」なるものを比較するあたりがなんとも、というか、そもそも、どうしてそういう発想が出てくるんだ?? それにしても「ルータ専用機」っていったいなんだろう、ルータはルータだろうが、と思って、続きを読んで見ると…

ご存じのとおりルータは、コンピュータの上でそのためのソフト(専用ソフトではなく一般的なネットワーキングソフトの一部)を動かせば実現する。

ということで、要するにUNIXやWindows(NT/2000)をルータにしましょ、って話みたいですね。そりゃあまあ、確かにIPとかの特定のプロトコルの単純なルーティングの機能ならOS付属のソフトで実現可能ですよ、UNIXやWindowsNTでも。また、その方がいい場合もあるでしょう。でもね…。
さらに、その先を読み進めると、

ハード的には、できるだけ多くのポートにできるだけ多くのモデムをつなげばよい。

あの…この人の言っている「ルータ」って、もしかしてアナログ回線しか接続しないんでしょうか? いやまあ、そういうふうに使っているルータもあるでしょうけど、でも、それって一般的? なぜ、ここで「モデム」なんていう言葉が出てくる? まだ「できるだけ多くのスロットにNICを取り付ければよい」なら、まだしも。
この先もツッコミどころ満載なのですけど、いいかげん面倒になってきたなあ。もうひとつだけ…

次はMicrosoft社。これはもはや、世界の多くの人にとって、あくびが出るような話題だ。あの一連のお粗末な、ちゃんちゃらおかしいようなソフト製品でもって群を抜く巨大ソフトウェア企業にのしあがった理由は、「独占」ただひとつである。

そうか?
それって逆じゃないのか?

「私ならもっと優秀なWindowsオペレーティングシステムやExcelスプレッドシートを作れる」と思っている人びとは世界にゴマンといる。

そうか?
そもそも「Windowsオペレーティングシステム」とか「Excelスプレッドシート」って、なんでここで「Windows」とか「Excel」っていう固有名詞が出てくるんだ?

しかし、誰一人して、それを作って売り出すことができない。なぜなら、それは合衆国の法が(著作権法等を基盤として)許容している「独占」だから。

別に「作って売り出すこと」は出来るじゃん。
あの、これ、もしかして「被害妄想」とか言うやつですか?
岩谷氏って、要するにそういう方面の人だったのねー。今頃になって、読んで見て納得、というか、これでプロの物書きとしてやっていける、というのが不思議というか…

さて、今回の駄文のタイトル、「他山の石」にしてたんですよね、最初は。んで、書き終えた後に、「まあ、あまり使ったことの無い言葉だし、一応辞書でも引いて見るか」、と思ったら…
(岩波書店「広辞苑 第五版」より)

他山の石以て玉を攻おさむべし
[詩経小雅、鶴鳴] (よその山から出た粗悪な石でも、自分の宝石を磨く役には立つという意から) 自分より劣っている人の言行も自分の知徳を磨く助けとすることができる。

が〜ん、「自分より劣っている人の言行も自分の知徳を磨く助けとすることができる」って、めちゃめちゃ偉そうじゃん。よかった、辞書を引いておいて。

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