2000/01/07 号 -------------------------------------------------------- 武者組「あるね」ニュース ------------------------------------------------MUSHA-GUMI [ArNe] News  山谷五兵衛がぶらりとやって来た。「何か面白い話はないか」と言うと  例によって「あるね」と言って、話しだした。 ---------------------------------------------------------------------- ● 今回は 6つ の話があります。 ◎ 新年あけましておめでとうございます。今年もいろいろなニュースをお届 けしていきたいと思っておりますので、「武者組」ホームページならびに 「武者組『あるね』ニュース」に変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろし くお願い申し上げます。 ○ 「一月一日」の作詞者は、千家元麿の父  1月1日付け日経新聞に、阿川弘之が「年の始めのためしとて」という文章 を寄せています。その中で文章のタイトルの歌い出しで始まる「一月一日」と いう歌について触れていました。この歌の作詞者は千家尊福(せんげたかと み)という出雲大社の宮司で千家元麿の父にあたり(私もここまでは知ってい ましたが)、西園寺内閣の司法大臣も務めたと紹介されていました。子供の頃 から親しんできた歌ですが、思わぬところで「白樺」と縁があったのですね。 ○ 新潮文庫20世紀の100冊に「お目出たき人」  初売の書店をのぞくと、実篤の「お目出たき人」が新潮文庫の新刊として並 んでいました。1901年〜2000年に発行された本から1冊ずつ選び、毎月10作 ずつ刊行する「新潮文庫20世紀の100冊」の1冊です。  「お目出たき人」は1911年の分で、カバーには「アムンゼン、南極点到達/ 中国で辛亥革命」と書いてあります。中身は当時の単行本と同じく「お目出た き人」と附録5編に、新たに山本健吉と阿川佐和子の解説がついています。初 版と同じ表紙(ダブルカバーとなっています)と扉絵(クリンゲルのエッチン グ)をつけ、伏字もそのままにする等(誤植かと思いました)、ちょっとした 復刻版です。  「お目出たき人」は少し前までは岩波文庫から「世間知らず」とのカップリ ングで出ていましたが、現在は絶版です。字も大きく読みやすいので、まだ読 んだことのない方は一度手にとって、有名な冒頭部分だけでも読んでみてくだ さい。  ちなみにこのシリーズには、以下の作品が予定されています。 1911 『お目出たき人』武者小路実篤(既刊) 1914 『道程』高村光太郎 1917 『和解』志賀直哉 1920 『惜しみなく愛は奪う』有島武郎(近刊) ◆ 「新潮文庫20世紀の100冊」ホームページ http://www.shinchosha.co.jp/20century/index.html ○ 調布七福神めぐりはいかが?  全国各地に七福神がいらっしゃって、お正月はそこをめぐる案内もよく見か けます。調布にも同様に七福神のコースがあって、その六番と七番が仙川・実 篤記念館近辺にあります。京王電鉄発行のパンフレットによると、 六番 明照院 弁財天(実篤記念館近く、同名のバス停あり) 七番 昌翁寺 寿老人(仙川駅北側徒歩3分) となっています。明照院は隣に糟嶺神社があるためときどき行きますが、昌翁 寺はまだ行ったことがないので、ぜひ今度お参りしてみたいと思います。 ○ [目録より] =その9= 新潮文庫(更新)  1999年10月現在の新潮文庫のカタログを入手しましたので、リストを更新 します。1999年4月現在(本ニュース6月26日号)と比較すると、『お目出 たき人』(む-1-14)と入れ違いで『幸福な家族』(む-1-8)がリストから消えて います。それ以外は変化はありませんでした。 