◆ NIKKOR 85mmF1.8 絞りリングのグリスアップ
     レンズの正式名称はNIKKOR−H・C Auto 1:1.8 f=85mm 391460。
    名称のNIKKORは写真撮影用レンズの商品名で、日本光学の略称ニッコーにRを付けたとされています。
    末尾の6桁数字はシリアルナンバー。

     下の写真を見ていただきたいのっですが、ニコンF用の第1世代用レンズらしいです。(1964年に発売)
    第1世代の特徴は、回転しない鏡胴部分がシルバーで回転する絞りリングやピントリングがブラックになっていることです。
    NIKKORの次のH記号は、ヘキサーの略でレンズが6枚構成を示しています。
    Tが3枚、Qが4枚、Pが5枚、Hが6枚、Sが7枚、Qが8枚。
    H記号の次のC記号はレンズのマルチコーティング記号だそうです。
    この第1世代を初期型と呼ぶ人が多いと雑誌に書かれていました。
    ピントリングも金属製で滑り止めのラバーがない。
    いかにも質実剛健という雰囲気を醸し出している。


     このレンズを元勤めていた会社の同僚から入手して、15年以上を経過していると思います。
    その間防湿庫へ保管していたので、特にカビもなく健在です。
    F2フォトミックAファインダーを買ったときにAIへ改造してもらいました。
    今はニコンも改造を引き受けていませんが、当時はAIのボディーかファインダーを買うと1本無料で改造してくれました。
    手続きはとても簡単で、ボディーの保証書と改造したいレンズを近所のカメラ屋に出すだけでした。
    今は改造の受け付けを終了しています。
     このレンズも数年前から絞りリングが固くなってしまいました。
    今回ニコンFを買ったので、またしばらくは活躍してもらうためにメンテすることにしました。

     マウント部の5本のネジを外します。
    細かなボールが多数入ったベアリングの回転機構が全て見えます。
    絞り連動爪を手で動かすと、特にストレスもなくスムースに動作します。
    どうやら絞りリングが渋いのは、節度を保っている部分のグリスが古くなったのが原因のようです。
    絞りリングは1本の精密ネジでとめられていたので、これも外します。
    尚、絞りリングはマウント部を先に外しておかないと抜けません。
    この部分まで外しても、後ろの玉にはまったく影響しない。


     節度を出してる機構は、簡単なスプリング機構になっていました。
    鏡胴側は湾曲させた板バネだけで、止めネジで絞り指標の位置を調整できるようになっています。
    絞りリング側は、絞り値の数だけカマボコ型に波があります。
    この波の谷間に板ばねの先端が入ると、カチッとした節度でリングがとまります。
    そこで板バネとリングの古いグリスをアルコールで拭き取り、シリコン系のグリスを僅かに塗布しました。
    その結果とてもスムースな動きに戻り、レンズは甦りました。