「あ、あのシステムの明後日の夜中の立会い、お前頼むわ」
「えー、やですよ。明後日って何の日か知ってるでしょ?」
「ん? 何だっけ? 天皇誕生日の次の日だよなあ。それがどうかしたのか?」
「とぼけないで下さいよ〜。クリスマスイブじゃないですか〜」
「それで?」
「またー」
「だから?」
「もうー」
「おお、わりーわりー。お前、彼女出来たんだっけ?」
「そうですよ!! でかい声で言わないで下さいよ」
「ふーん、じゃあ、クリスマスイブは、彼女と二人きりで甘い一夜を…」
「だから、止めてください、ってば!」
「んじゃあ、お前。そう、お前だよお前。明後日の夜中の立会い、よろしくな」
「え? 私? 私もちょっと…」
「なんだよ、お前もかよー」
「はあ…」
「んじゃあ、お前。お前は絶対大丈夫だよな」
「そんな言い切らないで下さいよー。私だっていろいろと、その…」
「『いろいろと』なんだよ」
「いろいろと予定が…」
「全くもう。あ、じゃあお前はどうだ? お前なら、まかり間違っても、クリスマスイブに予定なんか無いよな?」
「なんですか、ひどいなあ! 僕だって…」
「『僕だって』なーんだよ、見栄張るなってば。な、予定無いよな。まーったく予定なんか無いよな。ある訳無いよな、な、な!」
「そんな、強調しないで下さいよー」
「とにかく、明後日の夜、よろしくな」
「は〜い、しくしく…って、あれ? 僕は、あのシステムのこと全然知らないんですけど…」
「え゛、そーだっけ? 参ったなあ、誰か立会いできる奴はいねーのかよー」
「…」
「ほらほらほらほら、誰か立候補しろよ」
「まーったく、そんなに人がいないんだったら、自分でやりゃあいいんだよな。他人にやらせることばかり考えて…ひそひそ」
「ん? 誰か、何か言ったか?」
「…」
「おい、文句ある奴は言って見ろ」
「あのー、人がいないんだったら、立会いはご自身がやられたらいかがですか?」
「ん? オレか? オレはその…クリスマスイブの晩はだなあ、当然その、予定が入っちゃっていたりするかも知れないからダメ〜」
「またー、見栄張らなくてもいいですよー、な〜んも予定なんかないくせに〜」
っつーわけで、クリスマスイブの晩のスケジュールってのは、結構ヤバめだったりして、指名する方もされる方も、結構気を使っちゃったりなんかするわけでして…
え? 私ですか? 私は…あの、その、この週末はびっしり予定が入っていて、その証拠に、いつもにも増して、こんな駄文しか書いている暇が無かった、ということで証明できるのではないか、などと思ったりするわけでして ←と、一応、見栄を張っておきます。