あ-2-3 有島武郎 『惜しみなく愛は奪う』 あ-2-4 有島武郎 『小さき者へ・生れ出づる悩み』 あ-2-5 有島武郎 『或る女』 く-2-1 倉田百三 『出家とその弟子』 し-1-1 志賀直哉 『和解』 し-1-4 志賀直哉 『清兵衛と瓢箪・網走まで』 し-1-5 志賀直哉 『小僧の神様・城の崎にて』 し-1-6 志賀直哉 『灰色の月・万暦赤絵』 し-1-7 志賀直哉 『暗夜行路』 た-4-1 伊藤信吉編 『高村光太郎詩集』 た-4-2 高村光太郎 『智恵子抄』 む-1-1 武者小路実篤 『友情』 む-1-3 武者小路実篤 『愛と死』 む-1-4 武者小路実篤 『真理先生』 む-1-9 武者小路実篤 『棘まで美し』 む-1-12 亀井勝一郎編 『武者小路実篤詩集』 む-1-13 武者小路実篤 『人生論・愛について』 む-1-14 武者小路実篤 『お目出たき人』 あ-3-15 阿川弘之 『志賀直哉(上下)』 ト-2-1 トルストイ/木村浩訳 『アンナ・カレーニナ(上中下)』 ト-2-4 トルストイ/原卓也訳 『幼年時代』 ト-2-5 トルストイ/原卓也訳 『少年時代』 ト-2-6 トルストイ/原卓也訳 『青年時代』 ト-2-7 トルストイ/原卓也訳 『クロイツェル・ソナタ 悪魔』 ト-2-8 トルストイ/原久一郎訳 『光あるうち光の中を歩め』 ト-2-9 トルストイ/工藤精一郎訳 『戦争と平和(1〜4)』 ト-2-13 トルストイ/原卓也訳 『人生論』 ト-2-14 トルストイ/木村浩訳 『復活(上下)』 メ-3-1 メーテルリンク/堀口大學訳 『青い鳥』 ○ 郡虎彦の戯曲が上演されます  郡虎彦は『白樺』創刊時同人の最年少で、若くして亡くなりましたが、「鉄 輪(かなわ)」や「道成寺」などの戯曲を三島由紀夫は高く評価していました。 今回は「父と母」がシアターΧ(カイ)で上演されます。  シアターΧは昨年7月に「第9回シアターΧ名作劇場」として実篤の「ある 画室の主」を上演して私も見てきましたが、おもしろかったので今回もできれ ば行きたいと思っています。  第10回シアターΧ名作劇場   木下杢太郎「和泉屋染物店」/郡虎彦「父と母」   演出:川和孝、キャスト:納屋六朗、松尾智昭ほか   1月11日(火)〜16日(日)   シアターΧ(JR両国駅徒歩3分、回向院そば)   前売3,000円、当日3,500円、学生2,000円。全席自由。   お問合わせ:シアターΧ 03-5624-1181 ◆ シアターΧホームページ http://www.freepage.total.co.jp/theaterX/ ■ 編輯室より ・今回は久しぶりということもありますが、ニュースの本数が多かったのでか なり長文になりました。前号では短文中心でいきたいと書きましたが、ニュ ースをお伝えすることを優先いたしましたのでご諒解ください。 ・昨年の1月は『国文学 解釈と鑑賞』実篤特集号、今年は『お目出たき人』 の文庫化と、お正月はドキドキすることが続きます。このドキドキを1年通 してうまく続けていけるようがんばっていきたいと思います。皆様もご意見 やご感想、また新しい情報などがおありでしたら、どしどし編輯室までお寄 せください。楽しい年にしていきましょう。 ☆このメールニュースに返信−>作者に届きます/ご意見・ご感想をぜひ! ---------------------------------------------------------------------- 武者組「あるね」ニュース 2000/01/07号 (不定期刊) 発行:こにし さとし konishi_satoshi@amy.hi-ho.ne.jp ↓配信先変更・登録削除はホームページから/実篤記念館見学レポートもあり 武者組ホームページ:http://www.amy.hi-ho.ne.jp/~konishi_satoshi/ ---------------------------------------------------------------------- このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して 発行しています。( http://www.mag2.com/ ) マガジンIDは 0000008392です。 ----------------------------------------------------------------------