「智恵子 その愛と光彩」展


●東京の大丸ミュージアムで「智恵子 その愛と光彩」展が開催中。会期は、8月12日(木)から8月24日(火)まで。北海道立旭川美術館で6月12日〜7月28日に開かれていたものと同じタイトルで、「協力 旭川市彫刻美術館 日本近代文学館」となっているので、その巡回展かもしれない(主催は毎日新聞社)。智恵子の紙絵100点と光太郎の彫刻・素描・書、『智恵子抄』の原稿などが展示されているそうだ。
●智恵子の活動は病後の紙絵ばかりが取り上げられるが、元気だった頃の彼女が目指した芸術というものも見ていかないといけないのではないかと思っている。たしかに紙絵にも美はあるが、そこには彼女の悲劇を下敷きにした鑑賞の影響も否めない。経過はどうであれ、残った作品を評価すべき(彼女の健康な頃の作品は残っていない?)という考えもあるが、紙絵が智恵子の本領ではないということは忘れてはいけないと思う。

(1999年8月14日)


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