◆ ジレッテのガバナー機構整備
     前回失敗したシャッター速度の調整ですが、その後ひょっとしたらガバナーが悪いのではないかと思い調べてみました。
    疑った理由は、学研のCAPAカメラGETと言う中古カメラ情報誌を読んでいるときに、整備記事でガバナーという単語が使われていたからです。
    ガバナーはモーター等にも使用され、調速器と約されます。
    役目は回転数を一定の速度にするメカニカルサーボ(モータでは振り子が多い)のようなものです。
    シャッター速度が遅い原因としては、とっても疑わしいと思いませんか?

     先ず勤務先の会社で、コンドーさんに尋ねてみました。
    このコンドーさんは昔カメラ関係のレンズメーカに勤務したことがあり、レンズを分解する工具のカニ目を珍言采に教えてくれた人です。
    偶々会社の給湯室でCPFFEEを入れていたコンドーさんに会ったので質問してみました。
    「レンズシャッター機のガバナーって知ってる?」と聞くと親指と人差し指をコの字に曲げて、ギアの周りで首を振るダンパーのようなものだと教えてくれました。
    その後珍言采がCAD室で遊んでいたらもっと詳しい人に聞いてくれ、図を画いて説明してくれました。

     コンドーさんの説明を要約すると、下記のような動作をする機構らしいです。

    ・シャッターチャージされた回転する機構の一部に、シャッターが開いている間回転するギアがある。
    ・ギアの周りにコの字型のプレートがある。
    ・コの字の両端がギアの歯に当たって跳ね返る。
    ・コの字プレートは歯に噛み込む事はない。
    ・コの字プレートの首振り機構はフリーで、左右に首を振る速度を調整する機構は持たない。
    ・コの字プレートが動作中は、ギアにスプリングで押しつけられる。
    ・ギアの回転数を一定にする要素は、コの字プレートの慣性だけ。

     もしガバナーが原因でシャッター速度が遅い場合は、ギアとコの字プレートの摩擦に問題があるか、ギアにプレートを押し付けるスライダー部分等の摩擦も影響しているかもしれないと言うことだった。
    早速、ジレッテのシャッターを再度分解してみました。


画像が荒れているのは、マクロ撮影で倍率が不足するので、デジカメ内蔵のデジタル処理で2.5倍にしています

 このジレッテには、ガバナーが2個付いていました。
1/8〜1(秒)の低速側を分担する慣性マスの大きなものと、1/15(秒)以上の高速を分担する小さなものです。
高速シャッター時は、低速側のガバナーはカム機構で離され固定されるので動作しません。
低速シャッター時は両方動作しています。

 コンドーさんが教えてくれたように、コの時プレートの首振り中心部はフリーでした。
そこでギアとの接触部分と各シュウドウ部に、シリコン系オイルを注油しました。
オイルは、田宮模型のRCカー用ダンパーオイル#200(赤色)です。
別にこだわった訳ではなく、偶々持っていたシリコン形オイルの中で最も粘度の低いものです。
ついでにギアの回転軸やレバー類の軸受け部分にも注油したらスムースに動作するようになりました。
両目(左目でストップウォッチ、右目でシャッター)を使い、目視で測定してみると完調です。