新・闘わないプログラマ No.180

低レベル


低レベルと言っても、私の頭の中身のことでもなく(←実はそうかも知れない)、私の書いたプログラムのことでもなく(←実はそうかも知れない)、ましてや、私の書いているこの文章のことでもありません(←実はそうかも知れない)。
先日、以前ここでもとりあげ前橋さんが2冊目の本を出されて、その補足の中で「低レベル」っていうことについて書かれていました。
確かにこれ、誤解を招く表現と言うか、初心者向けの本やら講義で、ヘタにこの言葉を使うと大変なことになるのではないか、などと思ったりします。

「えーと、では皆さんにはプログラムの、この低レベルな部分がよくわからないでしょうから、詳しく説明しますね」
「へ?」
「ん? どした?」
「あのー、その『低レベル』って…」

などという状況になってしまった場合、結構まずいのではないでしょうか。んで、こういう場合には、私だったら…

「あ、わりい、わりい。ついつい『低レベル』なんて、本音を言ってしまって」
「…」
「いや、うそうそ。『低レベル』ってのは、別に皆さんの頭の中身のことを言っているんじゃなくて…あ、中には本当に『低レベル』なやつもいたりして…いやいや、いま目があった前田、別におまえのことを言っているわけじゃなくて…なんだよ、その目は…とにかく、コンピュータの世界で『低レベル』って言ったら、それは…」

などと言って誤魔化したりするのがいいんじゃないかな、などと思ったりします。というか、こういう言い方をすれば、記憶に残ってくれる確率が高いんじゃないかな、と期待しているのですすが、どんなもんでしょ。
私も研修の講師とかを結構やってきて思ったのですけど、悲しいことに、普通に説明した部分って、受講生はほとんど全部忘れてしまうようで、それに比べて、余談とか雑談とか、そういった方をよく覚えているようで…そんなわけで、そんなことばかりやっている私だったりするかも知れません。

まあ、それはそれとして、世間一般での言葉の使い方と、この世界での意味とが違っていて、それによって誤解を生じるもとになる、ってのは、まあどこの世界でもありがちがことでしょうね。私なんかも、そのあたりはかなり気を使ってしゃべったり書いたりしているつもりなのですけど、でも、それでも「ぽろ」っと出ちゃうこともありますね。
新入社員相手に「えー、というわけで変数名は〜〜の範囲内でユニークである必要があるわけです」などと言ってしまったりするわけでして…。

ユニーク 【unique フランス・イギリス】
ほかに類のないさま。独得。独自。ユニック。「―な考え」

「広辞苑 第五版」岩波書店より。
などと、引用してみても、別にさほど意味があるわけでもないのですけど、さて、この場合の「ユニーク」は何と言い換えればいいのでしょうか、「一意」でしょうか。まあ、少なくとも世間一般で言っている「ユニーク」ではないわけで。

まあ、書籍になっているようなものではあまりひどいものは無いでしょうけど、いろんな研修の講師やらテキストやらを見ていると、結構、そういう言葉に対して無頓着な人が多くて、同じ意味に対して複数の言葉やら略語を何の説明もなしに無頓着に使ったり、まったく説明していない用語を突然使ったり、というような場面に出くわすことが多いですね。
まあ、実際の仕事の場面でも、自分たちの職場やら狭いグループでしか通用しないような隠語を、その範囲を超えて堂々と使ったりするような輩も結構いたりして、何を考えているんでしょうね、などと思ったりもします。本人は、知っててやっているのか、知らずにやっているのか…。
それと、最近は少なくなってきたようですけど、「おまえ、○○って言ったら××に決まっているだろー。そんなことも知らねーのかよー」と、新人などに対して、ある狭いグループの範囲内でしか通用しないような隠語を知っていることによって優越感に浸ろうという奴。どこの世界にでもいるんでしょうけど。

ううむ、いつものことながら話が完全に逸れてしまいました。
まあとにかくですね、言葉は注意して、相手にその言葉がどういう風に伝わるか、ということを注意して使わないといけないなあ、という一例でした。とりあえず自戒も込めて。
しかし、いつものごとくまとまりの無い駄文になってしまったなあ。やっぱり「低レベル」ってのは、この駄文のことかな?

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