新・闘わないプログラマ No.175

作業手順覚え書き(2) 〜家庭内LAN環境編〜


「はい、すみません、と最初に謝っておきます。今回の内容はこれを読まれたほぼすべての人にとって何ら有益な情報を提供するような内容ではありません」と謝って「作業手順覚え書き」などという駄文を書いたのが1ヶ月ほど前のこと。そのときの不評にお答えして、その第2弾を行きたいと思います ←おい。
いや、このテーマ、ネタの無いときには便利ですね。やったことをそのままずらずらと書いていけばいいので、かなりラクです。はい、すみません。

さて、去年の夏から秋にかけて、フレッツISDNの契約をして、家に無線LANを導入して、Linuxでサーバを立てたことはすでにここでネタにしているわけですが、そもそも無線LANを導入した経緯は、家にLANケーブルを這わせるような余地が無かった、ということだったわけです。
で、家のこの環境、大きな問題点が一つありました。それは、ネットワークの構成上、サーバ機を、電話線の出ている場所(=ISDNルータの設置場所)であるリビングに置かざるを得ない、ということでした。で、そんなところに常時動いているPCがあると、はっきり言ってうるさいわけです。
どんな感じのネットワーク構成になっていたか、と言うと…


ネットワーク構成図(旧)

                           |
                           | ISDN回線
                           |
                        [RTA52i]                 (リビングに設置)
                           |
          [Server]---------| 10BASE-T
                           |
                        [WLA-L11]


                         〜無線〜


 [AirMacカード]         [WLI-PCM-L11]                [WLI-PCM-L11]
    |                       |                            |
 [iMac]                 [デスクトップPC]             [ノートPC]

 (リビング常駐)         (機械室)                     (あちこち)


     *RTA52i ヤマハ製、ISDNルータ
     *WLA-L11 メルコ製、無線LANアクセスポイント(親機)
     *WLI-PCM-L11 メルコ製、無線LAN用PCカード(子機)
     *AirMacカード アップル製、無線LAN用カード(子機)

ううむ、なんかよくわからない図になってしまいました。要するに、リビングに電話線が出ていて、そこにISDNルータ、無線LANアクセスポイントを置いて、そこから、サーバ以外の各PCに対して無線LANで接続していたわけです。
この構成の場合、有線LANは、ISDNルータと無線LANアクセスポイントの間にある形になっています。で、ここで問題となるのは、サーバ機をどこに置くか、ということになるわけですが、

で、2番目の案は、サーバ機に「PCカードアダプタ」+「無線LANカード」という構成が、Linuxがどうしてもうまく行かずに投げ出してしまいました。3番目の案にするには、ブリッジが必要になるし、たとえば、Linuxでブリッジを構成するには、やはり2番目と同じ「PCカードアダプタ」+「無線LANカード」がLinuxで使えることが前提なので、やはり…。というわけで、安直に1番目の方法を取っていたわけです。
でも、リビングにサーバ機があって常時動いているのはやはりうるさい。なんとしても機械室に持っていきたいなあ、と思っていたところに、いい製品が発売されたことを知りました。
それは、新潟キヤノテックのRF-100Eという製品です。これ、いろいろな機能を持っていますが、その中でも私が注目したのが、10BASE-T接続の無線LAN用子機として使える機能です。従来この手の製品は、その主な利用形態にからして、PCカード接続が主流で、あとはPCIやISAの拡張スロットに挿すタイプや、USB接続タイプが多少あったくらいなのですけど、この製品を使えば、10BASE-Tのインターフェースさえあれば、どんな機器でも無線LAN接続が出来てしまうわけです。
まあ、10BASE-Tを、このような周辺機器との1対1接続のために使うのは変則的で本来の使い方ではないわけですが。

さて、そもそもリビングに有線LAN環境は特に必要としていなかったのですが、ISDNルータを無線LANの子機にする方法が今まで無かったために、仕方なくそうしていたのですね。でも、このRF-100Eという製品を使えば、ISDNルータを無線LANの子機にして、親機であるアクセスポイントを機械室に持っていくことが可能になり、必然的に機械室に有線LAN環境が出来る、ということになり、結果として、サーバ機も機械室に…めでたしめでたし。
で、その構成図が…


ネットワーク構成図(新)

                           |
                           | ISDN回線
                           |
                        [RTA52i]                 (リビングに設置)
                           |
                           | 10BASE-T
                           |
                        [RF-100E]


                         〜無線〜


                        [WLA-L11]
        〜無線〜            |               〜無線〜
                            |
                   10BASE-T |
                            |-------[Server]
 [AirMacカード]             |                        [WLI-PCM-L11]
    |                       |                            |
 [iMac]                 [デスクトップPC]             [ノートPC]

 (リビング常駐)         (機械室)                     (あちこち)


という感じです。
で、RF-100Eですが、これの設定にはWindowsアプリケーションからしか出来ません。出来れば、HTTPかなんか話してもらえればブラウザでも出来て便利(いや、私なんかはtelnetの方がもっといいのですけど、これは一般的じゃないか…)かな、などと思ったりしました。
とりあえず、設定用アプリケーションをデスクトップPCにインストールして、LANケーブルでPCとRF-100Eを接続して、設定しました。この設定自体は別に難しいところは無くてすんなり行ったのですけど、設定が終わっても、アクセスポイントとの通信がどうしても出来ません…いろいろ調べて見たら、以前アクセスポイントに、セキュリティのために、接続する子機の制限(MACアドレスによる)をしていたことに気付きました。
で、RF-100EのMACアドレスをアクセスポイントに登録して、再度確認…でもやっぱり繋がりません。いろいろ調べてみると、どうやら、子機モードで使う場合には、アクセスポイントから見たRF-100Eは、自分が持っているMACアドレスじゃなくて、その先に(10BASE-Tで)繋がっている機器のMACアドレスで通信を行うらしい、ということが判明しました ←マニュアルにはそんなこと載っていなかった。
というわけで、RF-100Eの先に繋がっている機器のMACアドレスを、アクセスポイントに設定してやると…今度はうまく通信できるようになりました。
まあ、とにかくRF-100Eというこの装置、いろいろ面白い使い方ができそうですけど、子機モードで使う場合には、本来のLANの使い方とは違うので、今書いたMACアドレスの件と言い、ちょっとばかり注意が必要なこともあるようです(←ほかにもいくつか軽微な注意点があったのですけど、長くなるので省略)。

まあ、こんな感じで新たな家庭内LAN環境が出来上がりました。で、この新構成で不安だったのは、機械室に置いてある無線LANアクセスポイントと、ルータ(に繋いだRF-100E)との間の通信が、長期間に渡って安定して行われるか、ということでした。無線なので不安定になったり、あといずれかの機器がハングしたり、なんてことでサーバとインターネット間の通信が切れちゃったりすると困るなあ、とか思っていました。
で、結論から言いますと、この環境に変更してから1週間の運用では、特に問題になるようなトラブルはありませんでした。めでたし、めでたし……で、終わればよかったのですけど、実はその後、余計なことをやっちゃいまして、何かと言いますと、アクセスポイントのWLA-L11のファームウェアのバージョンアップ(1.25→2.02)をやったんですよね。そしたら切れるのなんの、1日ほど経つと、必ず通信が切れてしまって、WLA-L11とRF-100Eの再起動をしないと復旧しなくなってしまいました。
「余計なバージョンアップはすべきではない」というのはよく言われる教訓だったはずなのですけど、ちょっとばかり時間が空いていたので、つい、魔が差した、とでも言いますか。もちろん、速攻で古いファームウェアに戻しました。それ以後は快調です。

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