◆ テンションブレーキ交換
    1.基本
      テープとヘッドを適切に接触させるには、ドラムへ巻き付けたテープにテンションをかける。
      再生時のテープは、キャプスタンとピンチローラに挟まれて駆動される(引っ張られる)。
      そこでテープテンションは、サプライ側リールにブレーキをかけて発生させている。
      この機構は、オープンリールのオーディオテープレコーダー時代から延々と受け継がれている。
      ブレーキは、スチールバンドもしくはフィルム製バンドに貼り付けられたフェルトのようなシューがリールの外周に押し付けられてかかる。
      松下製の古いデッキでは、接着剤の劣化によりこのフェルトが脱落するトラブルが多かった。
      ビクター製ではバンドが切れたトラブルを2件経験した。
      調整の基本は、再生時はスプリングにより適切なブレーキをかけ、その他のモードではブレーキを引きずらないようにする。

    2.機構と分解方法
      トップカバーとカセットハウジングを外すとブレーキバンドは目視で容易に確認できる。
      ブレーキのバンドは、スプリングで引かれている。




      テンション調整はこのスプリング取り付け位置を変える。
      概ね3箇所くらい設定できる。
      これで調整できない場合は、バンドのもう一方の取り付け位置をずらす方法がある。
      取り付けネジを緩めてずらすが、目盛りがついている場合が多いので最初の位置をマーキングしておく。
      上の写真は、スプリングの位置を固定してしまった廉価機種。
      手前の白い樹脂製部品のネジを緩めて左右へずらし調整する。

      あまり事例はないが、テープテンションがかかりすぎるとS/Nが悪くなる程度でそれほど画像は乱れない。
      試しに指先で目いっぱいブレーキをかけてみると、意外にも停止する直前までまともな画像を出すデッキが多い。
      しかし逆にテンションを緩めると画面上部にスキュー歪が現れる。
      スキュー歪の症状:画面の最上部だけが水平同期が外れたように歪む。
      さらに緩めると垂直同期が外れたような再生画像になる場合が多い。
      バンドの交換は金属製のアームから外して行うが、ワンタッチ嵌め込み式がほとんどなので難しいところはない。
      メーカによっては位置ずれ防止を目的として、リール上部に押さえの部品が取り付けられている場合もある。