◆ ヘッド−テープ相対速度編
    1.基本
      VHS方式では、62mm径の回転ドラムが1秒間に30回転しています。
      そのドラム外周へ180度+α巻き付けられたテープが、標準速では33.33mm/秒で走行します。
      回転ドラムの円周上には、CH−1とCH−2のビデオヘッドが180度の位置に正対して取りつけられています。
      その1つのビデオヘッドとテープの相対速度は、5.8m/秒になります。

    2.もう少しお勉強
      VHSのテープ幅は12.65mmですが、上部に音声トラック、下部にコントロール信号トラックがあります。
      よって斜めに記録するビデオトラック幅が標準で58μmでも、テープを占有するビデオ幅は10.07mmになります。

    3.雑学
      VHSに約1年先行したベータ−フォーマットは、下記になります。
      テープ幅はインチ数を整数分の1に小型化した経緯から12.65mmと同じですが、ドラム径は74.487mm、テープ走行速度はベータTで40mm/秒、ヘッドとテープの相対速度は6.97m/秒。
      どれをとっても画質に有利です。
      しかしベータTとUでヘッドとテープの相対速度が異なってコスト高になったり、メカが面倒なUローディングの採用があり先見性がない部分が散見されます。
      (ベータT:相対速度6.973m/秒,ベータU:6.993m/秒)
      なぜこのように似たフォーマットが発生したかは、各種雑誌、専門誌に解説されています。
      ここであえて言うなら3/4インチ統一型(松下/ビクター/SONY方式)をベースに1/2インチフォーマットを開発したら、この程度(ベータT)の画質が欲しかったSONYとTV録画は2時間にこだわった結果の画質で我慢したビクターの差だったと思います。
      技術開発力に両社の差はなかったでしょうきっと。
      その頃松下はどうしていたか?
      ヘッドが1つですむα巻きの1/2インチVX方式を開発/販売していました。
      α巻きはドラム全周にテープを巻きつけるので、ドラムが1回転するとテープに1フィールド分のビデオトラックが記録されます。
      これはVHSやベータのような2ヘッド方式に比べドラムの回転速度を2倍にする必要がありますが、そのぶんドラム径を1/2にできるのでメカが小型化できるメリットがあります。
      手元の資料によると9.09m/秒の相対速度があったようです。
      しかし別の資料によると、3/4インチより大きな製品を出したので不評だったとあります。